最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

●メタ認知(1)

2009-09-23 11:26:04 | 日記
☆☆☆この電子マガジンは、購読を登録した方のみに、配信しています☆☆☆
.  mQQQm            
. Q ⌒ ⌒ Q  ♪♪♪……   
.QQ ∩ ∩ QQ        
. m\ ▽ /m 彡彡ミミ      
.  /~~~\  ⌒ ⌒      
. みなさん、   o o β      
.こんにちは!  (″ ▽ ゛)○  
.        =∞=  // 
□■□□□□□□□□□□□□□■□ ================= 
子育て最前線の育児論byはやし浩司   09年 9月 23日祭日
□■□□□□□□□□□□□□□■□ =================
★★★HTML版★★★
HTML(カラー・写真版)を用意しました。
どうか、お楽しみください。(↓をクリックしてみてください。)
************************

http://bwhayashi2.fc2web.com/page012.html

メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!

【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●さすが受験国家!

+++++++++++++++++

韓国は、世界に名だたる「受験国家」。
押しも押される受験国家。
そのはげしさは、群を抜いている。
子どもたちは幼児期から受験塾に通っている。

で、現在、各界で活躍するエリートたちは、
そうした過酷な受験競争を勝ち抜いて
きた連中ばかり。
そうした傾向は、韓国系の新聞に
目を通してみると、よくわかる。

何かにつけて、点数と順位にこだわる。
ついでに何が気になるのか、この日本に
こだわる。

百聞は一見にしかず。

朝鮮N報の記事をそのまま紹介する。

大見出しは、『日本は、13位!』
(ごちそうさま!)

++++++++++++++++

+++++++++++++以下、朝鮮N報、8月20日より++++++++++++

 一方、日本は政治力(11位)、文化力(10位)などの不振で、ソフトパワー(8位)
がハードパワー(3位)に比べて劣っている。特に、日本は国会や政党に対する信頼、政
治家の国際的経験などが主要20カ国・地域(G20)の中でも中位以下にとどまってお
り、政治力の分野では、韓国同様に悩みを抱えていることが分かった。(朝鮮N報・8月2
0日)

+++++++++++++以上、朝鮮N報、8月20日より++++++++++++

 どうしてそうまで点数と順位にこだわる?
日本にこだわる?
少しは自分たちが体質としてもっている異常性に気がついたらよい。


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●メタ認知能力(Metacognitive Ability)とは、何か

++++++++++++++++++++++

メタ認知能力とは何か。
川島真一郎氏(高知工科大学大学院)の修士学位論文より、
一部を抜粋引用させてもらう。
(出典:メタ認知能力の向上を指向した
高校数学における問題解決方略の体系化
Systematization of Problem Solving Strategy in High
School Mathematics for Improving Metacognitive
Ability(平成19年))

++++++++++++++++++++++

●メタ認知

メタ認知(metacognition)とは、認知活動についての認知のことである。メタ認知概念
は、ブラウン(A・Brown)やフラベル(J・H・Flavell)によって1970 年代に提唱され
た。

メタ認知は、まずメタ認知的知識(meta-cognitive knowledge)とメタ認知的活動
(metacognitiveactivity)に分かれ、それぞれがさらに細かく分かれる。メタ認知的知識と
は、メタ認知の中の知識成分を指す。メタ認知的知識は、人間の認知特性についての知識、
課題についての知識、課題解決の方略についての知識の3 つに分けて考えることができる。
メタ認知的活動とは、メタ認知の中の活動成分を指す。メタ認知的活動は、メタ認知的モ
ニタリング、メタ認知的コントロールの2 つに分かれる。メタ認知的モニタリングとは、
認知状態をモニタすることである、認知についての気づき(awareness)、認知についての
感覚(feeling)、認知についての予想(prediction)、認知の点検(checking)などが含まれ
る。メタ認知的コントロールとは、認知状態をコントロールすることである。認知の目標
設定(goal setting)、認知の計画(planning)、認知の修正(revision)などが含まれる。

困難な場面に遭遇したとき、タ認知はその事態を打開すべく、関係のありそうな経験や
知識を想起する。似たような困難を克服した経験があれば、それは大きな手掛かりとなる。

過去の経験がそのままでは使えないときでも、見方を変えたりすることで使えることもあ
る、直面している問題が極めて困難なときは、条件の一部を解き易い形にした問題をまず
解いてみることが手掛かりになることがある。また、問題の解決に使えそうな法則なども
思い出し、解決に向けた道筋を描く。解決に向けた一番確かそうな方針が決まれば、実行
してみる。間違いを犯しそうな場面では注意深く実行し、時々方針が間違っていないか検
討を加える。このようにして、メタ認知はルーティンワークでない困難な問題を解決する
ときに、力を発揮すると考えられる。

そして、メタ認知能力は使うことで訓練をしなければ、その能力は向上しないと考えられ
る。訓練するための問題は、メタ認知が働かなくても解決できるような平易過ぎる問題は
役に立たない。適度な難易度の問題を解決することが必要である。従って、パターン暗記
に終始するような学習では、メタ認知能力は向上しないと考えられる。その意味で、生徒
が試行錯誤しながら自力で問題の解決を図る問題解決学習は、その狙いが実現できれば、
メタ認知能力の育成に大いに効果を発揮すると考えられる。
(以上、川島真一郎氏の論文より)

+++++++++++++++++++++

●メタ認知能力(Metacognitive Ability)

 私は「メタ認知能力」なるものについては、すでに10年ほど前から、原稿を書いて
きた。
が、ここ数年、この言葉をあちこちで聞くようになった。
しかし本当のところ、メタ認知能力とは何か、私もよくわかっていない。

 そこでまず私がとった手段は、メタ認知能力、つまりMetacognitive Abilityについて、
できるだけ原文に近い文献をさがすことだった。
最初は、直接アメリカの文献(英文)から調べようとしたが、先に、ひとつの文献を
さがしだすことに成功した。
ここに紹介した川島真一郎氏の修士学位論文が、それである。
わかりやすく書いてあるので、そのまま引用させてもらった。

 つまり私は、(メタ認知能力)とは何か知るために、つまりその壁を打開するため、
今までの経験を総動員して、(おおげさかな?)、あちこちを調べた。
その結果が、先にあげた論文の一部ということになる。

●メタ認知能力

 が、これだけをさっと読んだだけでは、意味がよくわからない。
内容を、もう少し整理してみる。

メタ認知

(1)メタ認知的知識(meta-cognitive knowledge)
メタ認知の中の知識成分を指す。
(1)人間の認知特性についての知識、
(2)課題についての知識、
(3)課題解決の方略についての知識の、33つに分けて考えることができる。


(2)メタ認知的活動(metacognitive activity)
メタ認知的活動とは、メタ認知の中の活動成分を指す。メタ認知的活動は、
(1)メタ認知的モニタリング、
(2)メタ認知的コントロールの2つに分かれる。

 これでだいぶ頭の中がすっきりしてきた。

 さらに、

(1)メタ認知的モニタリングとは、認知状態をモニタすることである。
認知についての気づき(awareness)、認知についての感覚(feeling)、認知につい
ての予想(prediction)、認知の点検(checking)などが含まれる。

(2)メタ認知的コントロールとは、認知状態をコントロールすることである。
認知の目標設定(goal setting)、認知の計画(planning)、認知の修正(revision)などが含まれる、と。

●実益

 先にメタ認知能力の実益について、引用させてもらう。
川島真一郎氏は、こう書いている。

『メタ認知はルーティンワークでない困難な問題を解決するときに、力を発揮すると考え
られる。そして、メタ認知能力は使うことで訓練をしなければ、その能力は向上しないと
考えられる』と。

 日常的な行動を同じように繰り返すようなときには、メタ認知能力は、力を発揮しない。
つまり難解で、より高度な知識と経験を必要とするような問題に直面したとき、メタ認知
能力は力を発揮する、と。

 そしてそのメタ認知能力は、訓練しなければ、向上しない、ともある。

●因数分解

 川島真一郎氏は、因数分解を例にあげて、メタ認知能力がどういうものであるかを
説明している。
そのまま印象させてもらう。

++++++++++以下、川島真一郎氏の論文より+++++++++++++

7。 <題>求めるもの(答え)と、与えられた条件の関係を発見せよ。[関係は直接的に見
えるときもあれば、仲介物を通して初めて見えて来るときもある。例えば、中間的な目標
を設定せよ。(例)(a + b + c)(bc + ca + ab) ― abc を因数分解せよ。]
8。 <眼><針>関係の有りそうな公式は何か。
9。 <経><予>似た問題を思い出せ。
10。 <経><眼><針>似た問題の方法や結論を利用できないか。[(例)x、 y の対称式
はx + y とxy で表せる。]
11。 <眼><針>求めるもの(答え)の形を考え、それを具体的に(例えば式に)できな
いか。[また、その形のどの部分を求めればよいか。それを求めるのに、条件をどのように
使えるか。]
12。 <眼><針>与えられた条件や式を、解答で使い易いように変形できないか。[場合
によっては、結論の式から解答を進めて、後で比較するのが有効なときも有る。]
13。 <助><検>(方針の選択や解答の進め方について)解法の大筋を捉える。[大まか
な見通しを持つことが、解答への着手を促し、右往左往したり、袋小路に入ったりするの
を防ぐ。(例)増減表を書けば解けそう。判別式を利用できそう。等々]
14。 <経><眼><針>前に使った方法が直接使えないとき、補助的な工夫を加えること
で使えるようにならないか。[(例)角度の問題で、補助線を引く事で三角形の問題と捉
える。]
15。 <眼><針>求める結果が得られたと仮定して、逆向きに解けないか。[求める結果
を明確にイメージすることで、必要となる道筋が見えてくることが有る。]
16。 <眼><針>定義に帰ることで、手掛かりが得られることが有る。[2 次関数関連の
問題と判別式の関係。微分係数の定義。等々]
17。 <困><眼><針>問題を言い換えることで、容易になったり、既習の解法が使えた
りしないか。(そのとき、与えられた条件はどう変わるか。)[問題を違った視点から見る。
(例)sin θ+ cos θ の最大値を求めるのに、単位円周上の点P(x、 y) を利用する。]
18。 <困><眼><針>問題を一般化することで、容易になることがある。[(例)具体的
な数値の問題を、一般的な文字に置き換えることで見通しが良くなることが有る。]
19。 <困><眼><針>問題を特殊化することで、解決の糸口がつかめるときがある。
[(例)直方体の対角線の長さを求める問題で、高さが0 の場合を解いてみる。]
20。 <困><分><眼><針>条件の一部からどんなことが分かるか。[条件を幾つかの
部分に分けられないか。全体の解答とどう関係するか。]
21。 <困><眼><針>解き易い類題を考えることが、元の問題の手掛かりになることが
ある。[問題の一部は解けるか。どういう条件が付加されていれば解き易いか。等々]
22。 <補><検><助>条件の使い忘れはないか。
(CP)
23。 <題><検>方針に従い解答を進め、適当な段階で検討を加え、必要に応じて方針を
見直す。
24。 <補>自信の持てるる解き方から試みよ。[大抵の問題は、何通りか解き方がある。
(例)基本的な公式だけを使う。図形を利用する。微分を利用する。等々]
(LB)
25。 <題>結果の検討。[少しの検討が、長い目で見ると大きな効果をもたらす。]
26。 <検><眼>別の解法はないか。得られた答えが別の簡単な解法や、答えの意味を示
しているときが有る。
4。4 体系化された問題解決方略の適用
27。 <検><眼>使った方法や結果を総括する。他の問題に応用できないか。

++++++++++以下、川島真一郎氏の論文より+++++++++++++

●因数分解(例)

 高校生たちに因数分解を教えるとき、私自身は、半ばルーティンワーク的に解いて
みせている。
(因数分解そのものは、解法公式はほぼ確立していて、簡単な問題に属する。)

しかしこのように内容を秩序だてて分析されると、「なるほど、そうだったのか」と、
改めて、驚かされる。
私はそれほど意識せず、メタ認知能力を、応用かつ利用していたことになる。
率直に言えば、「メタ認知能力というのは、こういうものだったのか」と納得する
と同時に、「奥が深いぞ」と驚く部分が、頭の中で交錯する。

 ちなみに、先の(a + b + c)(bc + ca + ab) ―abcを、別の紙で、因数分解してみた。
因数分解の問題としては、見慣れない問題である。

(1)見ただけでは、瞬間、頭の中で公式が浮かんでこない。
(2)直感的に、「いつものやり方ではできない」ということがわかる。

 が、こういうときの鉄則は、(3)「ひとつの文字に着目しろ」である。
この問題では、(a)なら(a)に着目し、(a)について式をまとめる。

 しかしこの場合、一度、式をバラバラにしなければならない。
結構、めんどうな作業である。
が、ここで「こんなめんどうな問題を出題者が出すはずがないぞ」というブレーキが働く。
「時間さえかければ、だれでもできる」というような問題は、数学本来の問題ではない。
ただの作業問題ということになる。

 そこで私は、(4)もっと簡単な方法はないかをさがす。
(bc + ca + ab)という部分に着目する。
(a)でくくれば、(b+c)という因数を導くことができる。
(b+c)を、(B)と一度置き換えてから、因数分解できないかを考える。
しかしもう一つの項、(abc)が残る。
つぎの瞬間、「この方法ではだめだ」と直感する……。

 ……というように、認知の目標設定(goal setting)、認知の計画(planning)、認知の
修正(revision)を繰り返す。

コメントを投稿