アニメ版「BLACK LAGOON」の第三期となる最新作「Roberta's Blood Trail」の最終巻が、ついに完成。
これを記念して、新宿シネマートで行われた全話上映&キャストによるトークイベントに行ってまいりました!
イベントの流れとしては、まず先に発売済みのOVA4話が一挙に上映され、その後にレヴィ役の豊口めぐみさんと
ロック役の浪川大輔さんによる1時間ほどのトーク、そして発売前の最終話が上映されるという順番で進行しました。
トークイベントの様子についてはニコニコ動画でも中継されましたが、浪川さんが豊口さんとMCの吉田尚記さんに
イジられまくったあげくボロボロになっていく姿が実に愛らしく、「ああ、浪川さんはやっぱりこうでなくっちゃ!」と、
私に新たな感動を与えてくれました(^^;。
浪川さんも今年で35歳ということをトークで強調していましたが、平田広明さんのようなダンディズムを目指すことなく、
これからも不思議キャラとしてみんなに愛されて欲しいな~、と強く思いましたね。
あの強烈な個性は、失うにはもったいなさすぎますから(笑)。
豊口さんは地のかわいらしい声と、たまに出すレヴィの太い声の落差がすごかったなぁ。
攻殻3Dのトークイベントでの田中敦子さんと大塚明夫さんもそうだったけど、役者さんの
スイッチの切り換えというのは、本当にスゴイものだと思います。
ちなみに豊口さん、ロベルタ役の富沢美智恵さんとの掛け合いでは役になりきって怒鳴りあっていたので、
終わった後にどんな芝居をしていたか記憶が飛んじゃってた、とも話してました。
そんな豊口さんですが、オーディションで今のレヴィの声を出した後にまず思ったのが
「長いこと出すのが大変な声を作っちゃったな~」だったとか。
まああれだけ力の入った声を出すんですから、そりゃ大変にもなりますよねー。
また製作中のエピソードとして、豊口さんは第一期の最初の頃、作品のハードさから精神的に追い込まれた事で
胃をやられてしまい、どんどんやつれてしまった・・・という裏話もありました。
収録中に飲もうとした胃薬の錠剤を落としたときも、拾うのがとても大変そうだったのを見かねた浪川さんが、
代わりに拾ってあげたこともあったとか。
そんな豊口さんも今ではすっかりレヴィに馴染んだようで、第三期ではあまり人を撃たなくなったレヴィに対し、
心の中では「早く撃っちゃいなよ!」とつぶやいていたそうです(^^;。
そしていよいよトーク後に上映された「Roberta's Blood Trail」最終話、これは正真正銘の傑作でした。
青い闇の中で繰り広げられるロベルタの殺戮シーンは、凄惨でありながらも幻想的な美しさで、文字どおり
“この世のものとは思えない”光景です。
大画面に広がるケシ畑を通ってジャングルの奥へと徐々に進んでいく場面は、見ている私たちもロベルタの
心の奥へと導かれているような気持ちになりました。
もしかすると、あれはロベルタの内面に広がる闇そのものであって、画面いっぱいに広がっていたケシの花畑も、
実は蝕まれたロベルタの心を象徴するシンボルだったのかもしれません・・・。
今回のイベントで全話を続けて見たときに感じたのは、このOVAのテーマが「個人による復讐」に留まらず、
それぞれの登場人物の背後にある様々な“戦争”(ベトナム、アフガン、そして麻薬戦争など)が落とす影を
映し出すことにあったのではないか、ということ。
結果として「Roberta's Blood Trail」は、それらの戦争に翻弄されてきた人々の運命が交錯する物語として、
実に重厚な作品に仕上がったと思います。
(メインテーマが“戦争”であることは、エンディングで南北戦争当時に歌われた曲である
「When Johnny Comes Marching Home」が使用されていることにも表れています。)
原作とOVAでは、同じ場面でも表現がかなり違っていたりしますが、これは互いのメディアにおける
表現方法の違いによるところが大きいのでしょう。
コマ割りとセリフ表記で見せるマンガに対し、一連の動きとカメラワークで引っ張るアニメで同じような
描き方をすると、どうしても無理や矛盾が生じてしまいます。
そこをきちんと計算した上で、アニメとして必要な画面構成や演出を積み重ねることにより、マンガとは違う
「BLACK LAGOON」ができあがるのは必然だし、逆に原作のマンガを深く理解していなければできない仕事です。
あたりまえの話ですが、マンガの場面を忠実になぞっただけでは「優れたアニメ」は作れないのですね。
このイベントの後にマンガとOVAを比較しましたが、それぞれのメディアにおける効果的な「見せ方」に
大きな違いがあることを、改めて確認することができました。
特に空間設計については、2D的な表現の迫力を重視するマンガと、広がりと奥行きを見せるアニメという
方向性の違いが、驚くほどはっきりわかります。
これからこの種の業界に進もうという人には、「マンガとアニメにおける演出の違い」の生きた実例として、
ぜひ両者を見比べていただきたいと思います。
また、OVAでは原作マンガを超えるハードな描写があったり、ロックの隠された動機が異なっていたり、
終盤の展開で大きく変更された部分がありますが、全編を通して見たときの“納得度”に関して言えば、
私にはOVAのほうがより筋が通っていると感じました。
そして、たぶん原作のファンから賛否両論が出るだろうと思われる、OVAでの結末について。
私が原作を読んだ当時、このエピソードについて感じたのは
「ロベルタの本性はやはり猟犬で、これはガルシアが“新たな主人”としてロベルタに認められる話なのだ」
というものでしたが、OVA版はある意味で、そんな「枠組み」さえも超えるような結末になっています。
発売前なので詳しくは書けませんが、私にとっては「ああ、これでいいんだ」と、十分納得できる終わり方でした。
なお、この結末にあわせるため、ガルシアとファビオラの会話シーンに若干のセリフが追加されています。
このセリフを覚えていると、ラストシーンがより胸に迫るものになるはず。お聞きのがしのないように。
OVA「BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail」最終巻の発売日は6月22日の予定です。
衝撃の結末を、ぜひ自らの目で確かめてください。
これを記念して、新宿シネマートで行われた全話上映&キャストによるトークイベントに行ってまいりました!
イベントの流れとしては、まず先に発売済みのOVA4話が一挙に上映され、その後にレヴィ役の豊口めぐみさんと
ロック役の浪川大輔さんによる1時間ほどのトーク、そして発売前の最終話が上映されるという順番で進行しました。
トークイベントの様子についてはニコニコ動画でも中継されましたが、浪川さんが豊口さんとMCの吉田尚記さんに
イジられまくったあげくボロボロになっていく姿が実に愛らしく、「ああ、浪川さんはやっぱりこうでなくっちゃ!」と、
私に新たな感動を与えてくれました(^^;。
浪川さんも今年で35歳ということをトークで強調していましたが、平田広明さんのようなダンディズムを目指すことなく、
これからも不思議キャラとしてみんなに愛されて欲しいな~、と強く思いましたね。
あの強烈な個性は、失うにはもったいなさすぎますから(笑)。
豊口さんは地のかわいらしい声と、たまに出すレヴィの太い声の落差がすごかったなぁ。
攻殻3Dのトークイベントでの田中敦子さんと大塚明夫さんもそうだったけど、役者さんの
スイッチの切り換えというのは、本当にスゴイものだと思います。
ちなみに豊口さん、ロベルタ役の富沢美智恵さんとの掛け合いでは役になりきって怒鳴りあっていたので、
終わった後にどんな芝居をしていたか記憶が飛んじゃってた、とも話してました。
そんな豊口さんですが、オーディションで今のレヴィの声を出した後にまず思ったのが
「長いこと出すのが大変な声を作っちゃったな~」だったとか。
まああれだけ力の入った声を出すんですから、そりゃ大変にもなりますよねー。
また製作中のエピソードとして、豊口さんは第一期の最初の頃、作品のハードさから精神的に追い込まれた事で
胃をやられてしまい、どんどんやつれてしまった・・・という裏話もありました。
収録中に飲もうとした胃薬の錠剤を落としたときも、拾うのがとても大変そうだったのを見かねた浪川さんが、
代わりに拾ってあげたこともあったとか。
そんな豊口さんも今ではすっかりレヴィに馴染んだようで、第三期ではあまり人を撃たなくなったレヴィに対し、
心の中では「早く撃っちゃいなよ!」とつぶやいていたそうです(^^;。
そしていよいよトーク後に上映された「Roberta's Blood Trail」最終話、これは正真正銘の傑作でした。
青い闇の中で繰り広げられるロベルタの殺戮シーンは、凄惨でありながらも幻想的な美しさで、文字どおり
“この世のものとは思えない”光景です。
大画面に広がるケシ畑を通ってジャングルの奥へと徐々に進んでいく場面は、見ている私たちもロベルタの
心の奥へと導かれているような気持ちになりました。
もしかすると、あれはロベルタの内面に広がる闇そのものであって、画面いっぱいに広がっていたケシの花畑も、
実は蝕まれたロベルタの心を象徴するシンボルだったのかもしれません・・・。
今回のイベントで全話を続けて見たときに感じたのは、このOVAのテーマが「個人による復讐」に留まらず、
それぞれの登場人物の背後にある様々な“戦争”(ベトナム、アフガン、そして麻薬戦争など)が落とす影を
映し出すことにあったのではないか、ということ。
結果として「Roberta's Blood Trail」は、それらの戦争に翻弄されてきた人々の運命が交錯する物語として、
実に重厚な作品に仕上がったと思います。
(メインテーマが“戦争”であることは、エンディングで南北戦争当時に歌われた曲である
「When Johnny Comes Marching Home」が使用されていることにも表れています。)
原作とOVAでは、同じ場面でも表現がかなり違っていたりしますが、これは互いのメディアにおける
表現方法の違いによるところが大きいのでしょう。
コマ割りとセリフ表記で見せるマンガに対し、一連の動きとカメラワークで引っ張るアニメで同じような
描き方をすると、どうしても無理や矛盾が生じてしまいます。
そこをきちんと計算した上で、アニメとして必要な画面構成や演出を積み重ねることにより、マンガとは違う
「BLACK LAGOON」ができあがるのは必然だし、逆に原作のマンガを深く理解していなければできない仕事です。
あたりまえの話ですが、マンガの場面を忠実になぞっただけでは「優れたアニメ」は作れないのですね。
このイベントの後にマンガとOVAを比較しましたが、それぞれのメディアにおける効果的な「見せ方」に
大きな違いがあることを、改めて確認することができました。
特に空間設計については、2D的な表現の迫力を重視するマンガと、広がりと奥行きを見せるアニメという
方向性の違いが、驚くほどはっきりわかります。
これからこの種の業界に進もうという人には、「マンガとアニメにおける演出の違い」の生きた実例として、
ぜひ両者を見比べていただきたいと思います。
また、OVAでは原作マンガを超えるハードな描写があったり、ロックの隠された動機が異なっていたり、
終盤の展開で大きく変更された部分がありますが、全編を通して見たときの“納得度”に関して言えば、
私にはOVAのほうがより筋が通っていると感じました。
そして、たぶん原作のファンから賛否両論が出るだろうと思われる、OVAでの結末について。
私が原作を読んだ当時、このエピソードについて感じたのは
「ロベルタの本性はやはり猟犬で、これはガルシアが“新たな主人”としてロベルタに認められる話なのだ」
というものでしたが、OVA版はある意味で、そんな「枠組み」さえも超えるような結末になっています。
発売前なので詳しくは書けませんが、私にとっては「ああ、これでいいんだ」と、十分納得できる終わり方でした。
なお、この結末にあわせるため、ガルシアとファビオラの会話シーンに若干のセリフが追加されています。
このセリフを覚えていると、ラストシーンがより胸に迫るものになるはず。お聞きのがしのないように。
OVA「BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail」最終巻の発売日は6月22日の予定です。
衝撃の結末を、ぜひ自らの目で確かめてください。
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