遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

金工2 隅田川図皿

2020年04月11日 | 金工

今回も、アンチモニー合金製の金工細工、隅田川図皿です。

いかにも明治の輸出品らしい品です。

        15.8㎝ⅹ12.1㎝ⅹ3.2㎝

蛤形で分厚い皿です。

灰皿にぴったりの大きさ、形ですが、やはりペン皿でしょう。

 

美しい女性が2人、何やら話しています。船着き場の川面には都鳥・・・・・なかなか絵になります。

浮世絵にありそうな場面です。

遠くに富士山が見えます。その上にも、貝の蝶番部が富士山形。ダブル富士ですね(^.^)

あそびゴコロです。

 

 

裏側も簡単な細工がなされています。

この皿も、表、裏、2枚の品を合わせてあると思うのですが、どうやって貼り合わされているの全くわかりません。

裏側にある、2本の脚(3本目は凸部で代用)もよく見ると、にくい工夫がなされています。

右側の脚は岩の一部、左側の脚は、松の枝になっているのです。

明治維新を必死で生き抜こうとした職人たちですが、こんなところにあそびゴコロをさりげなく入れてるんですね。

コロナの時代を生きなければならない私たちも、あそびゴコロを忘れず、心にゆとりをもちたいものです。

 

コメント (2)
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