葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

偉大な凡庸ワイン

2006年11月23日 10時29分53秒 | 日記 ・ 雑記録
昨夜のワイン会は、H氏の還暦祝いを兼ねたので豪勢なものとなった。
「豪勢」 と感じたのは私で、他の方々はどうだったか知らない。

ワイン会の内容は こちら をご覧いただきたい。

4時間を越えるワイン会になったから、皆さん 「いいワイン会」 だったのだろう。
葡萄舎の家主としてはこの上ない喜びだ。

戦いすんで日は暮れて、
(19時開始だから、日が暮れるもヘッタクレもないのだが)
テーブルを見やると、ほとんどのグラスは空になっている。 みんなよく飲む!
が、二人のグラス(計4脚)に、赤いワインがかなりの量で残っている。
赤といえば、DRCの Grands Echezeaux と Ch. Lafite Rothschild ではないか!

私の認識では、この2銘柄ならば、どちらか一つでも
「○○を飲む会」 が催されるほどの、偉大なワインのはずだ。
10年前、ワインが高騰する以前なら話は別だが、今は高嶺の花、だ。
「高嶺」 の花 は正しくない。 「高値」 の花、だ。
それを飲み残すとは! 私の理解を超えている。

意地汚い私は、4脚のワインを別のグラスに移した。
天下無双の、
DRCの Grands Echezeaux と Ch. Lafite Rothschild のブレンドだ。
80cc はある。
悲しいかな、この場合 1+1=3 とはならない。 2 にもならない。
ワインの飲み心地からいけば、せいぜい 1+1= 0.95 だ。
「偉大な凡庸ワイン」 だ。

3年前、グラスの底に少しずつ(わざと)飲み残して、
ボルドーの5大シャトーをブレンドしたのを思い出した。
あの時は、一度、冒険と贅沢をしてみたかった。
今回は、なにかやるせない、割り切れない気持ちでのブレンドになった。

どんなワインであれ、ワイン好きなら、グラスに飲み残してはいけない。
愛すべきワインに対して失礼だ‥‥、と思うけど。

当ブログの親サイト 「葡萄舎彩々」 へもお越しください。
http://members.jcom.home.ne.jp/budohsha/