遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

見台2.観世組立式譜面台

2022年03月28日 | 能楽ー工芸品

先回、観世流の公式見台を紹介しました。

ところが、うっかりこれを削除してしまいました。何とか回復する方法はないものでしょうか。

やむをえません。暇をみつけて、アップし直します。

そういう訳で、がっくりしながら、今日の品です。

平凡な木の箱(15x35x6cm)です。

なにやら、木の部品がいろいろ入っています。

二つの木を組合すと・・

台ができました。

棒をこの穴に差し込むと、

ピッタリと納まりました。

上部に、黒く細長い木部があります。

下の穴にクサビ(無くなっていたので、割り箸で代用^^;)をギュッと押しこめば、固定完了。

 

さらに、意味ありげなパーツが。

もう一つ、平らな板。

板を広げると倍の大きさになります。裏側には、溝が切ってあります。

この溝に、先ほどの意味ありげなパーツを差し込めば、ピッタリと嵌まりました。

これを、台棒の穴に差し込めば・・・

譜面台が出来上がりました(^.^)

裏側の穴の位置によって、譜面台の角度を変えることができます。止め棒は、これまた割り箸で代用(^^;

 

譜面台は上下に動かすことができます。台棒の黒い細木をギュッとおさえれば、譜面台が固定されます。高さ調節ができるのですね。

こういう可動部は、金属でできた西洋式譜面台を手本にして、日本流にアレンジして作ったのでしょう。

職人の技に一本(^.^)

昭和の初めごろの品でしょうか。注文した人もセンス有り。

左下に金で瓢箪が、右上には銀で月が描かれています。これは、観世流見台のマークですね。瓢箪と月が左右逆ですが堅い事は言わず、瓢箪横の汚れもやり過ごせば、実用品です。

今日は、気分を新たにして、『砧』。聞かせどころの「砧の段」ですが、和洋折衷譜面台のおかげで顔をあげて謡うことができました。調子もまずまず(^.^)

コメント (6)
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