今回も、アンチモニー合金製の金工細工、隅田川図皿です。
いかにも明治の輸出品らしい品です。
15.8㎝ⅹ12.1㎝ⅹ3.2㎝
蛤形で分厚い皿です。
灰皿にぴったりの大きさ、形ですが、やはりペン皿でしょう。
美しい女性が2人、何やら話しています。船着き場の川面には都鳥・・・・・なかなか絵になります。
浮世絵にありそうな場面です。
遠くに富士山が見えます。その上にも、貝の蝶番部が富士山形。ダブル富士ですね(^.^)
あそびゴコロです。
裏側も簡単な細工がなされています。
この皿も、表、裏、2枚の品を合わせてあると思うのですが、どうやって貼り合わされているの全くわかりません。
裏側にある、2本の脚(3本目は凸部で代用)もよく見ると、にくい工夫がなされています。
右側の脚は岩の一部、左側の脚は、松の枝になっているのです。
明治維新を必死で生き抜こうとした職人たちですが、こんなところにあそびゴコロをさりげなく入れてるんですね。
コロナの時代を生きなければならない私たちも、あそびゴコロを忘れず、心にゆとりをもちたいものです。