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WIR SIND EIN VOLK 追記2

2009-08-10 | ベルリン旅行 090516~
「WIR SIND EIN VOLK 追記」からまだ続きます。
いつもココを見て下さる皆様、
内容が偏り過ぎててゴメンナサイ







↑この写真はベルリンの壁崩壊20周年のイベントで
軍服を着た「軍人」と呼ぶにはあまりに幼い表情が気になって撮ったもの。
撮影した当初、東ドイツの兵士かと思っていました....。
現地にあった英文と独文の解説がほとんど理解出来ないので
この写真が意味する所を知りたいと思い、自分で調べてみました。

まずこの二人の頭上に掲げられた国旗の国を探します。
右側は何の問題もなくドイツの国旗
左の「白・水色・赤」の三色は色のイメージが違ってなかなか確信が持てませんでしたが
「白・青・赤」と解釈して、多くのスラブ系の国々
(中欧・東欧、主にチェコ、スロバキア、セルビア、クロアチア、ロシア等)
で用いられている 「自由と革命の理想を象徴する三色旗」ではないかと考えると
ロシアの国旗である可能性が増します。
そう、ソ連崩壊後、再び復活した「ロシア」の国旗です。
そこから この写真が1991年以降の写真だと考えました。



確信を持ちたくて 彼の軍服や帽章からハッキリ国が判別できないか調べてみました。
帽章は階級等も関係するかもしれない、画像も小さくて ちょっと無理でした。
でもこのあたりこのへんを見ていくと彼は ほぼ間違いなくロシア軍人です。

つまり、旧西ベルリンに駐在していた連合軍(米・英・仏)と共に
1994年8~9月にかけて撤退を完了させたという
旧東ドイツ・旧東ベルリンにいたロシア軍人の写真、ではないでしょうか。
ものすごい遠回りの推測ですが、
これも現地でドイツ語はもちろん、英語さえ読めない為 仕方ありませんかね。





国境が開放され 東西の壁が崩壊し
東側からはひとめ自由な世界を見てみよう と、多くの人々が西側へ向かいました。
TVで見た映像では 西ベルリンにやってきた少女が店頭に並んだリンゴを指差して
「どうしてこの時期にリンゴがあるの?」と両親にきいていました。
彼女の両親は「ここでは一年中あるんだよ」と答えていました。
小さな少女の手にはしっかりと食べかけのバナナが握られていましたが
この、バナナも、国境が開放された際に
それを求める人の長い行列ができたもののひとつ。らしいです。

トラビに貼られた自由の象徴↓
社会主義の終焉と資本主義の到来。
この瞬間をコミカルタッチに撮ったプロの腕を感じます。
カメラマンとはただ被写体の素晴らしさを表現するだけではないんですね。
こういう写真、とても好きです。



資本主義の象徴、コカ・コーラ↓を買い求める人々。







東西ドイツは 東が西に編入されるカタチで統一されました。
西ドイツの通貨に統合された当時、
西ドイツマルクは東ドイツマルクの5倍の価値があったそうです。
モノが豊富な西側に憧れ「生活レベルを向上させたい」という
東ドイツの人達の夢は ここで一気に現実を見ることになりました。
生産コストが5倍にはね上がった工場は経営難に陥り
工場の閉鎖やリストラを余儀なくされます。
かつてホーネッカーが「東ドイツには存在しない」と言った失業者が
町中にあふれ出すことになったのです。
このとき旧東ドイツは工業生産率2/3を失いました。

東西の壁崩壊から20年。
今なお残る東西格差。
統一したことから生まれた「オスタルジー」という言葉は、
単純に「東側の存在した頃を懐かしいと思う気持ち」ではくくれないと思うのです。
ましてやイマドキの「東欧のカワイイ雑貨」に例えるなど論外。



こちらも興味深い写真がいっぱい!ドイツ総領事館 ベルリンの壁写真館



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