「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

春の訪れ

2006年02月22日 | 季節のうつろい
 先週末以来、腰を痛めて、寝返りもままならず、低い位置のものはすべて一度膝を突いて取り上げる状態でした。日ごろに似ぬ行儀のいい立ち居とも見られますが、本人は痛みを堪えるのに歯をくいしばる有様です。

 日ごろ薬とは縁のない暮らしのことで、薬効は著しく、お医者様に通うようになって見違えるように直ぐな姿勢で歩けるようになりました。

 原因は依然不明です。この月初めのころから違和感はありましたが、突然動けなくなり、水平移動以外は痛みが走りました。

 90代の頃の、腰を曲げた母の姿に重ねて暗澹たる思いでしたが、やっとコルセットも取れるようです。
 15分づつ歩くようにといわれているので、久しぶりに庭に出てみて驚きました。

 この二三日の陽気で、梅も一斉に花を開き始め、春を告げるトサミズキ、クリスマスローズ、馬酔木、沈丁花といった花々が蕾を膨らまし、小鳥たちの賑やかな囀りが巡っています。

 蕗の薹はすでに花を開いており、水仙や寒あやめも盛りを過ぎようとしていました。通称、椿谷と呼ばれる裏山に続く谷でも山椿が赤い花をつけ咲きそろっています。

 「苔の袂よ乾きだにせよ」はおおげさにしても、弔問の方との応接と仏事の続く中で、腰痛を抱えて、病院のほかには他出のない日々が後しばらく続きます。