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竹林の愚人  WAREHOUSE

Doblogで綴っていたものを納めています。

水与えず収穫急ぐ

2005-09-27 20:34:40 | NEWS
市原朋大 「水与えず収穫急ぐ」 日本経済新聞 2005.09.27.

徹底した”成果主義”をとる楽天の球団運営として監督解任は当然の策。
「1年でやることを1ヶ月でやりとげる」楽天本社が掲げる「成功のコンセプト」のもとに球団経営も進む。だが肝心の戦力がないままでは負けて監督交代を繰り返す悪循環にはまる。
一人の監督が腰を据えて吟味した陣容には方向性がある。野村克也氏はヤクルト時代「1年目に種をまき、2年目に水をやり、3年目で花を咲かせる」と云った。1年目の楽天は何か実のなる種をまいたのか?疑問符は消えない。
ビジネスの世界では結果が全て。成果の出せない指導者を何時までも放置することは犯罪に等しい。なぜなら事業が立ち行かず、社員とその家族を路頭に迷わすことになるから、今回の監督解任は経営者としては当然の処置といえよう。
「部下の能力が低い」のは当初から織り込み済み。そこをどう動かすかが指導者の腕の見せ所だったはず。たしか、スポーツも結果が全てだったと思うのだが?

被害「第二幕」強まる不安

2005-08-02 21:45:32 | NEWS
堅田哲・福田芳久・青木慎一「アスベスト禍-不作為のとがめ下」日本経済新聞 2005.08.02.

1995年1月、今後の石綿被害災害を占う不幸が日本を襲った。阪神大震災だ。
建物の倒壊や撤去・解体作業で、建材に使われていた大量の石綿がまき散らされた。「神戸市周辺で石綿による健康被害はこれから数十人単位で出るかもしれない」と、国立環境研究所の寺園淳主任研究員は心配する。
「石綿の発がん危険性はたばこに比べ、はるかに低い」(矢野栄二・帝京大学医学部教授)ともいわれるが、中皮腫は早期発見や治療がむずかしい。発症まで年数がかかるため、影響はまだ判断できない。だが、分かってからでは遅い。
建物解体に伴う石綿問題の第2幕が待ち受ける。

40年間石綿むき出し

2005-07-27 21:05:49 | NEWS
JR新大阪駅 40年間石綿むき出し 朝日新聞 2005.07.27.

JR新大阪駅の天井の鉄骨梁に毒性の強いアスベストの青石綿が使われ、同駅が開業した64年以降、約40年間むき出しになっていたことがわかった。JR西日本は今年2月以降、天井をシートで覆う措置をとっていたが、早急に除去などの対策を講じるという。
同社は92年から毎年、大気中の石綿濃度を測定しているが、1リットルあたり最大でも2本で、大気汚染防止法に基づく排出基準値を下回っているという。
一方、同じ3階の改札内の新幹線コンコースでも梁に青石綿が使われているが、管理するJR東海は「天井板で覆っており、問題はない」としている。

東海さんの言うとおり「問題ない」なら西日本も補償で大変でしょうから天井板で覆ってみては。
震災後、建物を取り壊す粉塵で目が充血し、鼻が真っ黒くなった記憶があります。相当な量のアスベストが拡散していたでしょうね。

日本の視野から消えたアジア

2005-07-25 21:41:39 | NEWS
ジョン・ダワー(マサチューセッツ工科大学教授) 「日本の視野から消えたアジア」朝日新聞 2005.07.25.

日本占領がなぜあれほど平和的だったか。
日本占額で抑圧的な軍国主義国家が、民主主義に生まれ変わった。日本人は長い戦争に疲れ果て、敗戦は死からの解放だった。どの国も日本と戦争を戦った米国が日本を占領することに疑義を唱えず、多くの日本人も占領を正当と認めた。戦争をしかけたのが日本だったから。 
2番目に、占領初期から冷戦が始まったことに対処するために、米国が日本の戦争責任を徹底的に追及せず、日本は中国から切り離され、歴史問題がうやむやになった。結局、日本はアジアを侵略した過去と向き合うチャンスを逃してしまった。 
最後に、占領が日米安保体制を通じて、米国に対する依存関係として今も続いている。イラク戦争で明らかなように米国の政策がいつも賢いわけではない。日本がそういう戦争を支持し、米政府に協力しているのは、歴史の皮肉かもしれない。

A級戦犯には「結果責任」

2005-07-13 21:20:24 | NEWS
後藤田正晴 A級戦犯には「結果責任」 朝日新聞 2005.07.13. (聞き手 論説副主幹・宮田謙一) 

46年4月に復員したとき、『一億総懺悔』という言葉を聞き、どういうことなのかと強い疑問を持った。一般の国民は国の方針に従って命令されて戦に赴き、あるいは銃後を守った。国全体が戦争に負けた無念さを共有するというのはわかるが、全国民が責任を負うというのは納得できなかった。 
A級戦犯といわれる人たちが戦争に勝ちたいと真剣に努力したことを、だれも疑っていない。しかし、天皇陛下に対する輔弼(ほひつ)の責任を果たすことができなかった。国民の多くが命を落とし、傷つき、そして敗戦という塗炭の苦しみをなめることになった。そのことに、結果責任を負ってもらわないといけない。 
東京裁判にはいろいろ批判もあるし、不満もあった。ただ、裁判の結果を受け入れた以上、それにいまさら異議を唱えるようなことをしたら、国際社会で信用されるわけがない。条約を守り、誠実に履行することは、国際社会で生きていくために最低限守らなければいけないことだ。 
合祀されているA級戦犯のご遺族が、それぞれの家庭に引き取って静かに慰霊なさることもだめだというなら、新施設をつくるのはやむを得ないかもしれない。  
サンフランシスコ講和条約は戦後日本が国際社会に復帰し、新しい日本を築く出発点だ。それを否定して一体、どこへ行くんですか。 

明治の庶民に志を学ぶ

2005-06-28 21:29:28 | NEWS
大林尚編集委員 長岡 實(元東証理事長)へのインタビュー「明治の庶民に志を学ぶ」 日本経済新聞 2005.06.27.  

大蔵省に入った戦後間もないころ、どの先輩も食うや食わずで新しい日本をつくろうという気概に満ちていました。明治維新の志士に通じるものがあった。
恥ずかしいことをしてはいけない。潔くあらねばならない。明治の人びとは現代人が忘れかけている信念を抱いていました。たとえば列強の属国になるのは恥ずべきことだという考えです。この信念は実ははとんどの国民が同じ思いだった。
昭和35年の国民所得倍増計画は立派な政策だし国民に受けた。衣食足りて礼節を知るといけばよかったのですが、物質的な豊かさを求めるあまり、心の問題が置き去りにされなかったか。月並みですが、この世に生まれた以上、やりがいのある仕事を求め努力を傾注すれば、結果として経済的に恵まれなくてもいいじゃないか。


国を憂うエリート官僚がその後輩たちの気概なさを語ったものとお見受けした。それにしても、我が子を芸能界にデビューさせたいなどという親が増えたのは何時ごろからだろうか。恥を重んじるこの国において、と蔑まれる境涯に我が子を落とすなど言語道断。世間様に顔を向けられない筈だったのに。職業差別がなくなったということか、それとも収入が全てと成り果ててしまったのか。

MOTTAINAI

2005-06-19 20:35:48 | NEWS
全米で食料の4~5割がゴミに、損失1千億ドル  朝日新聞  2005年 5月15日 (日)

アメリカで出回る食料のうち収穫から流通、食卓を通じて40~50%が無駄に捨てられ、経済損失は約1,000億ドル(10兆7,000億円)に及ぶ。アリゾナ大学応用人類学研究所のティモシー・ジョーンズ博士がこんな推計結果を公表した。
農水省が1月に発表した04年食品ロス統計調査によると、国内の食堂とレストランで食事の3.3%が食べ残しになっている。家庭を含めた国内全体では約11兆円分の食べ残しがあるとの政府試算もある。

この記事を見落としていましたが、ASAHI パソコン 5005.07.01.でのコラムで見ることができました。
小田嶋 隆の価格ボム!本日のお値段 1000億ドル
アメリカで無駄に捨てられる食料の経済損失推定額

ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさん(ケニア副環境相)ではありませんが、思わず「もったいない」と叫びたくもなりますね。

クールヒズ定着するか

2005-06-10 21:07:50 | NEWS
ドン 小西 「クールヒズ定着するか」 朝日新聞 2005.06.10. 

現在のスーツ、ネクタイが万国共通のビジネスウエアに定着するには、200年にもわたって、試行錯誤してきた歴史がある。それに代わる夏服を、わずか数ヶ月の準備期間で作ろうなんて、本来は厚かましいことだ。 
スーツは、現代のビジネスマンにとってのユニホームでもある。スーツとネクタイに頼って仕事をしていた人は、それを脱ぐことで、下手をすれば、個性も自信もない、素のオヤジに戻ってしまう覚悟をしなければならない。 
アロハで済むハワイが羨ましいですね。

分割民営成る

2005-05-21 00:03:32 | NEWS
加 藤 寛(千葉商科大学長) 私の履歴書⑲ 分割民営成る 2005.05.20. 

第2臨調で国鉄分割・民営化に取り組んだ委員会で国鉄首脳陣を呼んだ席で、生え抜きの幹部が高木文雄総裁の発言に横から口出しをしたり、総裁の椅子を靴でつつく。このような失礼なる振る舞いを見るにつけ、国鉄の空気を実感した。  
先月末、JR西日本がひどい事故を起こした。事故後の報道で、運転ミスをした運転士に日勤教育という名の懲罰的な研修をJR西が課していたことを知った。国鉄時代の「いじめ体質」が組織に残っている、と暗澹とする。事故を知りつつ宴会を開いた社員の責任感・意識のありようなど国鉄時代の「親方日の丸」から変わっていない。 
「安全より利益追求を優先するようになった。事故の遠因は民営化にある」と論じる人がいる。競合する阪急や阪神が同じように利益のため安全を犠牲にしていると言うのか。
JR西の問題点は職場に一体感がない国鉄末期の弊が消えぬ企業風土にある。民営化に携わった一人として、JR西の企業風土の抜本改革を願うこと切である。企業を守るため、原因を運転手、置き石等々と早々とマスコミにリークする。一方、事故が起きるたび必死に復旧に勤める保安の方々、企業体質と企業文化の両方をまざまざと見せつけられた。