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温暖化のウソと真実

2008-04-13 09:25:04 | BOOKS
千代島 雅 「温暖化のウソと真実」 晃洋書房 2008.02.20. 

1988年6月23日、アメリカ航空宇宙局のジェームズ・ハンセンが上院の公聴会で、地球の温暖化が進行していると発言して、世論は一気に地球温暖化説を受け入れた。 
地球温暖化説と「原発推進派」は密接な関係にある。原子力発電は石炭や石油のような燃料を使用する場合と違って二酸化炭素を排出しないと見なされているから、地球温暖化説が普及すればするほど原発の推進にとって追い風になる。 
従来、環境問題に熱意を示していなかったフランスが、原発を推進する立場から、1989年に地球温暖化問題を主題とする環境サミットをオランダ、ノルウェーと共同で開催した。 
人間が二酸化炭素を大量に排出するようになったのは、18世紀後半の産業革命以降で、大気中に放出された二酸化炭素が地球温暖化の主要原因であるとすれば、地球の気温は産業革命以来ずっと上昇し続けているはずである。 
ところが、20世紀後半に、気候の専門家たちは「氷河時代がやってくる」と騒ぎ始めた。原子力業界の「御用学者」であるスティーヴン・シュナイダーも、現在とは全く反対の寒冷化説を主張していたほどだ。 人間にとって寒い時代より暖かい時代の方が好ましい。6000年前ごろの「最温暖期」は一般に「気候最適期」と呼ばれ、人間にとって最適な時期であり、湿潤で温暖な気候は中東の肥沃な三日月地帯から始まった農業の普及に役立ち、サハラ砂漠は緑に覆われ、日本では縄文文化が花開いていた。 
世界の平均気温はどこの観測地点で、どのようにして観測されるのかを考慮に入れれば、この100年間における気温の上昇は本当に「異常」か、もっと慎重に検討すべきで、気温の異常な上昇が見られるのは主に都市においてであり、地球全体ではない。しかも都市の上昇はヒートアイランド現象だ。 
南極は平均気温マイナス50℃という極端な寒冷地で、わずか3℃くらいの温暖化が生じても、氷が大量に溶け出すことはありえず、もし地球の平均気温が数度上昇すれば、海面から大気中への水の蒸発が増え、南極大陸における降雪量も増え、南極の氷はますます厚くなる。 
太平洋上に浮かぶ海抜2~3mの小国家ツバルやキリバスが、ここ4、5年で海面が数cm上昇しているが、オーストラリアの調査団は、「海岸線の変動は、海面の昇降とは無関係」であり、「原因は島内の人間活動だと思われる」と結論を出したという。 
我々は「二酸化炭素=温暖化=脅威」という素朴な図式そのものを疑うべきである。 
人間が排出する二酸化炭素によって地球の気温が上昇し大きな災害が発生するという主張には科学的根拠がなく、主張の正当性を検証する方法もない。それどころか、温暖化は人間にとって、かえって好ましいのではないかという見方さえ可能だ。 
我々は温暖化についての研究のあり方そのものを根本的に問い直すべきである。


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