Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

テアトルタイムズスクエア閉館特別上映『2001年宇宙の旅』

2009年09月09日 | 映画
8月30日、新宿からひとつの映画館が姿を消しました。

新宿タカシマヤ内にあった「テアトルタイムズスクエア」です。
建物使用の契約満了を理由に、2002年4月から7年間の営業に幕を下ろすことに。

そしてこれに伴うお別れイベントとして、ファンのアンケート結果上位作品と
劇場からの推薦作による、閉館特別上映が行われました。


上映作品は以下の14作品。
中でも『カリ城』と『時かけ』は、前売りが早々に完売となってました。


そして私が見た作品は、アンケートで見事1位に輝いた『2001年宇宙の旅』。
DVDは持ってますが、映画館で見たのはこれがはじめてでした。


いやー、さすがに大スクリーンで見るとひときわいいですなー。

有名な「太陽・地球・月」の直列シーンと、そこにドーンとかぶさってくる
「ツァラトゥストラはかく語りき」の荘厳さは、やはり劇場で見るべきもの。
フィルムにイタミがある部分もありましたが、映像的には今見ても遜色がないし
SFXに3DCGを使っていないところも、今となっては新鮮に見えました。

細部の造りこみの省略感や生活感の薄さなど、CGが無い時代ゆえの数々の工夫が
逆にこの作品ならではの「不可思議な未来像」を成立させたと言えるでしょう。
現実の2001年はこの映画よりも猥雑で、まだまだ人間臭い世界のままですからね。

今では古典的SFXの見本となってしまった木星でのスターゲート突入シーンも、
予想以上に楽しく見られました。

やはり大画面で見るとスケールが段違いだし、なにより目が疲れなくてよかった(笑)。

ちなみに冒頭でフロイド博士が娘とテレビ電話で話すシーンですが、よく考えると
初代『トップをねらえ!』の冒頭シーンと実によく似ています。
(そういえばユングのファミリーネームの「フロイト」(英語読みだとフロイド)も
むしろこちらにひっかけているような気もします。)
そしてスターゲートのシーンは、この作品の前に上映していた『時かけ』の中でも
真琴が初めてタイムリープする場面として引用されています。
こう見ると、日本では特撮作品よりもむしろアニメのほうに『2001年宇宙の旅』の
DNAが色濃く引き継がれているのかもしれません。

初の劇場版『2001年』を堪能して帰ろうとすると、周りにいた10代、20代の
観客の話し声が耳に入りました。
みんなそれぞれに、ラスト数分の謎めいたシーンを解釈しようと話し合ったり
気づいた点を指摘しあったりしています。
これを聞いていて、名作の条件は世代を超えて観客を刺激することなんだなぁと
改めて実感しました。
そういえば、昔は自分も全く同じ事をやってたよなー(遠い目)。

今はDVDで名作映画を自宅で手軽に見られるけど、やはり劇場で見るのとは
体験のレベルがワンランク違うし、劇場での興奮を仲間と一緒に共有することで
作品へ理解や思い入れが一層深まる気がします。
今回のような閉館イベント以外にも、往年の名画の数々をコンスタントに
(しかも、できれば最新鋭設備のある劇場で)上映してもらいたいですね。

そうやって下の世代に名作の良さを伝えていくことが、やがては映画の復権へと
つながっていくんじゃないか・・・とも思ったりして。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あらら^^; (shamon)
2009-09-12 14:26:21
そっかー、契約終了しちゃったんですね。
今後はどうなるのでしょうか。

>アニメのほうに『2001年宇宙の旅』の
>DNA
映画版「攻殻」も髣髴とさせるシーンがありましたね。

映画はやっぱり映画館がいいです。
大画面+音響を想定して作られているからやっぱり映画館で観ないと。
。昨年「攻殻2.0」を劇場で見て実感しましたよ。新作3D以前に作画の凄さがよくわかりました。


犬監督といえば娘婿さんが脚本デビューされましたが、そのブログでこんな記事がありました(笑)。
http://blog.shueisha.net/otsuichi/index.php?date=2009-08-19
攻殻は間違いなく直系です (青の零号)
2009-09-12 14:54:02
shamonさん、どうもですー。
ホント、あそこは今後どうなるんですかねー。
設備はあるので、別の映画館チェーンが入ってくれれば
まだ救われる気もしますけど。

>映画版「攻殻」も髣髴とさせるシーンがありましたね。
画もそうですが、なんといっても「進化」と人工知能」が
物語の核になってるという共通項がありますから。
その点でいえば、攻殻はまさに『2001年宇宙の旅』の
直系の子孫ということになると思います。

>映画はやっぱり映画館がいいです。
やはりそうですよね。
時間と料金の問題がありますが、どうしてもという作品は
できるだけ映画館に足を運ぼうと思ってます。

>犬監督といえば娘婿さんが脚本デビューされましたが、
>そのブログでこんな記事がありました(笑)。
情報ありがとうございます。
乙一さんも今回の件で「このヨメをもらってよかった」と
改めて感じていることでしょう(笑)。

グレンラガンといえば、とかく「熱血」と「作画」で語られがちですが

乙一さんの場合、まず最初に
「おどろきのストーリーテリングですよ。」
と紹介するところがうれしいですね。
さすがは作家、目のつけどころが違うなぁと。
設備勿体無いですよねー (shamon)
2009-09-14 18:30:35
こんちはー。

>まだ救われる気もしますけど。
エコの時代、是非どこか業者が入って欲しい・・場所もいいし。

>乙一さんも今回の件で「このヨメをもらってよかった」と
そうそう^^。
ブログを読むと楽しく微笑ましいご夫婦ですよね。ちらちらと某監督ネタがありますし。
馴れ初めは存じませんが
数年前乙一さんが自主制作した映画の主演が当時恋人だった奥様です。
婚約時代は「人狼」ゲームに不気味がられたとか。
http://maji.tokushori.net/otsuichi/special/special01.html
その後無事ご結婚、
話を聞いたときは奥様の親が親だけにぶっとびました(^^;。

このご結婚でほくそえんだのはIGの社長でしょうなー。
「守り人」の上橋氏に続いて人気作家を事実上取り込んだようなものですから。

>さすがは作家、目のつけどころが違うなぁと。
そうなんですかー。ロボットアニメは苦手なんですが1話だけでも観てみようかな。
あ、でもその前に「トップ」か^^;。
ぜひ見てやってください (青の零号)
2009-09-19 22:04:13
shamonさん、こんちはー。

>話を聞いたときは奥様の親が親だけにぶっとびました(^^;。
なれそめだけで十分ネタになりそうですよね。
それだけに父上の影がちらつく時もあるでしょうけど、才能ある作家さんですし
雑音は気にしないで好きなようにやってもらいたいもの。
そして今後も微笑ましい夫婦漫才(?)を見せて欲しいですね。

>そうなんですかー。ロボットアニメは苦手なんですが1話だけでも観てみようかな。
一話から見るのもいいですが、熱血ロボットネタはちょっと・・・という場合は、まず
16話のダイジェスト「総集片」から見るという変則パターンもオススメです。
そのままシリアスな後期シリーズに突入するもよし、前半のあらすじがおもしろそうなら
頭から見ればいいわけですから。

>あ、でもその前に「トップ」か^^;。
くどいようですが、初代『トップをねらえ!』は本気でオススメです。
ベタな1話は我慢してとにかく2話か3話まで見てもらえれば、この作品が本気で
「時代を超える名作」だとわかってもらえると思いますよ。
ひとつダマされたと思って、ぜひ見てやってください。

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