オレンジ色のカリメロ.

美甘の新たなる旅立ちのために・・・

お答えします その3 (追筆中)

2010-07-03 18:10:54 | CADにまつわるエトセトラ
それでは、残りの問題
「商品設計には、3D CADでも特にハイレンジのものが使用されることが多いですが、
ミドルレンジとはどう違いがあるのか?」
ということをお話しする前に、前回残ってしまった問題、
「設備設計でも可能であれば、3D CADを使用したほうが良いのに、未だに2D CADが使用されること少なくないのは何故か?」
ということについて答えておきましょう。

お答えします その2

2010-07-03 17:54:34 | CADにまつわるエトセトラ
じゃそろそろ本題に入りますか。

「治具、設備設計には、2D CADが使われていることが多く、
商品設計には、3D CAD、が使われていることが多いのは何故なのか?」

答えはすごく単純です。
治具や、設備なら、2D CADで十分設計ができてしまうからです。
そして商品設計には、3D CADが適しているからです。
ってそれじゃ答えになってないって(爆)

まずは、治具、設備設計のお話。(めんどくさいから以後、設備設計に統一します。)
設備を設計するには一つの大きな制約があります。
それは何かといいますと、設備を製作するときには、材料が必要ということです。
言われてみると至極当然なことなのですが、コレが実は非常に重要なのです。
要するに部品の形状は、使用する材料から容易に製作できる必要があるということです。
そうしないとコストがかかりすぎてしょうがないですからね。
ということで、材料は、通常平面(平らな面)のみで構成されておりますから、
設計には、コレが扱えれば問題ないわけです。
言い換えれば、あえて3次曲面(うねりの有る面)を表現する必要がない、というかそういう面を使ってはいけないのです。
ですので、2Dで十分対応が可能なのです。

逆に製品設計の場合は、デザインが優先されます。そのため3次曲面の表現が必要になるわけです。
なので、必然的に設計にも3Dが必要になるということなんですね。

それでは、2D CADでの商品設計はといいますと、厳密にはできなくはありませんが、(昔はやっていましたので(爆))、非常に大変ですし、
複雑なデザインの場合は、上手くイメージを伝えることができなかったりもします。
前回に引き続き車にたとえると、オートバイだと、雨の日は大変だし、たくさんの人は乗れませんし、
レースをすることはできますが、F1と比べると・・・・・。と色々と劣る部分がありますよね。そういうことです。
ですので、今は、商品設計に3D CADはかかすことができないものとなっています。

では逆に、設備設計に3D CADを使用できないのかといいますとそうではありません。
もちろん3D CADのほうが性能が良いですので、対応可能です。
むしろ可能であれば、設備設計にも3D CADを使用したほうが断然良いです。
現に美甘は、設備設計にも主に3D CADを使用しております。
これも車にたとえると、解りやすいですよね。
ですが、オートバイでは不可能なことも有りますが、オートバイの方が、優れているところも多々ありますよね。
その辺りが、未だに2D CADも使用されている理由だったりもするのでが・・・・・。

お答えします その1

2010-07-03 16:20:17 | CADにまつわるエトセトラ
tahhyさんの
ジグとか設備関係って「DWG」とか「DXL」形式が多くて
自動車関係は「CATIA」が多い気がしません?
という質問についてお答えいたします。

簡単に言ってしまえば、実際にその通りですので、そう感じてあたり前です。(爆)

でもそれじゃお答えになっておりませんので、なぜそのようになっているのかということについてご説明いたしましょう。
正確にご説明するためには、小冊子が一冊できてしまうくらいの内容が必要になりますので、ここではかいつまんでご説明いたします。それでもかなり長くなりますので、あらかじめご了承ください。
また、何事にも例外はございますので、あくまで基本的な考え方ということでご理解ください。

それでは、まずはじめに、CADの基礎知識として
DWG、DXLとは、2D CADで使われる中間ファイルの事を指します。(中間ファイルについては前の記事を呼んでね。) 
実際は、3D DWG、3D DXLというのも存在しますが、あまり一般的では有りませんので、今回は除外します。
ですので、質問の最初の部分は、
「治具、設備設計には、2D CADが使われることが多い」と読み替えることにします。
実際の業務としては、3D CADにて設計されたものでも、部品製作時の寸法指示のためや、今までの習慣等いろいろな理由から2D図面を起こすことが常ですが、それは又別の問題となります。

CADがよくわからない人は、今までの内容でもチンプンカンプンだと思いますが、
要するに、2D CADとは、CAD界の、二輪車(オートバイ)のような存在とお考えください。

そして3DCADとは、CAD界の四輪車(自動車)のような存在となりますが、
特に、CATIAとは、3D CADの中でも非常に高度で、上級クラスのものになります。
車で言えば、F1のようなものです。 
CAD業界では、ハイレンジCADなんて呼ばれております。
CATIA以外にも、Pro-Eや、ケーラム、ユニグラフィックスなどもハイレンジCADになります。

また、3D CADには、車で言うところのF1にあたるハイレンジCAD以外にも、
その他のレースカーに相当する、ミドルレンジCAD、
そして乗用車に相当する、ローレンジCADが存在します。
実際は、2D CADでも同じことが言えるのですが、今回の質問には大きく影響いたしませんので、省略いたします。

さて、ローレンジCADについては、乗用車といいました。
乗用車は、レースカーと違い免許をとれば一般の人でも乗ることができますね。
逆にレースカーは、プロライセンスが必要になります。
要するにレースカーは、プロ向け、乗用車は、アマチュア向け言うことですね。
CADの使用には特別なライセンスは必要ありませんが、
CADでも同じことが言え、プロデザイナーは少なくともミドルレンジ以上のCADを使用しています。
もちろん乗用車で出場できるレースも有るのと同じように、ローレンジCADでも行える業務は存在いたしますし、気軽に使用できるという面で、美甘も、業務の内容によってはあえてこちらを使用することもありますが、
はばからずもプロデザイナーであれば、ローレンジCADをメインCADにすることは考えられません。
プロのデザイナーが、メインCADとして使用するのであれば、少なくともミドルレンジCADか、ハイレンジCADということになります。
ですので、今回質問のお答えとしてローレンジCADについては省略させていただきます。

ここで、あえて3D CADのレンジについてお話したのには訳があります。
今回の質問のように業務内容で使用されるCADの違いは、
2Dと3Dの違いだけではなく、
3D CADの中でも、ハイレンジと、ミドルレンジで違いがあるからです。

ですので今回のご質問にお答えするにためは、
「治具、設備設計には、2D CADが使われていることが多く、
商品設計には、3D CAD、が使われていることが多いのは何故なのか?」
という問題と、
「商品設計には、3D CADでも特にハイレンジのものが使用されることが多いですが、
ミドルレンジとはどう違いがあるのか?」
という二つの問題にお答えする必要があります。

やっぱり結構長くなってしまいますね。ここいらで一休み入れましょうか。