以前にも書いたが、教えてgooに出てくる数学の問題をときどき解いて頭の体操をしている。
私の興味を引くのは、難しい問題よりも、易しそうなのに意外と苦労するとか、エレガントな回答がある問題が多い。
問.図に示す平行四辺形ABCDで、EF//ACのとき、△AED=△CFDを証明せよ。
私には「へぇー、そうなの?」って感じの問題だ。
幾何に限らず、ひらめきを要する問題は難しい。
ひらめくのは諦め、ベクトルを使ってガシガシ解くことにした。
→AB=→a、→AD=→bとし、→AE=s→a、→AF=→a+t→bとする(s、t は定数)。
EF//ACは (→a+t→b)-s→a=k(→a+→b)
と表せる。
整理すると (1-s)→a+t→b= k→a+k→b
係数を比較すれば 1-s=t ・・・(*)
ここで展望。∠EAD=∠FCDなので、→AEと→ADの内積が、→CFと→CDの内積に等しければ△AED=△CFDが言える。
→AE・→AD=s→a・→b
→CF・→CD=(→AF-→AC)・→CD
={(→a+t→b)-(→a+→b)}・(-→a)
=(1-t)→a・→b
(*)より ={1-(1-s)}→a・→b
=s→a・→b
∴→AE・→AD=→CF・→CD
両辺をcos∠EADで割り、sin∠EADをかけ、1/2にすれば
△AED=△CFD (証明おわり)
いちおう解けたが、エレガントとは言いがたい。それに中学生にこの解法は無理だ。
中学生むけの解等が次だ(一回答者のヒントに基いた)。
上図のように対角線DBを引く。
△CBDにおいて、△FDC:△BDF=FC:BF
同様に△ABDにおいて、△ADE:△EDB=AE:EB
四角形ABCDは平行四辺形なので △CBD=△ABD
EF//ACより FC:BF=AE:EB
以上より 、△AED=△CFD
うーん、エレガント。ベクトルなんて道具を手に入れちゃうと、ピュアな感性が汚れていくのか。
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