遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

養老焼錆釉小皿(5枚)

2022年08月23日 | 古陶磁ー国焼

養老焼の小皿(5枚)です。

 

11.6㎝ x 12.0㎝、高台径 5.4㎝、高 3.2㎝。明治、大正。

小振りの皿ですが、何でも受けいる幅の広さをもっています。時々使うので、一枚、縁が欠けています。金継ぎで修理をせねば(^^;

薄造りの皿です。隅に掛けられた海鼠釉が控えめなアクセントとなっています。岐阜の片田舎で作られたとは思えないセンスの品です。

養老焼は、幕末期、尾張の陶芸家、大橋秋二が、自身の還暦祝いとして、菊紋の陶器を養老の地で焼いた事に始まると言われています。その後、明治35年、養老郡牧田村の大工、小谷嘉市が地元で陶土を発見し、養老の滝や菊紋の陶磁器を作り、販売しました。後に、養老駅前に窯を移し、大正中期まで養老焼は続きました。

高台内に、瓢箪型に「養老」の押印があります。いわゆる牧田養老焼です。

轆轤技術やデザインなど、畑違いの大工が始めた焼物とはとても思えません。岐阜の片田舎で興った小窯ながら、職人の心意気が伝わってくる小品ですね。

コメント (4)
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