呉かみしばいのつどい ~紙芝居はワクワクどきどき~

子ども達と心を通わせ、共感の感性を育む
日本独自の文化、紙芝居
紙芝居の輪が広がりますように~

いちごの家9月 紙芝居会

2017年10月31日 | いちごの家 熊野 紙芝居
月に1回
放課後等デイサービスいちごの家くまの
に紙芝居を通して、コミュニケーションを取る楽しみや、
共感することの喜びを体験してもらえたら良いな~と思って、伺っています


また、紙芝居は、本来1人で語るものですが、
いちごの家の子どもたちには、コミュニケーションをとる楽しさを味わってもらいたいので
「紙芝居やりたっい!」と要望がある時は演じてもらっています



2107/9/28(木)16:00~
今回も、紙芝居が大好きな生徒さんがお待ちかね
小1から中学生さん、女性の先生方が一緒でした。

今日も並んで座って待っている、生徒さん達。
「今日、紙芝居やりたいです!!」と、3人が真っ直ぐ手を挙げています。
「順番に、やってもらいますね。」と、はじめました。




『たこたこ おさんぽ』
 脚本 よこみちけいこ 画 藤本四郎

たこの園児さんの役を、男児さんが演じました





『ひよこちゃん』
 原作 チュコフスキー 脚本 小林純一 画 二俣英五郎

1年生の男児さんが、一生懸命語り、丁寧に抜いて差し込み、最後まで演じきりました
すごいですよね




『くらべっこ くらべっこ』
 脚本・画 まえとくあきこ

10月1日発売されたばかりの、お芋の季節にタイムリーな作品です。
こどもが大喜び、おイモの大きさや形、いろいろあるけど、それぞれイイね
みんな、みんな、チャンピオン

みんなの反応が、凄いです
どどっと、前に出て指差そうとします。(幼稚園でもでした)
演じる生徒さんも、盛り上がりましたよ〜

作者は、現在幼児教育の短大で保育を目指す学生を育てている、元幼稚園の先生のデビュー作です。(私のお友達です)
童心社のホームページはこちらからポチッと




『よいしょ よいしょ』
 脚本・画 まついのりこ

舞台に入れない紙芝居です。
「よいしょ、よいしょ」と、ひもを引っ張ると・・・・
何が出て来るかな??
「あたった〜、あったった〜」と、大よろこび
「よいしょ、よいしょ」は、大合唱

演じてくれている生徒さんは、「目が見えにくいんです」と途中で先生からお聞きしたのですが
全然、私は気づきませんでした。

最後まで、体ごとで演じきりました。
「よ〜いしょ、よ〜いしょ、よ〜いしょ」
紙芝居の力は凄いな〜と、改めて生徒さんに教えたいただきました。




今日も楽しかったね
ありがとう



つづきは、またまた




広島日赤原爆病院小児病棟クリーンルーム

2017年10月28日 | 小児病棟での活動
今日は「えほんのつばさ」の活動について


小児病棟で、2000年から子ども達へ遊びのボランティア活動をしています。
今日は、広島日赤原爆病院のクリーンルームでの、ようすをお伝えします。




クリーンルームへ行くと「紙芝居、読んで〜紙芝居、好き〜」と言って、一緒に楽しみます。
この日は、5作演じました。
なかなか集団生活を体験できない子どもに、共感の感性を育む紙芝居を観ることは大切な体験だなと思います。



絵本と紙芝居に囲まれたクリーンルームは、2017年9月で1年が経ちました。


置いてある絵本を、読破するのを目標にしている子もいます。
もう、2周目の子もいると聞きました。
嬉しいです
私たちは、おすすめの絵本や紙芝居を前出ししたり、情報を届けたりもしています。

東京こども図書館から寄贈いただいた「おはなしのろうそく」も並び、環境が少しですが整い始めたように思います。
ありがとうございました。


入院していたことがマイナスになるのではなく、
入院してたからこそ、いっぱ〜い本を読めて良かったなぁ〜と、思える経験になれば嬉しいです。


お母さん達に、ハンドマッサージもしてます。
触れ合うことで、少しづつお話しされたり、悩みをお話しされることがあります。

それから、ヨガも人気です
付添いで硬くなった体をほぐすヨガは、心も体もリラックできます


9月に入って、新しい仲間も増えました
それぞれの持ち味を活かして、親子に寄添える活動ができるとといいなと思っています。


「今日も楽しかったねぇ〜」と、いつも終わると話しています。


活動については、こちらをご覧下さい。ポチッと









④「平和教育部会」先生方からの感想

2017年10月26日 | ふうちゃんのそら
2017/10/11(水)
広島市中学校教育研究会平和教育部会から、ご依頼をいただきました。

広島市は原爆の平和教育が中心ですが、
新聞で『ふうちゃんのそら』を演じているようすと記事をご覧頂き
今回は呉空襲のことを取りあげることになったそうです。



映画「この世界の片隅に」の舞台が広島と呉のこともあり、中学生さんには伝わりやすいタイミングだなと思いました。



広島市の各中学校から、先生方が約70名参加されました。
場所は、広島市立庚午中学校
時間は15:30〜16:45です。


*****【 内容 】*****

①部会長挨拶
②日本への空襲 DVD視聴

③平和をたくす紙芝居『ふうちゃんのそら』NHK手話ウイークリーDVD視聴
④紙芝居『ふうちゃんのそら』実演
⑤歌「にじ」ピアノ伴奏
⑥体験者中峠さんのコメント、
 作家よこみちけいこさんのコメント、
 監修関家ひろみから、片山中学の生徒の感想を読み上げ


⑦平和教育の実践交流

**********************






後日、先生方から沢山、沢山の感想をいただきました。(一部を抜粋してご紹介いたします)
大人の感想を文章にして頂くことはこれまでなかったので、これだけ具体的に感想をいただけたことに、心から感謝いたします。

先生方の心にしっかりと届いて思いが伝わったこと、
先生方の生徒達に対する熱い思いを感じました。

平和をたくす紙芝居『ふうちゃんんそら』が羽ばたいていくのを感じました。
貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。




・特に中峠さんの紙芝居は、大人の自分でも引き込まれました。
ただ戦争の怖さだけでなく、今の幸せ、平和のありがたさも再確認することができました。
生徒にも聴かせたいなと思いました。



・「ふうちゃんのそら」感激しました。
最後に全員で歌っている時、戦争のお話を聞いた後に未来のあるすばらしいさや子どもの力、希望を持つことの大切さを感じました。

戦争の悲惨さを知ることも大切ですが、生きていくことの尊さを実感する方が、心も輝き、より平和を求める心を育めるのではないかと考えました。

私自身、これほど心の奥に暖かな灯りがともり、「この話を聞けて良かった」と思える平和教育は初めてでした。
本当にありがとうございました。



・映像ではなく、紙芝居ということでよりリアルで心に残りました。
このような体験を同じように生徒にもさせてやり、考えさせるようにしたいと思いました。



・ライブで紙芝居を見ることはほとんど経験ないのでは?!と思います。
子供たちにも平和であることの大切さが伝わるように、そして大人の私たちにも平和について考え、次へ希望が持てるような話だったと思います。

生徒たちにどのように伝えていくか考えた時に、どうしても映像に頼ってしまうことが多くなります。
紙芝居や劇を通して伝える機会があれば、生徒たちの考え方、受けとめ方も変わって来ると思うので、取り入れていきたいと思います。



・紙芝居で、声の抑揚や絵をめくるスピードを変えることで、当時どのような現状だったかがとても分かりやすくなっていたのが素晴らしかったです。
ただ戦争は悲惨だったということを伝えるだけでなく、戦争があったことで今の平和を改めて噛みしめることができた、という終わりかたったのもとても良いなと思いました。



・今回の紙芝居を聴いて絵や話でも充分、子ども達に伝わることがあるんだと感じました。
中峠さんの読み方も、臨場感あふれる朗読で、実際に写真を見て学ぶよりも、内容や当時の現状が入ってきました。
こども達に伝えていく中で、写真や当時の話をすることも大切ですが、紙芝居や朗読を通して、心で感じとることも大事だなと実感しました。



・紙芝居は小さい子どもだけのものでなく、幅広い世代に訴える力があると感じました。




・紙芝居は、舞台芸能と同じで、人間の肉声で語られているので、大いに感銘を受けるものだと思います。
子どもから大人まで真剣に聴ける演技は大変良かったと思います。


・紙芝居は平和の大切さを訴える1つの手だてだと思いました。
映像も良いですが、人間の肉声も大変良いものではないかと思いました。



・紙芝居の主人公である「ふうちゃん」が語ることで戦争を知らない私にもサイレンの恐怖が伝わりました。
紙芝居を聴いている途中でサイレンの声に鳥肌が立ちました。



・中峠先生の朗読に胸を打たれました。サイレンの音、子どもの叫び、たすけてくれた男性の声など、実際に体験された方の迫力はビデオでなく生で拝聴させていただいてありがたかったです。

私が教員としてできることは、この紙芝居のようなものに出会ったときに、素直に「ふうちゃん」の思いを感じとれる、思いやれるような感受性を育ててやることだと思います。




・平和を伝えていく方法は、多くあると思いましたし、紙芝居によるものは、とても暖かく平和が心に響いていけるものであると思います。

にじの曲も、明日への夢があることが幸せなことであり、平和が取り立てて難しく考えることではないと思うことができ、戦争を知らない子どもたちが平和を考えるためにも、良いものだと思いました。



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中峠さんの実演が、どなたでもご覧いただける会を開きます。

場所は 片隅カフェ
呉市中央図書館と、市役所の間にあるPANビル5階にて
(呉市中央3丁目11ー12)

11/4(土)
12/1(金)

どちらも14:00〜

参加費 500円(高校生以下は無料です)

実演の後、中峠さんを囲んで参加された方とお話しできる時間を持ちますので、
お気軽にご参加ください


詳しくは、ふうちゃんのそら@片隅カフェ、こちらをポチッと
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くれシェンドさんのホームページもごらんくださいポチッと









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③「呉ふるさと讃歌」安浦中学の合唱

2017年10月25日 | ふうちゃんのそら
前ページの、つづきです

感動した大山由宇さんの作文に書かれている「呉ふるさと讃歌」について、私たち「ふうちゃんチーム」は誰も知らなかったのです。
中峠さん、よこみちさん、私の3人は、呉生まれ呉育ちです。


YouTubeにもあがってないし、どんな歌なのか2年間手がかりなしでした。
そこへ、安浦の桐山さんと言う方と、ふうちゃんのそら繫がりでお知り合いになりました。


早速、桐山さんが安浦中学校に直接問合せてくださり、9/26に、生徒さんの合唱を聴かせていただくことになりました



    当日のプログラム    

① 中峠さん挨拶

② 桐山さんによる、大山由宇さんの作文「知る」ということ 朗読

③ 紙芝居『ふうちゃんのそら』実演

④ 生徒さんからの感想

「呉ふるさと讃歌」混声4部合唱



呉ふるさと讃歌 

作詞 呉市警固屋中学校生徒
編詞 保田 えり子
作曲 松前 良昌


1. 日招きに急いだ いにしえの坂
   息を切らして ランニングの足とめ
   思わず笑う
   桜色に染まった顔 見あわせて

  渦に櫓をこぐ 恵みの瀬戸は燃え
  悩み打ち明け 涙の肩抱きあって
  立ち尽くす
  夕映えの 紅(くれない)に 言葉失い

  ああ 匂いたつ 色の艶やかさ 
  ああ 輝ける 海のきらめき



2. 空襲におびえた 戦(いくさ)の空を
  意地はったさかいに 心閉ざして
  一人見上げる
  友情なんかいらないと つぶやいて

  見知らぬ笑顔に 出会った町かど
  心通ったうれしさに 駆けだして
  待ちぶせる
  追う友を驚かそうと 雪つかみ

  ああ 突きぬける 空の深さよ
  ああ 弾ませる 息の温かさ



3. 母が生まれた 父が生まれた
  今は亡い 祖父が生まれた
  祖母が生まれた
  わたしが生まれたこの町で
  ああ
  わたしは友と一緒に生きていこう  
  
  母が生まれた 父が生まれた
  今は亡い 祖父が生まれた
  祖母が生まれた
  わたしが生まれたこの町で
  ああ
  わたしは友と一緒に生きていこう




生の歌声を聴くことができました〜
ありがとうございました。


若く美しい澄み切った、真っ直ぐな歌声に魂が震えました。
涙があふれました。


広島県の中学校合唱コンクールで銀賞に輝かれたそうです
おめでとうございます




生徒さんの感想です。

男子「紙芝居は、自分もその時に生きているような気持ちになった。
   戦争はどんなに辛いものだったかを感じた」



女子「ふるさと讃歌を歌うにあたって、どう歌うか分からなかった。
   紙芝居を観て、今後の歌に活かしていきたいと思いました」









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②中学生の作文が法務副大臣賞入!!

2017年10月25日 | ふうちゃんのそら
安浦中学校の吹奏楽部さんとのご縁は、
2015年に『ふうちゃんのそら』の原画展をした時に、原画を見に来られた当時中学3年生の、大山由宇さんの作文がご縁となりました。


その作文とは、2015年、法務省と全国人権擁護委員連合会の主催する、
第35回「全国中学生人権作文コンテスト」に、全国973,865編の中から4位に入賞され法務副大臣賞を受賞されました。
詳しくはこちらからポチッと



「知る」ということ という題の作文です。
中学生が『ふうちゃんのそら』の作品を通じてどのように感じたかを、私たちも知ることができました。



作文は、インターネットで公開されていますので、ご紹介します。



「知る」ということ

広島県 呉市立安浦中学校 3年
大山 由宇(おおやま ゆう)


 この夏,私たち吹奏楽部は,中学校生活最後になるNHK合唱コンクールに出場する。私たちの学校では,毎年恒例の曲を自由曲として選曲し,練習を重ねている。それが「呉ふるさと讃歌」である。
この曲の作曲に携われた前顧問のK先生が今日,私たちのために合唱指導に来て下さった。



K先生の指導はこれまでに何度も受け,刺激を受けてきているが,今日の先生の指導はことさら熱かった。
普段はとても温和な先生がこんなにも激しく私たちに語られるからには,私たちの合唱に大きく足りない何かがあるからだと感じた。
先生が特に強調されたフレーズは「空襲に怯えた戦の空を」の部分である。



呉空襲の戦火の中,呉の人々がどんな気持ちで生き抜いてきたのか,イメージして歌うことが必要だといわれる。
正直,呉空襲についてほとんど知識のない私たちにとっては難しいことだと感じた。


先生の指導はさらに続き,「人間は本当におびえたり苦しかったりしたら,声は出ないし足もすくむ。そのことをあなた達は,歌声を通して,伝えなくてはならない。」「男声パートは,戦の中で恐怖の中,戦った若き人達を。女声パートは,学業を捨て,青春を捨て,兵器を作る工場で朝から晩まで働いた女生徒の気持ちを。」と。
K先生の檄は飛ぶものの,「これでよい。」とは言ってくださらなかった。
そして,最後に静かに,こうおっしゃった。「合唱は,美しさだけでは成り立たない。たくさんの思いを聴く人に届けることで,感動させなくてはならない。」と。




 この日,家に帰ってから私は母に「呉空襲って,そんなに大変だったん?」と聞いた。母は祖母に同じことを聞いていた。母はもちろん,祖母も聞いたことはあるもののあまり知らないようだった。
私は,「呉空襲」にかかわる歌を歌い続けてきたにも関わらず,今までこのことについてあまり深く考えたこともなかったことについて,申し訳ないような気持ちになっていた。




 このようなある日,新聞で「呉空襲」での被爆体験をもとに紙芝居が完成したという記事を目にした。
呉空襲を体験され,今日まで生きてこられた七十八歳の女性が語られたことを呉市在住の絵本作家が紙芝居にしたという。
私は,どうしても今,この紙芝居が見たくなった。毎日の部活の合間をぬって,やっとこの紙芝居の原画展を訪ねた。
ほんわかとかわいらしい紙芝居の原画に想像していたより穏やかな温もりを感じ,少しほっとした。




しかし,その中で一枚の原画の前で足が止まった。
それは,呉空襲の中でも最も被害が甚大であった七月一日の空襲の一場面である。
ぎゅうぎゅうづめの真っ暗な防空壕の中で,誰もが押しつぶされて死んでいく地獄のような中で差し出された一人の手と,「もうだいじょうぶじゃあ。しんぱいせんでええど。」という,やさしい言葉によって一人の小さな女の子の命が救われた場面である。



戦争という異常な状態の中で誰もが自分の命を守ることだけで精いっぱいだった時,そんな中でも人のためにやさしい言葉とあたたかい手で一人の女の子を救った人がいたのだ。
人間として一番大事なものを奪ってしまう悲惨で残虐な戦争の最中,大切な心をなくさずに生きていた人がいることを知り,私は胸がいっぱいになった。
原案を書かれた人も絵本作家さんも命をかけてこの事実を伝えようと,紙芝居に思いを託されたのだと思う。
私は,この人たちのおかげで,今回はじめて呉空襲の事実に触れ,人の心の尊さを学ぶことができた。


 
 被爆七十周年を迎えた今年,ヒロシマは節目の年だといわれている。
私の曾祖父も原爆の犠牲となり,三十六歳という若さで亡くなった。
そして,その妻である曾祖母は被爆手帳を持ち,苦労しながら三人の子供を育て,九十八歳を迎える。


今は亡き祖父がいて,私の母がいて,今の私がいて,命がつながれている。
ヒロシマだけではなく,身近な都市呉市にも惨禍があったことをあまりにも私たちは知らなかった。
ヒロシマも呉も,ともに戦争による悲しい歴史を持ちながらも必死に生き続け,命をつないできたのだ。


 
 K先生があの時,私たちに託された深い思いを私は三年間かかってようやく受け止めることができたような気がしている。
呉空襲を知らないから,うまく歌えないのではない。



過去の事実を知ろうとし,自分なりの思いを大切に持って,歌に魂をこめて後世に伝えるつもりで歌うことが,大切なのだと。



最後の合唱コンクールは明日。
「母が生まれた,父が生まれた。今はない祖父が祖母が生まれた,私が生まれたこの街で私は友と一緒に生きていこう」のフレーズを,私は仲間と共に誇りをもって,心をこめて歌う。そうすることが私にできるはじめの一歩であり,この曲を歌わせていただく中学生の使命であると感じている。


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呉ふるさと讃歌は、次へ