最近、街並みがどんどん変わっていく。
なじみの店がマンションに変わってしまったり、古い家が新築されたり。
耐震強度の問題もあるから仕方がないのだが、改築も含めると数えきれないほど変わっている。
広小路の丸善があったところが駐車場になってしまったのは大ショックだ。あんな一等地を駐車場にしてしまうなんて贅沢な(立体駐車場ではない)。土地が売れるまでのつなぎだと思いたい。
そんなある日、実家のあった辺りを歩いていると、懐かしい家を見つけた。
この辺も近所から出た火事などでがらりと家並みが変わった地区だ。実家はその火事が原因で壊された。子供時代のよりどころを失ったわけだ。
そんな町で見つけた懐かしい家は、あばら家と言われても仕方ないほど古くて荒れている。しかし佇まいは何十年も前と変わらないように見える。
ここは小学校に上がる前によく遊んでいた女の子がいた家だ。家と言っても間口は狭く、庭のようなものも無くていきなり建物になっている。入ると左手に倉庫のようなものがあるが、完全な屋内ではなく奥の右手にちょっとした植込みがあり、そのさらに奥に家屋がある。
名前は覚えているが、どんな遊びをしていたか、全く覚えていない。彼女は小学校時代に転校し、年賀状で交流していたが、私が書くのをやめたので途絶えてしまった。悪いことをしたと思う。今でも元気にしているだろうか。
何度も前を通っていたのに隣の新しい家や実家の跡に建った家に目を奪われて気付かなかった。ここだけが時間が止まっているように見えた。
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