最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

●感情移転(1)

2010-04-23 05:47:14 | 日記
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 子育て最前線の育児論byはやし浩司      4月   23日号
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●船頭は1人(三角関係)

子どもを指導するときの鉄則のひとつが、これ。
『船頭は、1人』。

たとえば子どもを相手にして、父親と母親が
意見の対立を見せるのは、たいへんまずい。
発達心理学の世界にも、「三角関係」という
言葉がある。
これは(父親)、(母親)、(子ども)を
頂点として、三角の関係ができることをいう。

一度、この三角関係ができると、子ども自身が
混乱する。
そのため、子どもはどちらの指示に従ってよいか、
わからなくなる。
そればかりか、その時点で、家庭教育は崩壊する。

子どもが小さいうちはまだしも、やがて大きくなると、
父親の指示にも、また母親の指示にも、従わなくなる。
まずいのは、悪口、批判。
子どもの前では、あなたが母親なら、父親の批判は
してはいけない。
あなたが父親なら、母親の批判はしてはいけない。

ともかくも、家庭教育の場においては、『船頭は、1人』と
決めておく。
たとえば父親と母親が、教育的な問題で対立
したようなときは、子どものいないところで
先に調整しておく。
「あなたはこう言ったけど、私はこう思う」と。

そして子どもの前では、「お父さんの意見に
従いなさい」と指示する。
(反対に、父親であれば、「お母さんの指示に
従いなさい」と指示する。)

が、それだけではない。

父親と母親が対立すると、そこに「二重拘束」
(宮崎圭子氏)が生まれる。
二重拘束(ダブル・バインド)が生まれると、
子どもは、どちらの指示に従ってよいか、
わからなくなる。

父親は、「親は絶対」と子どもに迫る。
母親は、「親子は平等」と、子どもに教える、など。
子どもは父親の前では、親の権威に同調する。
しかし母親の前では、親の権威を否定する。

そのため「子どもは、ものごとを論理的に判断する
能力を麻痺させてしまう」(宮崎圭子)。

わかりやすく言えば、自分で考えることができなく
なってしまう。
そのため、優柔不断になったり、相手に対して
いつもシッポを振るような行動に出たりするようになる。

私も、「塾」という立場で、子どもたちと接している。
そのため学校の教師の教え方と、私の教え方が
異なる場面に、ときどき出会う。
そういうときは、すかさずこう言うようにしている。

「学校の先生に合わせなさい」と。

教育面においても、船頭は1人。
これは家庭教育のみならず、子どもを指導する
ときの鉄則のひとつということになる。

●付記

 私は子どものころ、優柔不断なところがあった。
Aのグループへ入れば、Aのグループに合わせて、自分の意見を作った。
Bのグループへ入れば、Bのグループに合わせて、自分の意見を作った。
また相手から何かを申し込まれると、「いや」と言うことができなかった。
相手の機嫌を損ねるのを、何よりも恐れていた。

 原因のひとつとして、私の父と母が、いつも対立状態にあったことが考えられる。
実際には、母はわがままな人で、父の意見には耳を傾けなかった。
そういう家庭環境の中で、私は「私」を定めることができなかった。
もう少し掘り下げて言えば、私は自分の考えていることに、自信がもてなかった。
その結果として、だれにでもシッポを振るような、優柔不断な人間になった(?)。

 もしあなたが今、優柔不断で、ものごとを論理的に考えることができないというのであ
れば、あなた自身が生まれ育った家庭環境を、一度、思い起こしてみるとよい。
まず「環境」を知る。
そのあと「私」の姿が、少しずつ、浮かびあがってくる。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 三角関係 ダブルバインド ダブル・バインド 二重拘束)


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●感情転移

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その相手に、別の人に抱いている
感情を転移する。
そしてその相手を嫌ったり、反対に、
慕ったりする。
これを「感情転移」という。

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●揺り戻し現象

教師と生徒。
ときどき私は教師にとって、「知識ある先輩」なのか、
それとも「親代わり」なのか、わからなくなるときがある。
生徒のほうが、私に(感情転移)をしてくる。

こうした現象が顕著に現われてくるのが、小学3~4年生。
思春期前夜の反抗期にさしかかるときである。
この時期子どもは、(幼児)と(おとな)の間を
行ったり来たりしながら、少しずつ、幼児性を自分の中から
削り落としていく。
私はこれを「揺り戻し現象」と呼んでいる。
「振り子現象」でもよい。

●D君

そのころ、子どもの中には、ちょうど父親に対するのと
同じような反抗的態度を示す子どもがいる。
さらに自分自身の父親に対する不満や不平を、私に
ぶつけてくる子どももいる。
5、6年前に、D君(当時小4)という子どもがいた。
そのときD君の両親は、別居状態にあった。
母親はこの浜松市に残り、祖父母と同居していた。
父親は、「行方不明」ということだった。

そのD君は、あからさまに私を嫌い、ときに暴力的な
態度で臨んできた。
私と、自分自身の父親とを、明らかに同一視していた。
それがよくわかったから、私は、D君が殴りかかって
きても、(たいした暴力ではなかったこともあるが)、
だまってそれを受け止めていた。

●奇妙な現象

そのD君だが、ある日、奇妙な現象が起きた。
レッスンが終わって、さあ帰るという時間になったとき
のこと。
あたかも私の寛容度を試すかのように、教室の備品を
壊し始めたのである。
鋭い目つきをしていた。
が、これは黙って見過ごすわけにはいかない。
私はD君をうしろから、抱きかかえた。
前から抱きかかえると、足蹴りをされる。
いくら小学4年生でも、前から足蹴りをされたら、たまらない。

D君は、それでも何とか私を足蹴りにしようともがいた。
しばらく格闘がつづいた。
が、こういうケースのばあい、ある時点で、きっちりと、
けじめを見せる必要がある。
教師というよりは、人間としてのけじめといってもよい。

しばらくはげしい足蹴りがつづいたのを見計らって、
今度は、私が反撃に出た。
うしろからD君を抱きかかえながら、私はD君の足を、
バシッ、バシッと、思いっきり蹴った。
本人も痛かったと思う。
私も痛かった。
が、D君は、私がまさかそういう行動に出るとは思って
いなかったらしい。
とたん、ウェーンと、子どもらしい泣き声をあげた。
見ると顔中を涙で濡らしながら、「痛いじゃないかア」と。

D君は私の腕の中で暴れるのをやめた。
おとなしくなった。
先に書いた「奇妙な現象」というのは、そのあと起きた。
私はそのままD君が、私の教室を去っていくものと
ばかり思っていた。
が、D君は、それまで見せたことのない、親愛の目で
私を見るようになった。

●陰性転移から陽性転移へ

それ以後、みなより早く教室へやってきては、学校での
できごとや、友だちとのやりとりを話してくれるようになった。
テストの話や、点数の話もしてくれるようになった。
「今度は(点数が)悪かったけど、つぎではがんばるから」とも。

それが望ましいことなのかどうかは、いまだによくわからない。
が、D君は、私に感情転移し、私を自分の父親と見立てていた。
それが私にもよくわかった。
この状態は、D君が教室を去る、小学6年の終わりまでつづいた。

あとで母親から聞いた話では、D君は、どんなときでも、
私の教室だけは休みたがらなかったという。
また学校では乱暴者と嫌われていたこともあり、私の教室だけが、
自分の居場所と考えていた、とも。

心理学的に説明すれば、最初D君は、私に対して、「陰性転移」
を繰り返していた。
憎悪、嫌悪、軽蔑、忌避、嫉妬、恨み、否定など。
自分自身の父親に対する感情を、そのまま私にぶつけていた。
が、足蹴り事件を境に、それが「陽性転移」へと変化した。
親愛、情愛、尊敬、親近、信頼、感謝、敬愛など。

わかりやすく言えば、それまでは私を「父親」と見立て、
自分や家族を棄てた父親を嫌っていた。
が、足蹴り事件のあとは、逆に、私を父親と見立て、
親愛の情をもつようになった。

似たような経験はいくつかしているが、……というより、
日常茶飯事的に起こるが、D君のケースのような顕著な
例は少ない。

これも教師と生徒ととの、ひとつの関係ということになる。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 教師と生徒 感情転移 陽性転移 陰性転移 足蹴り事件)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●ブッシュ・ソング(Bush Songs in Australia)


++++++++++++++++++


南オーストラリア州からビクトリア州に
かけて、大きく蛇行しながら流れる川がある。
マレー川である。


私がはじめてマレー川を見たのは、ある村に
立ち寄ったときのこと。
バロッサ・バリーという名前の村だった。
昔からワインの産地として、よく知られている。
そのバロッサ・バリーの丘の上に展望台があって、
眼下にマレー川がよく見えた。


よく晴れた寒い朝だったが、川の色は、大地と
同じ、赤茶けた色をしていた。
「何だ、こんな川か」と思った。
うわさには聞いていたが、そこからは、私には
ただの細い川にしか見えなかった。
が、そのあたりを起点に、川下りの船が運航して
いるという。
その話は、ずっとあとになってから聞いた。


船といってもホテルのような船で、1週間から
10日間ほどをかけて、川をくだる。
実にオーストラリア的な、ゆったりとした旅である。


で、そのあとも、何度かマレー川を見たことがある。
ときどきそれらしい船を見かけたこともある。
そのこともあって、私はいつしか、こう思うように
なった。
「いつか、その船に乗って、旅をしてみよう」と。
そう心に決めた。
で、そのことを、友人のB君に話した。
……と思う。


今でもそのことをB君は覚えていて、「ヒロシ、
いっしょに夢を実現しよう」と、メールをくれる。
「そのためには、最低でも3か月の休暇が必要」と。


しかし今の私には、3か月の休暇など、夢のまた夢。
(現実)に、体をがんじがらめに縛られている。
そのB君から、今朝も、メールが届いていた。


++++++++++++++++++++++


【Bより、ヒロシへ】


Hi Hiroshi,


The equinox has come & gone. The weather is glorious.
The drought affected outback areas in Queensland & New South Wales are
having lots of rain & floods.
That means at least 2 good years for farming.
There is lots of water coming down the Darling river, which is expected
to flow strongly into the Murray river in June.
Maybe the South Australian section of the Murray will get some water at
last, in July/ August


So everybody in the bush is feeling much happier.


春分も終わり、すばらしい季節だ。
クィーンズランドやNSWのアウトバック(荒野)の影響を受けた干ばつ地帯も、
今は、雨と洪水。
この先2年間は、農業にはよい影響をもたらすだろう。
ダーウィン川をたくさんの水が流れ、6月には、マレー川にも強い水流が戻って
くるだろう。
南オーストラリアのマレー川側にも、7月から8月にかけて、いくらかの水が
やってくるはず。
こちらでは、みな、それを喜んでいる。


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あのオーストラリア大陸を、「水」が流れている。
(クィーンズランド州の北部の大洪水)→(ダーウィン川)→(マレー川)と。
日本の20倍以上もある国土を、水が、何か月もかけて、ゆっくりと流れている。
想像するだけでも、気が遠くなる。


さっそくYOUTUBEで、オーストラリアのブッシュ・ソングをさがして聞く。
(はやし浩司のHPの「音楽と私」にも収録。)


あの大波がうねるようにつづく、オーストラリアの大地が、まぶたに浮かぶ。
行けども、行けども、農地、また農地。
私の心の原点は、いつもそこにある。
1日だって、あのころの私を忘れたことはない。


しばらくブッシュ・ソングを聞く。
それが私の青春時代。


【オーストラリアのFOLK SONGs】
(注:オーストラリアでは、フォークソングのことを「ブッシュ・ソング」といいます。)


"Pub with no beer"
http://www.youtube.com/watch?v=hxpxU6H2WYA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=GJW19nlzb3Q


"Australian Bush Songs "
http://www.youtube.com/watch?v=0eXQHi_BGf8


"Botany Bay"
http://www.youtube.com/watch?v=cmpW3rHLewQ


"Waltzing Matilda"
http://www.youtube.com/watch?v=CwvazMc5EfE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=iY4RhyD1ReY&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=RqRCwG1pp1I&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=c1VLUgTvqc4&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=CwvazMc5EfE&feature=related


"Australia Home"
http://www.youtube.com/watch?v=hbGuqmaDgLA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=pS7oJNozQZM&feature=related


"I am Australian"
http://www.youtube.com/watch?v=jD3SkTyXzcE&feature=related


"Journey to Australia"
http://www.youtube.com/watch?v=-eD4Zi1ENiU&feature=related


"Australian Bush Fire Song"
http://www.youtube.com/watch?v=_UvcJUFnN9Y&feature=PlayList&p=4ED8E6483C4
82FF3&playnext=1&playnext_from=PL&index=9


"Whiskey in the Jar"
http://www.youtube.com/watch?v=46EXY4oP1Do&feature=related


"Bound for South Australia"
http://www.youtube.com/watch?v=84kMnkUqimM&feature=related


"It's my Home"
http://www.youtube.com/watch?v=fX1vfJny1rk&feature=related


"Sprit of Australia"
http://www.youtube.com/watch?v=W9Bhv2Jo4jI&feature=related


●オーストラリア・ブッシュ・ソング集
http://folkstream.com/songs.html
(Midiでメロディを聞くことができます。)


●マレー川(船の旅)
http://www.youtube.com/watch?v=2Tz7F6yDJv0&feature=related

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