最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

(2)

2010-01-15 06:56:28 | 日記


●自転車店業界

 私の親の稼業は自転車店だった。
その自転車店で、その苦しみを、私は直接経験している。
今では、自転車店にしても、全国規模の販売店がいくつもある。
価格面においても、サービス面においても、小売店には勝ち目はない。
大規模店は、夜9時~10時まで営業している。
加えて年中無休。

 これに対して、卸しや(自転車店業界では、問屋のことを、「卸しや」と呼ぶ)単位で、
連合して対抗しようという動きもあるには、あった。
専門職化したり、特製の自転車を並べたりした。
外国の自転車の特約店を、チェーン店化したりもした。
「高級自転車は、自転車店で」という、ブランド化の動きもあった。
が、ここへきての不況。
プラス店主の高齢化。
「弱り目にたたり目」とは、こういう状態をいう。
今では、自転車店業界は、「斜陽」というより、「衰退」産業に位置づけられている。

 が、大型店が安泰かというと、そうでもない。
それがネット通販。
何と、自転車業界にまで、触手を伸ばしつつある。
価格ドットコムでも、楽天ショップでも、自転車を取りあつかい始めている。
今はまだ値段のはっきりしているメーカー品にかぎられているが、(というのも、自転車ほ
ど、値段のわからない商品はないので)、それも時間の問題。
やがて原産地表示、品質表示、材質表示などが、詳しく表示されるようになるだろう。
むしろ小売店のほうが、値段をごまかして売っているケースのほうが多い。
「ごまかす」という言い方がまずいことは、よく知っている。
しかし自転車ほど、卸値(おろしね)のわからない商品はない。

 で、あとは修理の問題ということになる。
アフターサービス。
が、現実には、自転車も消耗品の世界に入りつつある。
大手のAショップ(全国展開の自転車大型店)では、「2年半」と読んでいる。
つまり自転車の寿命は、2年半。
パンク程度の修理は残るかもしれないが、平均的な人は、2年半で、自転車を乗り換えて
いるという。
昔のように何度も修理しながら、乗りつづけるという時代は、終わった(?)。

●政治の問題 
 つまりここまでくると、個人の問題というよりは、政治の問題。
街の文化は、街の商店主たちが支えてきた。
その文化が、今、こうしてつぎつぎと灯を消そうとしている。
しかも一度消えたら最後、再生は、ほとんど不可能。
その一例として、自転車店業界をあげた。

 そこで街の文化。
「どうやったら、街の商店を守れるか」という発想ではなく、「どうやったら、街の文化を
残すことができるか」という発想で、この問題を考える。
個人の問題ではない。
地域の問題。
みんなの問題。
となると、もう政治しかない。    

 ……とは言いつつ、私も今年(09)から、ネット通販を通してものを買うことが多く
なった。
価格が4~5万円を超えるようなものは、まず近くの店で、現物と価格を調べる。
つぎに家に帰って、ネットで価格を調べる。
差額がそれほど大きくなければ、店で買う。
その差額がじゅうぶん魅力的なものであれば、ネット通販で買う。
心理的には、10~15%前後か。
それ以上の差額であれば、ネット通販で買う。

たいていその翌日には、玄関先前まで届けてくれる。
が、「どうすればいいだろう……」と思ったところで、思考停止。
どうしようもない。
今さら、この(流れ)を止めることは、だれにもできない。

 ……街を歩くたび、そしてさびれた商店を見るたび、私にはその店のおやじたちの悲鳴
が聞こえてくる。
そのおやじの悲鳴を聞きながら、暗くて重い気持ちで、悶々としている家族の気持ちが伝
わってくる。

 やはりこの問題は、なるようにしか、ならないのか。
私たちは今、その時代の流れの、まっただ中にいる。

 子どもたちとの会話はつづいた。

私「価格ドットコムって、何?」
子「価格ドットコムも、知らないの? ……後れてるウ」
私「だって、君は、インターネットをしていないのだろ?」
子「ママがしているよ」
私「ハア、ママがしているのかア……?」
子「そうだよ」と。

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