時計が規則正しく時を刻むように
人も自分の毎日を刻み続けている。
朝起きて、通いなれた道を通り、
日が落ちる頃にはまた同じ電車に揺られて家路へ帰る。
そんな毎日にふとため息を漏らして
終着駅のない列車に乗り込んでどこまでも揺られていきたいと
思ったことはないだろうか。。
学生の頃「小さな恋のメロディー」という映画を観た。
遠い昔の青春映画だ。主人公の幼い二人が
トロッコを押して花でいっぱいの野の果てへ
逃避行するラストシーンが何故か不意に懐かしく蘇った。
あの線路の行きつく果てには何があるのだろうか・・・
あの道の先には何が待っているのだろうか・・
そんな未知の何かに背中を押されて
ふと消えてしまいたくなったことが
あなたにはなかっただろうか。。。
それでも誰もが朝、見慣れた道を駅へと急ぐ。
いつもの信号を左折して、時計を横目に車を飛ばす。
新しい月曜日が始まり、
少し寝不足気味の水曜日をやり過ごし
いつの間にかまた週末がやってくる。
家族と過ごすいつもと同じ休日。
何かワクワクするような予定があるわけでもないけれど、
それでもいつもの居場所が、何故かホッとするのはなぜだろう。。。
いつもの店で注文するいつものメニューが
やはり美味しいと感じてしまうのはなぜだろう。。。
ありふれた毎日を積み重ねてゆくことが、
実は終点のない列車に飛び乗って逃避行することよりも
ずっと大変だということに気づいたのは、
ずいぶんと年を重ねて大人になってからだ。
でもそのなんの変哲もないような繰り返しの中でこそ
見えてくるものや教えられることがあることに気づいたのも
積み重ねてきた長い日々があったからだと今は思っている。
誰の朝にも同じように日は昇り朝の光が降り注ぐ。
太陽と共に目覚め月と共に眠りに落ちる。
やはり私たちも時計と同じように日々、
時を刻んでいるのだと感じた・・そんな朝だった。
(画像は早朝ウォーキングにて歩道橋から撮ったものです)
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