いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

ファン・ジニ 第十六話 

2013年12月24日 | ファン・ジニ
「考えるな、感じろ」

わたしブルース・リー大好きなんですよ。
なぜかこのドラマ見ていて、彼の言葉を思い出してしまいました。

恋愛ものでもなんでも、けっこう考えちゃって唸りながら見てたりするんですが、
ファン・ジニに関しては、もう感じるままでいいんじゃないかと思えてきた。
自分の感じた気持ちを分析したり、なぜそう感じたんだろう?なんて
考え込んでもあまり意味がないよーな。

だって登場人物がみんな感情のままに動いている気がするんだもん。
ちょ、さっきまであんた……といいたい展開多発。
恋する気持ちは理屈じゃないから、
見ている方も一緒になって感情の海にたゆたうのが、
気持ちよいドラマの楽しみ方かもしれないですね。


《あらすじ》

ムミョンは口づけを拒み、ジニの心は揺れる。
ジョンハンはジニへの愛を隠さないが、彼女はその愛を受け入れられない。
キーセンは女である前に芸人。
芸さえあれば、生きていける……。
ジニは懸命に鶴の舞を習得すべく、修練を積む。

忙しいさなか、どうしてもと頼まれて、オムスと共にコムンゴを弾きにでた宴。
宴席の客は、かつて母ヒョングムと愛を交わした両班だった。
目の前のキーセンが娘とは知らず、
ヒョングムとの愛をまるで災難だったかのように語る男に、
酒を浴びせてジニは立ち去った。

オムスの計らいで、父と母子の対面がかなうことになり、ジニは複雑な心境だ。
しかし、母の気持ちを考えよ、というオムスの忠告に従い、従順な娘を演じる。
父である男もまた、オムスの進言を受け、ヒョングムに思いやりを示す。
母は男の真心を信じ、幸福な女の顔を見せた。
オムスの愛は、穏やかな調べのように寄り添う愛なのだった。

プヨンはまたも計略を巡らせて、王の御前で宴を開くようピョクゲスを動かす。
鶴の舞と鳴鼓舞を演ずるよう命令を受けたペンムは、
すべてはプヨンの野心の結果と知りながら、面白そうな表情だ。

ピョクゲスとの約束で、ジョンハンを得ようと夜半に訪ねてくるプヨン。
今は違っても、きっといつか心をいただける日がくるでしょう、と、
ジョンハンの側にいたいと願うプヨンに、ジョンハンも一瞬まどう。
しかし彼の信念は固く、プヨンはひとり残された。
様子をきいていたムミョンは、ジョンハンに告げる。
ジニもまた、愛していないものを抱けるような人間ではない、と。
ふたりが共にいられる道が、きっとあるはず。

ジョンハンが都に帰る日がやってきた。
平静を装うジニだったが、とうとう耐えられず、彼のあとを追う。
しかしむなしくあきらめて、思い出の場所を訪れてひとり彼を思う。
と、そこへジョンハンが現れた。
ジニへの愛を置いてゆこうと戻ってきたのだ。
一生に一度の恋。
同じ想いを持ったふたりは、とうとう一夜を共にする。

夜が明けて、静かに出て行くジョンハン。
ジニが目をあけると、そこには彼の笛が残されていた。
愛する男を想い、ジニは詩をよむ。
この美しい思い出があれば、
もういつでも、彼に会うことができる。夢の中で。

(つづく)


前回は、ジニに振り回される男たちは気の毒だな~と、
実はジニのことをちょっとハスに構えて見ていたのです。
が、冒頭のやりとりで、一気にジニの心に寄り添いたくなってしまった。

すべてを捨てる覚悟でお前を愛していると言っているのに、
それで何が不服なんじゃ~と言うジョンハンに、
自分ばっかり上から目線でものを言いやがって、
すべてを失うのは私も同じなんじゃ!と言い返すジニ。
いえ、こんな口調でものをいったりしていませんが、
こういうことよね?

わたしも、ジョンハンがあそこまで言ってくれて
真心を示せば道が開けるかも知れないって言ってるし、
信じて待ってればいいじゃないの、贅沢ね、と思ってました。
いや~上から目線だったなぁ、わたしも。
女は受け取る側、待つ側だ、という概念が染みついているんですかねぇ。
頭が固いし古いな。

ジニの言葉をきいて、なんかハッとしちゃいました。
そしてこれまでのジニのかたくなな態度にも共感できました。
芸を捨てては生きられぬジニも、ジョンハンを愛せばすべてを捨てなくてはならないのです。
愛する男がいれば、それだけでいーじゃん、と言ってしまうには、
ジニの才能はあまりにもすごくて、
彼女の芸への情熱はあまりにも熱いのでした。
幼少の頃のあの熱さを忘れてたわ。

オムスの愛の形を見たことも、大きいのかな。
ああいう愛もある、と知ったジニは、
ジョンハンのために自分の恋心を封印しようと思うのね。

そ、そんなら追いかけちゃダメじゃん!

と実は思ったのだが、仕方がないか……。
あふれる想いは止められないもんね。

結果としてジョンハンと一度だけ結ばれ、
あとはその思い出を胸に生きていこうとするジニなんだから、
あそこで思わず追いかけたことも結果的によかったのね。

あとは年月と共に、ムミョンを側に置きながら
心をいやしていけばいいわ。

で終わるわきゃないんだけどな!

なんかゲス兄さんが悪いこと企んでいそうだし、
酷い目にあわなきゃいいんだけど。

ムミョンはポーカーフェイスくんだったのでわかりづらかったですが、
やはりジニのことを心から愛していたもよう。
そして男としてのプライドと度量で、彼女の真の幸福を願います。
ああ、いい男ですね。
「自分を傷つけるために、俺を利用するな」
そーだそーだ。
わたしもジニのそういうとこが嫌いだったんだ。
自分を愛してくれる人に甘えっぱなしだったもの。
それはやっぱり、恋する人特有の残酷さですよ。

わざわざ「俺とは何でもない。寝てない」っていう意味の話を
ジョンハンにしてあげるくらい紳士なムミョン。
ジニが好きだから、嘘の心はほしくないのよね。
オムスといいムミョンといい、希有な男ですよ。
けして見返りを求めず、惜しみなく愛を与える男。
こういう男に愛されるのはしあわせなことなんだけどねー。
女は気付かないんだなぁ。

ヒョングムも、実はオムスを愛しているだろうと思ってたのに、ぜんぜん違った。
この人、自覚無い分ひどいよね。
オムスが、嫉妬まじりで相手の男をひどく言っているのかと思ってたけど、
実際あいては不実な男だったのでがっかりした。
嘘でも「近々会いに来る」と言ってくれたのは、罪悪感からだろうけど、
しょーもない奴だよ。
もう二度と松都には来ないくせにな。
ヒョングムの目が、哀しさのあまりつぶれたというのは、
なんじゃそりゃ?と思ってたけど、
「毒でも与えましたか」というジニの台詞でハッとした。
子どもを堕ろさないと言い張るヒョングムに、一服盛ったかもしれんね。
そのせいで目が見えなくなったと仮定すれば、筋は通るし。
不実な男を待ち続けて25年。
そんな女を愛し続けて25年。
どっちもバカだよ。
女の幻想を守って自分を殺し続けるオムスはバカの二乗だよ。
それでしあわせだなんて、ほんとにバカだよ……ぐすん。

ペンムは過去に長官といろいろあったけど、愛を捨てて芸をとった女。
葛藤はあったと思うけど、きっぱりしてるわ。
そこがヒョングムとは違うし、
ジニのことを本当には理解できないところなんだろうね。
ジョンハンとジニが切れて、あーさっぱりした!という感じのペンム。
でも優れた芸には、情念とかが必要なんじゃないんですか?
そこんとこのバランスが難しいですね。

子どもができて、やけにしっかりしてきたタンシム。
相変わらずゲスなゲス兄さん。
純情なんだか計算高いんだか、歪んだ性格のプヨン。
毒気が抜かれた感のあるメヒャン。
プヨンの愛に一瞬、心が流されそうになったジョンハンも、
また人間くさくて良かったと思います。

プヨンの回想の中の、ジニの剣舞はすてきだったな。
また、ああいうのが見たい。
メヒャンの鳴鼓舞も、未完成ながら面白いです。
まだまだ続く愛憎劇ですが、しばらくは芸術方面のターンで
楽しませていただきたい、と願って次回へ続く。


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