日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

難関ヤブ連続と思っていた尾根との勝負は逃げ逃げ巻きマキの連続だった   湖上山/外山

2014-08-02 19:36:08 | 山行

入山日 2014年7月26日(土) 単独     (帰りのバスの車窓からの湖上山、外山)
6月、7月と福島方面の山開きを中心にずい分と歩いた。メジャー山、マイナー山いろいろあったが、全部一般ルート歩き。なな”のレベルとしては通常考えられない美女お二人にも時に同行してもらっての、楽しい山あるきの数々だった。しかし、そんな楽しい山あるきばかりしていると、時に思いっきりヤブ歩きがしてみたくなったりもするもの。一人でヤブ尾根に突入するのが久しぶりで、実行に移すことに少しだけストレスを感じたりもした。そんなわけで、今回は思い切ってかねてから一度はやってみなければ気がすまなかった湖上山、外山の尾根を歩いてみようと出かけてみた。

5時発、赤沼からのバスは自分をいれて3人だけの乗車。登山者は僕ひとり。前日はハイトス先輩、ノラ先輩のこの山の記事を読んで、少しだけ前準備をした。
弓張峠付近の尾根末端からヤブ入り。ヤブ尾根歩きは2ヶ月ぶりかな、いつ以来だろう。ヤブの大佐飛以来??。


コース: 小田代ケ原 5:23 ・・・ 弓張峠 5:28 ・・・ 湖上山 8:54-9:15 ・・・  外山 10:12 ・・・ 新道(一般ルート)合流 11:04 ・・・ 湯元バス停 12:40 

この日はとにかく暑い。赤沼で23度くらいあった。登り始めるとすぐに汗が全身から吹き出してきて、特に背中はびっしょり。帽子をかぶっているのに、目に滴る汗が落ちてきて何度も顔を拭った。予想以上に登りが急な連続で、歩き出してそういえば戦場ケ原から見る湖上山は急峻で格好よかったな、と思い出したりした。少し最近右かかと付け根が軽い違和感をずっと抱えながら山歩きしていて、この日は仕事の疲れもあって、最初全然調子が出ない。猛烈な暑さと汗で、ヤブに出会う前に、不調と暑さで撤退かと思案しながら登った。
(序盤戦、結構岩っぽい急斜面が連続で出てきたりする。 障害ヤブはまだでてこない。)


障害ヤブは出てこないうちは、急だけど案外歩きやすい尾根だと思ったりもした。このまま、楽にすむはずはない。


尾根入りして約1時間と少々の地点で、前方に面倒くさそうなヤブがごちゃごちゃした感じに見える岩稜帯が見えた。これが、ハイトスさんの言う第一弾の密ヤブの岩場なのかどうか、はっきりしなかったけれど、岩+ヤブ尾根を直登しなくていいような都合のいいシカ道が尾根左側に伸びていたので迷わずその巻道風のなだらかな水平道に進む。案外はっきりした踏跡がその後も続き、見上げると尾根を直登した場合に乗っていたはずの巨大な岩稜がすぐ脇に聳えていた。



最初の岩尾根の密ヤブは巻けたようだ。巻道を20分も進みと、巻道自体も怪しげな踏み跡状態になり、そこはいつもの感を働かせてなんとか対応。最後には結局尾根に復帰しなければならず、大きな岩混じりの急斜面を枝を掴みながらなんとか体を上げていった。(P ↓)ハイトスさんはここの岩尾根/密ヤブは真っ向勝負だったらしい。




岩稜帯を巻いて登りたった稜線は、かなり平穏な様相だった。普通に歩ける尾根で、傾斜もごく大人しい穏やかなものだった。しばらくは平和な稜線を進む。



西方向に、昨年夏に歩いた白根隠山/南東尾根と白根隠山らしいピークが遠望できた。あそこも、中盤までは急だったなー。



7:21 またしても尾根センターはシャクナゲの密ヤブっぽい地点が出てくる。またも尾根西側(左)にシャクナゲの下にうっすら獣道らしき踏跡があったので、それを追う。案外、踏跡は長く続いていて、多少のシャクナゲ掻き分け程度で進んでいくことができた。



尾根センターに復帰。今度は人の足や腕くらいの太さの木々が密に生えている尾根センターだった。ここはシカ一匹くらいがスルーできるくらいのスペースが続いていて、難なくクリアー。



東方面(尾根右方面)に、日光連山が見えてきた。



その後は断続的に歩きやすい尾根になったり、密ヤブがでてきて、今度は右斜面に逃げたりしながら進む。
(尾根センターでなんとかヤブをクリアーして進める地点。)


8:01 また尾根右側を巻いて進む。(P ↓) この尾根、後半戦は断然尾根右(東)で巻く局面が多くなった。枝を掴み、倒木を跨ぎながらも難なくクリアー。この辺に来ると1950Mは超えているのだろう、風も少し当たるようになり、前ほどは暑くはなくなる。



よく考えると、今日は障害ヤブが出てくる前に、適度にすんなり進める巻道がみつかりその都度、巻きまくっている。ここまで、ある程度の長さでの密ヤブ突破は全然無いくらい。ハイトスさんは、前に会った時、ここの尾根でシャクナゲヤブを突破するときの空中戦を身振りで表現してくださったけれど、なな”は本日の勝負、全部逃げまくり中。「これで、湖上山の稜線を歩いたことになるのか?」 と要らぬことを考えたりした。
(8:35 ここも尾根右側を巻き歩き中。 )


8:48 山頂の本当の直下。(P ↓) この場所も巻き歩き中だった。尾根センターはヤブが濃そうで進む気にならなかった。センターからの勝負ではないので、どこが山頂かちょっと困惑しそうだけれど、念の為にと、湖上山のピークのみGPSで緯度経度を地点登録しておいたので、ちょっとカンニング。やはり一番高い方に向かって最後だけ少しヤブを漕いで山頂広場に到達。



山頂はちょっとしたスペースの切り開きがあるのみ、周囲をガスが見てきて眺望どころか、すぐ先にあるこれから行く外山も最初は見えなかった。なので、山頂でウロウロしていると、磁石を使わないと、これから行く外山の北方面がわからなくなるくらいだった。



湖上山のヤブは自分としては、かなり難易度高のヤブと捉えていたので、巻きだろうが、逃げばかりだろうが手段はともかく達成感。少々休み、バテ、熱中症対策で、腹にある程度のものを入れ先に進む。北方面へ、外山を目指す・・・
湖上山頂からは薄い踏跡を辿る。最初は楽勝かと思ったが、踏跡は鞍部に行かず西に寄りすぎて下って行きそうなので、よくよく北へ折れる変化点を探しながら歩く。ごく薄い適当な踏跡があり、北の鞍部に向かっていきそうなので、半信半疑で進んでみると2,3分で明瞭な踏跡になり、外山への鞍部に到達できた。
鞍部からは、ヤブが濃くなったり(P ↓) 薄くなったり、基本下部にうっすら踏跡があるようなので、湖上山頂からは変な巻き歩きはせず、踏跡を忠実にたどった。



ヤブが薄くなった。深山ぽくって、とってもいい雰囲気です。(と、唐突にM猫さん風)



この日はお花の期待はゼロだった。湖上山山頂からの稜線は結構この色のシャクナゲが盛りなのか、たくさん咲いていた。



9:51 目の前に目指す外山と思われるピークが見えてきた。



外山ピークへは最後、急な登り。これは地形図を見て覚悟していた。途中結構シャクナゲやぶが濃いけれど、下に薄い踏跡はあった。



山頂付近の切り開き(P ↓)。ここは、前回ヤブ初心者の2年くらい前、外山/東尾根で登ってきたことがある。その時あった山名板は失くなっていて、本当にここがピークかと思ったが、山頂から見た、東方面の斜面に見覚えがあり、木に山名板の跡のような釘打ち付け跡があったので、ここが絶対外山山頂。



2012年7月に外山東尾根を登って、ここに来たことがあった。あの時はヤブ尾根歩きもまだ本当の初心者だった頃。背丈ほどの笹ヤブが出てくる尾根なのに、半ズボンで歩いたりして今となっては笑える。その時外山山頂からすぐ西にある前白根山への一般ルートに合流する為の歩き出しで、進路がわからず大難渋した思い出がある。( 意外なほどのにロングヒットのこの記事:http://blog.goo.ne.jp/blgmnt49/e/24ca944884649fe634d43235ace7a2a1 )
あの時は山頂の山名板の地点から強引に踏跡無視で西へ進路をとり、人の腕ほどぶっとい幹や枝のヤブが密生する斜面を強引に突っ切ろうとして、蜘蛛の巣に絡め取られた虫のようになったことを思い出す。今回はその学習もあり、東尾根方面の踏跡を少しだけ辿り、踏跡を追いながら、西方面への尾根に乗る作戦だった。最初は踏跡明瞭、楽勝ムードが漂う。踏跡を進み、テープ目印を過ぎ踏跡が心細くなる。その前から北に進みすぎていることが気になっていたので、このまま進んではいけないことを悟る。さて、ここからどうするか、まだ外山から10分も下っていない、山頂までもどって仕切り直しするか。あるいは、今居る地点から西方向へトラバースするか。西方向へトラバース作戦が地形的にできそうだったので数分斜面を水平にトラバース。ヤブは薄いけれど倒木乗り越えなどが少々面倒な歩き。なかなか、目的地付近に出るような雰囲気がないので、諦めて元来た地点付近に戻ることにした。戻る途中で、木のヤブに捕まり、脱出に手こずったり、メガネを飛ばされたりしながら10分ほど前に歩いた踏跡に復帰。テープ目印の地点から、ほんの微かに西に方向転換する踏跡を発見して、これまた半信半疑、少し濃いヤブを進んでいると踏跡がやや明瞭になってきた。
(外山からは直下で彷徨っていた地点。この地点で水平トラバース、20分ほどロスった。)



前方、前白根の前衛峰がガスの向こうに見えた。 周囲は雲が多い上に多少のガスで、眺望はほとんどなくなってしまった。


外山から西へ下り、鞍部を歩くとあっという間に湯元からの一般道に合流。単独男性3人が休んでいて、変な方向から出てきたなな”を見て、驚かれたような顔をされた。



一般ルート合流で、安堵。今日も結局、外山からの下りでドタバタしてしまった。合流地点で、少し食事をとり休憩をした。周囲は曇り模様、晴れ間はほんの少しだけ。明日は予定では相棒と福島方面へ遠征予定、この暑さなどの理由により、前白根へ上がっていく選択肢を消した。
湯元から前白根山頂に通じる一般ルートを下る。ここは初心者の頃、何度か登りで使って、結構好きだったルート。歩くのは20年ぶり以上かも。噂ではかなり悪路ということだったけれど、どこが? という気がした。
(一般ルートを下る。急ではあるけれど、明瞭な踏跡が有るというのは、なんと気が楽なことか・・・。)


12:15 スキー場上部の林道にたどり着いて、振り返ると五色山方面だろうか。急峻な高みが見えた。




スキー場は一面に白いお花が咲いていた。その中の林道風をテクテクと下る。前方に日光連山がお出迎えしてくれていた。




今日は、湖上山、外山の稜線を歩き通せて満足。とんでもない激ヤブの波状攻撃を覚悟していた。性格上、逃げられるヤブや岩は巻くタイプなので、今回は密ヤブに捕まるケースがほとんどなく歩けた。腕が引っかき傷だらけになった高薙山の時のようなことはごめんと、長袖シャツをザックに入れたけれど、最初からの暑さで着用はハナからやめた。ずっと半袖シャツで歩いたのに、腕にはちょっとした小さな傷が何箇所かついただけだった。
ヤブはほとんど巻けたので、ヤブ突破は巻いた斜面からの尾根センター復帰の時くらいだった。ヤブの難易度としては、さほど高いとも思えなかったのは後からの感想。実際歩いている時は、結構大変な思いをしていたような気もする。  ■■

(振り返って、歩いてきたスキー場と降りてきた尾根方面。)


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4 コメント

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湖上山は巻きつかれたのでは (ノラ)
2014-08-05 20:35:11
ななころびさん こんばんは。湖上山を楽しまれたようで何よりです。でもあまり巻いてばかりだとたまには真っ向勝負もしてみたくなりませんか。まあ暑い時期はそんな気にはならないでしょうが。シャクナゲがこの時期まで咲いているのですね?次は大岳から白桧山へ抜ける尾根なんかがいいかもです。
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ノラさん (ななころび)
2014-08-05 23:18:57
こんばんは。
やっと念願だった湖上山に行けました。
高薙山みたいな山でも、巻道のシカ道があったりしますが、それだけを追うわけにいかなくなり結局は密ヤブに突入したりします。湖上山に関しては、巻きで勝負している間に山頂に着いてしまった感じでした。
シャクナゲは湖上山/外山間で多く咲いていました。
大岳山から白桧の尾根は、ネット記事を読んだ上では、自分が恐れている尾根です。なかなか踏み出せません。
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捲き道 (ハイトス)
2014-08-10 01:32:25
こんばんは。
北の大地から戻って参りましたハイトスです。
帰ってきた初日の夜は暑くて眠れませんでした。(笑)
今回のななさんの記事を読んで考えさせられること多しです。
ノラさんもそうですがちゃんと鹿道を見つけて無謀なルート採りを避けておられる。
ななさんの今回の捲き道探索も独自の嗅覚がものを云うのでしょうね。
自分はどうもダメですね。といいますかヘタです。
やはり一種の嗅覚が鋭いとう能力の一つかも。
しかし今回のななさんの歩きで湖上山も大藪を漕がずに登れるという事例となることでしょう。
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ハイトスさん (ななころび)
2014-08-10 11:07:51
こんにちは。
やはり、北海道は気候もまったく違うのですね、関東は数日前はもっと暑かったのですよ。

今回の巻道を多くとれたのが、独自の嗅覚なのかどうか?。 あの最初の岩を巻けたのはハイトスさんの記事のおかげですし、私の場合、頭の程度が鹿に類似しているのかもしれません。
確かに、今回の湖上山、外山は暑くて大変でしたが、極度のストレスを感じるほどのヤブ山ではなかったと思います。
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