遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

ありました!投網皿

2019年07月12日 | 古陶磁ー全般

先々回のブログで、投網図の彫られた木盆を紹介しました。

その時、どこかで見たことがある図柄だと思いましたが、はっきりとはわかりませんでした。

梅雨で外の仕事もできないし・・・・・

本棚の脇に、雑に積んである本の山をゴソゴソしていたら・・・・・・

・・・・あるではありませんか!

野口裕教、沼野国典、沼野信子『明治・大正・昭和の図変り印判』光琳社出版、平成5年

 

その、48頁目。

古伊万里ではなく、印判(銅判染付)でした。

 

こちらは、先に紹介した投網図木盆です。

船の上(印判)と桟橋(木盆)との違いはありますが、非常によく似ています。

 

この印判皿の産地は不明です。たいていの印判は、美濃か瀬戸の産ですが、ひょっとすると、伊万里かも知れません。人物を除けば、網目皿。網目皿は、伊万里では、多く作られましたから。

時代は、明治より下るでしょう。

 

さて、この二つの品、どう考えてみても、職人が図柄を考案したとは考えられません。

二つの品の元になる絵が、どこかにあるのでしょうか?

北斎のタッチに似ている? 北斎の有名な投網図は、富士をバックに海へ投げ入れた網を引き上げている場面で、今回の構図とは異なります。数多い北斎の絵手本も調べれみる必要がありそうです。

 

この印判皿、大きさは10㎝ほどの小皿です。

かなりの珍品であることは事実ですが、やはり、印判、そこそこの数つくられたのでしょう。ネットオークションにも、複数出品されています・・・・・・

値段をみてビックリ。5000円ほどの開始価格。いくらなんでも、10㎝の印判皿にこの値はないでしょう。

というわけで、故玩館の投網木盆は、当分、相方不在のままです。

 

なお、この印判皿、他のブログでも紹介されています。

https://blogs.yahoo.co.jp/leokenichi/8511345.html

コメント (6)
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