日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

強風吹きすさぶ高平山で春の息吹を感じる 東小来川から高平山/東尾根へ

2013-03-09 01:54:58 | 山行

2013年3月2日  (晴/曇り/強風、小雪吹っかけ)  単独              (788P三角点手前から見たこれからめざす小ピークと遠くに高平山)
今日は先週計画していて順延になってしまった高平山を歩いてきました。高平山といえば昨年たそがれさんが高平山から鳴虫山へ縦走された時に、初めてその存在を知った山です。(自宅からこんなに近いのに・・・) 本来その鳴虫山への縦走コースを歩くのが面白いかと思ったのですが、今年1月ノラさんの記事で知った、東小来川から尾根を北上し高平山まで辿るルートを今回は選択しました。高平山に到着した場合は東尾根を下り、途中尾根を折れ南方向に破線ルートを歩いて山久保稲荷神社を参拝できればというオプション付きです。
今回の主な目的は,最初三角点788.4Pを見ること。東小来川から高平山に北/北西方面に未知尾根を辿ること。(高平/鳴虫山間の偵察にもなる) 高平山への初登頂。 山久保稲荷神社を参拝すること、などです。

コース: 新谷、東小来川公民館付近 7:38  三角点788.4P  9:06  高平山 11:10-15  林道出合い 12:02  山久保稲荷神社 12:41-58  スタート地点へ 13:42
 
東小来川公民館付近のスペースに駐車させてもらってスタート。(写真下)目の前にこれから取りつくピークの末端が見えている。さてどこから取り付こうか。


取りつく尾根の末端に地形図だと神社マークがある。現地に行ってみるとすれとすぐわかる形で小さな神社がひっそりたたずんでいる。そこから取りつく、神社の前には小さな狛犬が一対。スペース省エネ型だ。(写真下) 狛犬ハンターとみー猫さんに命名されたからには、こんな変わり種狛犬は掲載しないわけにはいかない。狛犬の写真って撮るのが本当に難しいのですけど・・・


尾根に取りついてすぐ急登が始まり尾根型に乗れる。よくあるパターンで踏跡は無いが、障害ヤブはほとんど無く、尾根センターには獣のものと思われる踏跡らしきが薄っすらと見受けられる状態。(写真下)


最初こそ植林帯の中を登るが、高度を上げるにつれ次第に岩が露出している所や広葉樹林帯も結構混じりだす。(写真下) たそがれさんが昨年高平山から鳴虫山をつなげた時の印象は、うす暗く鬱蒼とした尾根で、時に進路が判りづらかったという。ほとんど同じ山域であり、高平山までの行程での後半など、そのルートと重複する今回は、眺望や尾根歩きの爽快さは最初から期待していなかった。この東小来川からのこの尾根ルート、予想以上に面白い尾根じゃないの。晩秋なんか、どこかの高山に行きそびれてしまった日など、静かに楽しめそうな渋尾根なのだ。


ほぼ登り一辺倒を1時間ほどこなし、小ピークを一旦少し下る地点。(写真下) 尾根の上には、コケは綺麗に生えそろい、いかにも歩かれていない感をみせている。歩いて尾根上の苔を傷つけないように、心持ち静かに進む。


歩き始めから約1時間25分で三角点788.4Pに到達、ちょっとした狭い小ピークといった感じの所で、眺望は樹林間に囲まれあまり無い。また一つ、三角点ゲット・・・


788.4Pを過ぎると、尾根はますます感じのよい状態になって来る。(写真下)は小ピークへのなだらかな登り局面。788.4Pからは多少のアップダウンを繰り返しながら少しずつ高度を上げて行く。時に岩稜帯の上のヤセ尾根歩き、時に気持ちの良い雑木の中の水平歩きもある。


進行方向斜め右前方に目指す高平山が見えてくる。(写真下) 三角点前からは前方斜め右に見出し写真のように見えた高平山が少し近くなった感じ。それでもこうやって見るとあそこまで歩くと思うと結構遥か遠くに感じる。高平山、この方向から見るのは初なのだが、かなりどっしりした山容でとても無名(有名でない)の地味な山と思えない。自宅から数キロの距離なのに、山好きを20年も自称していて、この山の存在を知ったのは、つい数ヶ月前。この山も栃木100に入っていないみたい。栃木の山もやはり奥深いのだ。


進路前方に今進んでいる方向から突き当たるような稜線が、樹林間に見えてくる。アレは高平山/鳴虫山間の稜線だろうと見当をつける。(写真下)


三角点788.4Pから約25分当たりは、進路右は伐採地、または左右とも広葉樹林帯になっていて、遠くの眺望が開ける。(写真下)北東、今市方面を望む。 この辺の木々の枝の先端が赤くなっているのが目立った。ふと強風がやむ瞬間がある、日差しが出ているのでその瞬間だけ春のような陽気になる。そう暦の上ではもう春がきているのだ。


(写真下) 今越えてきた尾根をふりかえるとこんな感じ。


812p付近からは、高平/鳴虫間の稜線がかなり近づいてくるのが感じ取れる。(写真下) 三角点788.4Pからはいくつかのピークを超えながら進んでいく。その都度、登りと小さな下り。812p先の無名ピークをから尾根分岐があり、それぞれ進む方向も微妙なのでかなり悩む。進路右方向の尾根を選択し、かなり急に下ること数分。このあたり、今日最初から吹き付けていた冷たい強風がマックスになる。帽子や飛ばされたり、体のバランスを崩す心配をするほど。歩行を一時停止も2度ほど強いられた。


高平/鳴虫間の稜線への合流点、ここかなと思うポイントが2箇所ほどあったが明確にはわからず。高平山から鳴虫山に向かう際は気をつけなければなるまい。三角点788.4Pから歩くこと約1時間強で高平/鳴虫間の稜線への合流点に着いたと思われる。稜線合流後の山容は今までの山容とは少しその印象を変える。尾根の周囲が全体的に植林帯のような森で、陰鬱な印象で今まで歩いた開放的な尾根とは対象的。たそがれさんが言っていたのはこの辺の印象なのか。やっとその言葉の意味が理解できた気がした。
(高平山/南西尾根で見つけた石祠)


高平山へ向けて北東に進む尾根道は針葉樹林帯ながらも、時にこんな尾根道も現われる。(写真下) 歩かれている感はごく少ない。時おり、目印はある、踏跡なし。


(マイナーやマニアック山によくある味わい深い倒木。)


進路左、北西にそびえるのは、私のホーム鳴虫山だろう。(写真下)


788.4P から約2時間弱、高平山と思われるピークの直下まで来た。ここの尾根道は小枝のプチヤブ。久しぶりのヤブの登場に、ヤブ歩き人の偏った趣向心はにわかにテンションを上げるが、たいした苦もなく乗り越えられる小枝のやさしいヤブだった。(写真下)


スタートから3時間30分もかけて高平山山頂に到達。予想を上回るおもしろ尾根歩きと高平山初登頂で結構な満足感を味わえる。山頂には山名板は3枚ほど、今回は山部さんの立派な板を掲載させていただく。立体感のある味わいある板でひときわ目をひく。裏を確認すると、”2002年9月21日 愛犬ななと登る。  **市 XXXX” と読み取れる白の記述もあった。この板、もう10年以上もここにあるのか。 ちなみに、私も"なな"です。


(味わい深い山部さん板。あれれ、写真では立体感が表現できてないじゃん。)


この日は、ななころびとしては珍しく迷うこと無くここまで到達できたので、この後は気をよく予定通り高平山/東尾根を下り途中南に折れ、破線を神社マークまで歩いてみよう。歩ければ、ちょうど1週間前、やろうとしてあまりの雪雲に恐れをなして中止したルートの完成だ。
東尾根は植林帯の中、尾根型を忠実に下れる、ヤブ無しルート。(写真下) 山頂からはしばらく目印が目立つくらい有る。


(東尾根、途中にあった石仏)


高平/東尾根から南に折れるポイントは明瞭な地形的な特徴が何も無い。自分はこのポイント少し先にGPSで地点登録をしていたので、この日はこれを見てカンニング。それとちょうどここかなと思いそうなあたりに、進路右に折れるように目印があったので、そこで尾根をブレイク、右(南)に折れる。目印は無責任にもその後、全く見えなくなり、踏跡も有るような、いや無いといったほうがいい。そんな状態の斜面を横にトラバース移動しながら下っていくこと10分ほどで下方に沢状、その先に林道の残骸風が少し見えたので、その方向に行ってみる。(写真下 ふたつ)
(尾根の南側斜面をトラバース、ここは元作業道風の平坦地が続いていた地点)


(下方に林道の残骸らしきが見えた。)


林道風と思った場所に降り立つとなんとそこは林道風の十字路だった。地形図での破線と林道の合流点だろうと理解してそのまま破線とおもわれる方向の道を南東に進んでみた。そのルート、ほぼ平坦、車は通れない崩壊作業道といった様相。最後はその道も次第に荒れてきてごちゃごちゃになった辺りで、数軒の集落の裏にでた。そこで行き先を探し周囲を右往左往するが、遠くに見える車道に出るのが一番だろうと判断し、人家の脇を静かに歩いて、細い車道に合流した。地形図、中野というところだろうと思う。(写真下)集落裏に出た所は鶏鳴山のビューポイントだった。


中野集落は農家が少ないながらも点在するのどかな農村。歩いていても人の姿をみない。ここからは神社への道は簡単にわかった。ポイントとなる分岐に道標が設置されていた為だ。到着した神社は山久保稲荷神社と言うらしい、いくつもの石碑や石像がありかなり立派な神社だった。神社でゆっくり参拝と見学、そこで少しエネルギー補給もさせてもらって、そこから約45分車道を歩いて、東小来川に戻った。 
今日はたっぷり6時間、充実の尾根歩きだった。先週の石尊山の悩み多き尾根から比べると、比較的ルーファンの面ではあっさり歩けた気がした。こんなマイナーな山でも、ここまで楽しめる尾根があるなんて、やっぱり歩いてみないと何もわからないものだな、つくづくそう思った。 ■■
(奥にあった狛犬?さんから)


(神社本殿)


(手前で構えていたのは、こちらの狛犬)


(入り口に佇む、石仏はおもむきがあった。)


(神社から歩いて約45分、東小来川公民館、 ゴール付近だ。公民館の建屋までおもむきがある。)


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なかなか良さそうな尾根ですね (ノラ)
2013-03-09 19:54:58
ななころびさん こんばんは。歩かれてみて満足されたようですね。尾根上はヤシオがかなり生えているように見受けられます。私はヤシオの時期に行こうかと思います。ななころびさんが苔が生えてる降りと行った所が私が雪が付いててアイゼン付けておっかなびっくり降った所です。あそこですっかり,やる気がうせて,三角点で戻ってしまいました。先の状況が分かってありがとうございます。山久保稲荷神社も良さそうで寄ってみたいです。
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ノラさん (ななころび)
2013-03-09 21:10:25
こんばんは。この東小来川からの尾根はノラさんの記事を見なければ考えもつかなかったと思われるコースです。いい経験をさせていただきありがとうございました。
ノラさんの行かれた時は数日前に関東で大雪が降った後で、歩く人もいないこの尾根はさぞ走行困難だったと想像します。ヤシオやつつじの咲く頃のこの尾根、言われてみて想像してしまいました。とても静かで良さそうですね。
山久保稲荷神社は閑村の中に佇む、静かながら立派な神社でした。
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狛狐 (しぼれ)
2013-03-09 22:33:00
ななころびさん こんばんは。
山歩きで+αがあるのはいいですね。2社とも2年ほど前に訪問済みですが稲荷神社の最初のほうはお狐様で表情よし、下の方は古いお犬様タイプで好みのもの、神社付近も展望がいいので再訪予定でした。
あの辺りの尾根は花粉が去ってから合間見て徘徊することにします。
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高平山 (たそがれオヤジ)
2013-03-10 07:22:43
おはようございます。
おもしろいルート取りですね。まぁ、玄人向けでしょうね。
高平山からは南東方向への下りですか。地形図を見ると、やや複雑そうな地形になっていますから、自分には迷いそうな感じがします。
南西から南東に向かい、854m、620m標高点経由であっさりと下れなくもなさそうですね。
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高平山 (みー猫)
2013-03-10 16:00:02
こんにちわ。
ななころびさんの記事、行く度に充実しますね。自分なぞは、早くアップしないと忘れそうなところ、きちっと他の記事との関係やトピックなど時間をかけて書き込みされてるところが違います。ところでこの前半の尾根、柔らかい地面のところ気持ち良さそうです。花狙いで行くのも良さそうですね。お疲れ様でした。
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しぼれさん (ななころび)
2013-03-10 18:40:00
こんばんは。いつも訪問ありがとうございます。しぼれさんのようなベテランのかたに見ていただけていると思うと、更新の励みになります。
あのようなマイナーコースの神社脇の神社も回られていて,凄いです。鳴虫山経由で火戸尻山への周回も本当にやられてしまいそうですね。私なら火戸尻山への周回するとしても、鳴虫山経由は省略すると思います。
山久保の神社は、狛犬、お狐さまも居ていい神社ですね。花粉の時期は避けたほうが賢明だと、今日悟りました。
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たそがれオヤジさん (ななころび)
2013-03-10 18:48:48
こんばんは。
この山行当日、一番ルーファンで頭を使ったのが高平山東尾根を下り南方向に尾根を折れて破線に出合うまででした。
854m、620m標高点経由の尾根もありですね、今まで気づきませんでした。山久保の神社の奥に先に行けそうな尾根があったのですが、そこに出るのでしょうね。神社から歩いてどこかに向かうのもありでしょうか。いづれにしても、マニアック向けですけど、わかる人にはわかる、おもしろ歩きはできそうです。
高平山を自分に意識させていただき、ありがとうございました。
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みー猫さん (ななころび)
2013-03-10 19:14:01
こんばんは。
記事に対してお褒めいただき恥ずかしい限りです。マイナー山を歩いていると似たような所もあり、早くアップしないと本当にコースの詳細は忘れますよね。こういった普通ルートじゃない歩きをしている者にとって、どんな形であれ文章もまじえて記事を残しておくのは、意味のあることだと最近思いだしています。
この尾根、特に前半は開放的でお花の時期をよいかもしれません。相当マニアックで会う人もいないでしょうし。
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