命のカウントダウン2(健康余命912日)

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薬不足

2023-10-19 01:04:15 | 医療

薬が不足しています。いろいろな薬が不足していて、本年5月時点で「限定出荷」 と 「供給停止」 の品目は全体の22.5%であり、後発品では33.0%であった。10月になって寒くなってきたからでしょう、5月時点よりも風邪症状に対する咳止めや痰切れに対する薬の不足が一層目立ちます。

http://www.fpmaj.gr.jp/StableProcurement/documents/2023/202306overview.pdf

昨日10月18日、厚労省は、これまでに主要な製薬会社8社に対し、これらの不足している薬の増産に向けた対応をするよう要請しました。その結果、年内は別の薬の製造ラインを融通することなどにより、9月末時点より1割以上供給量が増える見通しがついたということです。

とはいえ、薬の生産ラインというのは、その薬専用のラインで同じ薬をずっと作り続けているのはごく少数で、ほとんどは、同じラインでいろいろな薬を切り替えながら作っているのです。ですから、風邪関連の薬の増産を図れば、異なる種類の薬の減産に繋がり、今度は他の薬の不足が目立つようになる可能性が高いです。

それにしても、20年末に後発医薬品(ジェネリック)メーカーの小林化工(福井県あわら市)の不適切な製造や品質管理の不正が発覚したことがきっかけになって起こった今回の薬不足騒動ですが、3年経っても騒動が収束する目途は立っておらず、あと数年は余波が続きそうに思われます。

これには、薬価を下げすぎて、薬品会社に安い薬(咳止めなどは1錠10円以下の薬がほとんどです)を作る気を失くさせたことも原因の一つに挙げられています。(抗新型コロナ薬のラゲブリオは1カプセル2357.8円、1日8カプセル5日間服用します。)

不足している咳止め薬ですが、咳によっては飲み薬の咳止めよりも吸入薬のほうが効果的な場合も多いです。そしてこちらはまだ不足になっていません。夜間早朝に咳が多く出て、いったん咳が出だすと立て続けに出るような場合、吸入薬が効果的な場合が多いです。また、見分けにくいですが、逆流性食道炎が原因となって慢性の咳が続く場合もあって、その場合にはPPIと呼ばれる胃酸を抑える薬が効果的です。兎に角、2週間以上咳が続いていて、治療抵抗性の場合(薬が効きにくいとき)は、呼吸器内科を受診してみてください。

 

糖尿病関連薬でも、手に入らなくなって困っている薬があります。それは、GLP1関連薬という注射薬の一群です。この薬は発売されて間もないため、まだジェネリックの注射薬は出回っていませんそのため、計画通り作られているようですが、需要が供給を大幅に上回っているため、市場で不足が続いているのだそうです。

試しに「GLP1ダイエット」と、ネット検索してみてください。わんさか情報が入ってくるでしょう!このダイエット法が大ヒットしているようで、元来GLP1関連薬は糖尿病の薬ですから、体重減少目的の使用に対しては保険がききません。全額自費です。それでも大人気で薬が奪い合い状態です。
GLP1関連薬には飲み薬もあるのですが、そちらは何とか供給が間に合っているようです。こちらでもダイエット効果はあるのですが、注射薬のほうが効果は確かなのです。病気でもない、元来健康な痩せたい人のために、貴重な糖尿病の特効薬が使えなくなっています。これには代替策があまりなくて、本当に困っています。