ちーろぐ

今日の出逢いに感謝を込めて

『リッツカールトン徹底研究』 報告

2006-06-16 22:38:17 | セミナー


少し遅くなりましたが、先日の行われた
『リッツカールトンホテル徹底研究講座』を
ご報告します。

リッツカールトン大阪支社長 高野登さんの
お話に、会場は熱い思いに溢れたご講演でした。

☆「日経ビジネス~2004年 企業トップが選ぶベストホテル~」
  ・・・・・東京・大阪両地区統合1位☆
☆ 世界的に有名な旅行誌
「トラベル+レジャー~ワールド べスト アワード 2004~」のホテルランキング
  ・・・・・世界のトップ50及び日本全国1位☆


≪サービスを超えたサービス≫
 を実現し続けるリッツカールトン魂をお聞かせ頂きました。

つたないですが、私なりにまとめさせて頂きましたので、
お読みくだされば幸いです。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 
1】リッツカールトンの源泉

 それは100年前 セザール・リッツ・・・この一人の常識を
 覆した一人の男によって始まった。
 
  ・ホテルのロビーに生花を飾る
  ・各客室にシャワールームを設置する
  ・顧客管理システムを確立する
  ・アラカルトメニューを用意し、好みの食事を出す
 今では、どのホテルでも当たり前に行われていることではあるが、
 当時は全くの非常識であった。

 彼のサービスを源流として、ホテルリッツは歩みはじめる。

 そして1983年
 アメリカで大成功を遂げた「ボストン・カールトン」が
 当時、客の顔が見えないことに不満を抱いていたW・Bジョンソン
 により買い取られ、現在のリッツ・カールトンの基盤は完成した。

 彼は建築中のホテルを前に、このように問いかけた。
 「あなた達がこの会社で働くことが、果たして社会に意味はあるものなのか!」

 議論を重ねた結果・・・こたえはNOであった。
 ならば、
 「どうすれば社会で必要とされるものになれるのか」
 この究極の議論の末、
  「ラグジュアリーライフスタイル」の提案こそ
 会社が社会の中でこれから必要とされることに行き着く。

 リッツカールトンの源流・・・非常識なことに挑戦する
  まだセレブりティですら観点になかった価値観の提案
  つまり、《価値の創造》を掲げたのであった。

2】リッツカールトンが考える企業価値
 リッツカールトンの優先順位は極めてはっきりしている
  一に 従業員
  二に お客様
  三に 株主
 これは、変わらない価値観である。
 
 リッツカールトンは自ら生み出した価値の一部が
 回りまわって、利益として還元される、と考える。
 つまり、企業価値を大きくすることが、利益の増大につながる。

 従業員の満足度を上げることなくして、お客様の満足度を
 あげることなど出来ない。

3】従業員のトレーニング
 全世界にホテルを持つリッツカールトンは、時に50カ国もの
 国籍を持つ人間が職場を同じくする。
 
 国家・宗教・言語を異にする者が、を行うためには
  ①システム (アメリカの得意分野)
  ②共通の価値観  
 が必要であった。

 その基本は「ゴールド・スタンダード」=黄金律である
 それが、「クレド・カード」であった。

 基礎体力を形成するための「マニュアル」は大切である。
 しかし、体裁を整えただけのホテルサービスを超えるためには
 この共通の価値観(理念)こそが必要であった。

 ここでも、非常識は続く。。。
 
 リッツカールトンでは、社員全員に1日2000ドル(20万円)
 の決裁権を許可している。
 「ホテルを愛していただき、お客様に喜んでいただけるならば」と
 
 高野社長ですら、
 「全社員がこの決裁権を行使したら、どうするのですか?」
 と尋ねた。
 
 総支配人は、間髪を入れず
 「私は、迷わず全員を抱きしめる」 と答えた。

 ありえない・・・・・
 社員はこの総支配人の言葉を信じられなかった。

 しかし、ある日 ホテル内のフレンチレストランで。。
 小さな子どもがぐずってしまう。レストランの雰囲気が
 台無しになってしまうことを感じたウエーターは、
 階下のショップへ走り、ひとかかえもあるぬいぐるみを
 子どもに与えた「これをあげるから、あそんでてね」と。

 帰り際、子どもはニコニコしながら「ありがとう」と帰っていった。
 ウエーターは「しまった!返してもらうつもりだったのに・・・」
 代金は54000円だった。

 報告書を書いた翌日、ウエーターは呼び出される。
 同僚も心配そうに、ことの成り行きを見つめていた。
 総支配人は、部長・課長・チーフ皆を集めて、その前で
 ウエーターを抱きしめた。
 「ようやく私の思いを実行してくれた!
  良くやった。本当にありがとう!」

 総支配人は本気だったのである。
 その本気が、ようやくにして社員に伝わり
 瞬く間にホテル内を駆け巡ったのであった。

 「本当に好きにしていいのだ!」社員は自ら動き出した

3】人間的成長(大いなる勘違い)
 ホテルマンの想像をはるかに超えた、価値観を有するお客様を
 前にすることが多い。
 
 ものさしが小さいままでは、対応できない。
 だからこそ、リッツカールトンは社員の一歩が
 躊躇なく踏み出されるように、この非常識な決裁権を与えているのである。

 そして踏み出す一歩は、常に情緒(emortion)によって
 裏打ちされなければならない。
 そのために、こつこつと基礎体力をつけ、理念を伝える
 それが、クレド・カードである
 
 習慣化されたものは、人格を形成し
 人格は、運命を決める。
 
 総支配人の社員は必ずや、お役様を思い、ホテルを愛していただくために
 この2000ドルを使ってくれるに違いない。

 そして、 お客様とホテルを
 情緒的な絆=emortion atachiment によって結ばれることを
 信じているのである。
 
 だからこそ、経営者はこの思い=大いなる勘違い
 を語り続けることを止めてはいけない。


4】企業価値とブランド
 ブランドとは、契約である。
 お客様に絶対的な満足と感動を約束できるときに
 ブランドはブランドたる価値を持つのである。

5】リッツカールトンのサービスが生まれるとき
 ①たとえすべっても構わない。
  一歩前に出た、自ら行動する体質を育てる。
  ・・・情緒を養い、自らのものさしを広げれば
     行動もバランスをもってコントロールできる。
 ②全てが公平に賞賛を受ける。
  ・・・ホームランバッターが企業を支えるのではない。
     数々のヒットとバントがホームランをうむ。
     出来事の全体像がわかるシステムを確立する。

 
【go beyond a pot】
BOXの中から飛び出せ!

 強いメッセージを頂き、心が解き放たれた瞬間でした。


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