ユニバーサルフロンティア理論より「真空とは何か（２）」

（陽電子とは何か　続き）

　さて,負エネルギーの陽電子とは騾馬陽電子ともいうべき物だが,真空がＣ対称であるならば（まったく対等に）騾馬電子と陽電子とが同じ数だけ存在するはずである．おそらく「それらは量子力学的に半々に混ざり合っている」というべきであるだろう．ファインマンとしても,真空のクーパー対は,フェルミオンの時間反転対のことだろうと述べさせていただいたが,その時間反転に行方は（期待したような）騾馬電子であり陽電子でもある魔法のような実在とは違ったわけだ．騾馬電子である限りは負エネルギーであり,どう観測しようと,その性質はどこまでも続く．
　ファインマンダイヤグラムでは反粒子の矢印を反応の時間経過とは逆向きに描くのが慣わしとなっているとお伝えした．
　粒子を時間反転させて,時間を逆行するから負エネルギーである反粒子（標準模型ではそういっている）を,時間を逆に積分すれば正エネルギーを扱ったと同じことである．しかし,観測は時間を順行して行われるからそうはいかない．粒子を時間反転させた実在は騾馬粒子や反粒子というよりも騾馬反粒子というべき実在である．

「反粒子は粒子を時間反転させた物」とは騾馬粒子は負エネルギーの粒子で,それを時間反転させた物が反粒子という意味である．

より正確には「反粒子（陽電子）は騾馬粒子（騾馬電子）を時間反転させた物」というべきであろう．