文十郎録

日々あれこれと感じたことなど

バラ色の未来なんて無い

2005-08-26 | 政治
選挙の争点は色々あるのでしょうが、自民党も民主党も大して違う事を主張しているとは思えない。 庶民にとってみれば郵便局が民営化されようが、貯金の限度額が下げられようが「実際、どれだけの差」があるというのか?
高度経済成長の時代は、「今の生活はよくないが、真面目に働けば明日は少しはよくなる」という考えの下に多くの人が貧乏でも楽しい生活を送っていたと思われます。 そうすると、多くの人は「バラ色の将来がある」と信じていたし実際そう実感された事でしょう。 狭い住宅に住んで、小さな車を買って、子供の進学に一喜一憂して、小さな幸せを隣と比較していればよかったわけです。
これからは、そうは行きません。 生活レベルは格段に向上しましたが、その向上したレベルを「当然」と思っている人達は、具体的に次がどうなるのか不安なのでしょう。 多少レベルが下がっても30年前の普通の人々の生活よりは、絶対値で見ると十分上だと思います。
また、経済が安定成長期に入ったとすれば(下手すると下がるかもしれませんが)基本的にはゼロサムに近い社会構造になると思います。 ほぼ決まっているパイを分け合う訳ですし、そうじゃない人々は国際競争に出て行く訳ですから これはこれで厳しい戦いの日々を続ける事になります。
従って、これからの社会は貧富の差が拡大する事になります。 トヨタもそうなると踏んでレクサスを展開するのだろうなあ、と思います。
それから、先進国では財政赤字になるのは仕方が無い気がします。 選挙の度に「減税、減税」と言っているのですから当たり前です。 「増税反対」といいながら、「公務員の数を減らすな」と言っている政党などはとても正気とは思えません。

以上の事から、これからの社会は多くの人にとって決してバラ色などではなく、ミクロに見たときに「競争に勝った人」が経済的に恵まれる事とそれとは一線を画して違う価値観(お金が全てでは無い)を持った人には暮らし易い社会にはなるかなあ、と思います。

政治に期待する事は、「非情」でいいから「約束」を粛々と実行して欲しいと言う事です。

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