葡萄舎だより

海峡の街・下関の、葡萄舎の住人・洒人 (しゃじん) が身の周りの些事片々を書き綴ります。
本人は日記のつもりです。

ご当地映画

2006年11月12日 08時01分26秒 | 日記 ・ 雑記録
「寅さん」 や 「釣りバカ」 を待つまでもなく、ご当地映画は昔からあった。
その最たるものは、北は北海道の納沙布岬灯台から南は五島列島の女島灯台まで
全国の灯台15ヵ所でロケをした 「喜びも悲しみも幾歳月」 だろう。
( 女島灯台を最後に灯台守がいなくなるということは昨日の当ブログに書いたのでご参照を )

山口県、とりわけ下関は、ご当地映画の先進地、らしい。
下関出身の佐々部清監督が 「チルソクの夏(02年)」 や 「四日間の奇蹟(05年)」を下関を舞台に連発した。
「四日間の奇蹟」 は、角島がロケ地だ。
佐々部監督は今秋、人間魚雷・回天をテーマに 「出口のない海」 を公開した。
五十嵐匠監督の 「長州ファイブ」 は
幕末にイギリスに密航した伊藤博文など5人の若き長州藩士を扱った映画で、
山口 ・ 福岡で先行公開している。
つい最近、奥田瑛二監督が 「風の外側」 を撮り終えたばかりだ。

これらの映画に共通しているのは、
在日の問題や、戦争問題をテーマにしていることと、
下関の影の部分を隠さずシーンの中に取り込んでいることだ。
従来のご当地映画はといえば、観光スポットを取り入れ、
その土地を美しく描き、地元は観光客の誘致に結び付けようとする。
ご当地映画製作の、立脚点の違いが、
山口を、下関を 「ご当地映画の先進地」 と呼ぶゆえんであろう。

下関フィルムコミッションの活動など、
民間と、下関市が一体となってロケを支援しているのも好ましい。
下関市民として、誇りに思っていい、かも。

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