遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

大皿・大鉢・壷33 法花騎馬人物紋大壷

2022年08月17日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

今回は、「イケナイ物にも胴継ぎ?」の品です。

以前に、法花三彩樹下人物紋瓶子を紹介しました。法花とは、中国明、清時代に造られた特殊な色絵陶磁器で、器の表面にイッチンで縁取りをして模様を描き、三彩釉薬を差して焼成した物です。

今回も、その技法を使った大壷です。

胴径(最大) 40.7㎝、口径 21.0㎝、底径 25.4㎝、高 35.9㎝。重 7.8㎏。

この品の本歌は、東博にあります。

高30.8cm、口径17.8㎝、底径24.2㎝。明時代。江戸幕府重臣、青山家伝来。重要文化財。

 

今回の品は、東博の法花三彩壷の写しです。一回り大きいです。

青、紫、黄(茶)、白釉をつかって、

騎馬人物と、

二人の唐子が表されています。

 

反対側も似たデザインですが、人物や周りの模様が若干異なっています。

騎馬人物と、

二人の唐子。

以前に紹介した法花三彩樹下人物紋瓶子に較べると、色釉に深みがありません。もちろん、オーラを感じ取ることはできません。

ただ、全体に色調は落ちつき、近年のコピー品に見られる、妙なテカリはありません。

少しは時代を経ているのでしょうか。

内側を覗くと、胴継ぎの痕がクッキリと見えます。写真では上部に見えますが、器の中央部です。

ものの本には、「中国の古い陶磁器は胴継ぎで・・・」とあります。確かに、中国の古い壷や花瓶は、上下のパーツを貼り合わせて作られています。しかし、この技法がいつ頃まで行われていたかについては、はっきりしません。ひょっとしたら、今も一般的なやり方なのかも知れません。

それがわかれば、今回の品の評価も定まり、もやもやが晴れてスッキリするはず(^.^)

コメント (4)
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