いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

魔王 第16話

2013年01月14日 | 魔王
スンギが暴行されるショッキングなシーンから始まる第16話。
彼って、薄汚れた感じがすごい似合ってるから、
こういう暴行シーンはリアルっぽくてこわすぎる。
そして、なぜ、ヘインがそんなこと夢に見ちゃうわけ?
サイコメトラーなだけでしょ?
予知夢なんか見させたらかわいそうじゃん。
都合よく能力使いすぎてないか?スタッフ!

オ・スンハが、チョン・テソンだと直感したカン・オスは、
姉であるというオ・スンヒに話を聞きにいく。
すべてを否定する姉だが、オスの確信はゆるがない。

ソクジンとスンギのもとにタロットカードが届いた。
オスの元にも同じカードが。
地獄の門の写真の裏には、切り貼りで書かれた文章が添えられていた。

「不信と裏切りが友達を地獄の門へと導く」

彼らは自分を守ることができるのか。


結果から言うと、全然守り切れないんですけどね。
ほんとに期待を裏切らない、小ずるい人たちですねー。
でも相手がスンハじゃなかったら、
乗り切れる事態だったような気がするんですよ。
彼らの中の想定悪が、あまりにも小さかったのが敗因。
彼らが相手にしている人間は、悪魔に魂を売り渡した男なんですから……。

いくら終わりにしたとはいえ、
親友の兄貴の嫁さんを寝取っていた、なんて白状できますか?
終わったからこそ、このまま隠し通したいと思うのが人情。
人間、悪いことをしたとわかっていても、責められるのはつらいものです。

スンギも、お母さんにお金渡すとかがなかったら、
あんなに意地になってないかもね。
小悪党にもプライドがあります。

オスの言うとおり、みんなで真実を明かして助け合えばよかったのに。
オスのこと、心配する優しさだって、スンギにはあったのに。
スンハの思惑通り、スンギもソクジンも自滅します。
果てはオスの兄さんまで……。
奥さん、改心してますよって教えてあげたいですけどね。
殺人まで犯す必要もなかった気がしますが、
おとなしそうに見えて、やはり親父の血を引く男。

スンハが恐ろしいのは、人の心には必ず存在する悪を利用するところ。
嫉妬とか、恨みとか、そりゃ誰だってちょっとは感じることがあるじゃないですか。
でも、いつの間にか消えてったり、よくないものだと否定したり、
あきらめたり、忘れたり、するでしょ?
そういうものに栄養をあげて、大きく育てちゃうのが、とっても悪魔的。

かつて大天使ルシフェルが、人間を試していたように、
彼はいつも、人間の心を試すのね。
そして弱い人間たちは、必ず恐ろしい選択をしてしまう……。

今回、キョン社長(おでこの支配人・なぜおでこかは不明)とスンハ、
カン・オスとスンハの対決シーンがありますね。
金だけに忠誠を誓っているという悪党キョン社長と対決するスンハには
一分の隙も無く、やはりカッコイイです。

ファン兄さんを足抜けさせるために、
過去に支配人を脅迫した経緯があるんでしょうね。
昔から、賢く、怖い子だったようです。
前途有望だった少年をこんな悪い人間にしたのは、テフンの死だったのよね。

でもさー、せめてその時、支えてくれる大人がいれば、
こんなことにはならなかったと思うの。
かわいそうだけど、お母さんがもっとしっかりしてくれていれば……。
「真実は神様と私たちが知っている」と、テソンを励ましてくれていれば……。
せめて生きていてくれればよかったのに……。

スンハがかわいそうと思う気持ちもあったんだけど、
オスと教会で対決する姿を見たら、やはりオスが正しく、光る人に見えました。
スンハはあまりにも暗くて、暗くて、言いたくないけど、汚れて見える。
どんなに過去の思いがつらくても、
他人を利用して人を殺していい理由になんか、ならない。
そういうことが、心から納得できるシーンだったなー。

「人の命でゲームをするようなやつは、すでに自分に負けています」
オスにそう言われたスンハは、うっ、て顔するの。
憎しみのあまり、心が曇っているけど、本来の魂に響く言葉だったのね。



以前オスは、この事件の真犯人について、
「自分のせいで悪党になってしまったやつを止めてやりたい」というようなことを
言っていましたね。
いまや、それがオ・スンハだったと知って、
彼の心には複雑な感情が渦巻いているのではないでしょうか。
犯人と知らずに、いろいろな話をしていた頃とか、
ちょっといいやつだな、と思った瞬間とか、
ヘインが彼を好きなんじゃないかと苦しくなったこととか、
いろいろ思い出して大変なことに……。

道を踏み外してしまったスンハを憐れんだり、救いたい、という気持ちより、
この悪党を引きずり出して、法の裁きを受けさせてやりたい、という
憎しみの気持ちの方が、いまは大きいような気がします。
スンハが犯人だ、と確信したばかりだもん、仕方ないよね。

でも、最終的には、テフンとの本当のこと、
実は彼を尊敬していたことを話してあげてほしいと思います。

「あなたを心から信じている人たちのために、俺の考えが錯覚であることを祈ります」
ちょっと揺らいでいたところに、このオスの一撃で
スンハの心も大きなダメージを受けてますねー。
ヘインや、ヘインオンマ、ファン兄さん、お姉さん、グァンドゥさんも、
彼を信じ、愛しているひとたちがいる、ということをスンハは忘れてたんだわ。

世間に背を向けて生きてきたつもりでも、
どんなにひとりぼっちだと感じていても、
やはり世界には、自分を支え、信じ、愛してくれる人間がいる。
そんな人いらない!って言っても、そういう人は必ず出てくる。
そういうものなんだよ、スンハや……。

スンギのいる部屋を見張っているオスですが、デピルからの電話を受けて
離れてしまいます。そのすきにスンギは拉致されるのですが、
デピルからの電話は、計略か?本心か?ちょっとわからないところですね。

オスは、かつて罪を犯しながらもその贖罪のために必死で生きている最中なんですが、
ヘインにすごく惹かれていて、もだえ苦しんでいます。
車の中で眠ってしまったヘインの手を握りたいけど、握ることはできない。
彼女が、スンハに惹かれていることを知っているから……。


ふたりが惹かれあっているのはまちがいない。つらいな、オスや。

ここのOSTいいですよね。
スンハの時は、かすれた感じの声の人が歌ってて、
オスの時は、わりと若い感じの声の人が歌ってない?
同じ曲なのに印象が全然違うし、せつないシーンに流れてくると胸に響くものがあります。
それぞれ、ヘインに愛されてはいけない理由があるもんね。

彼の中で、スンハの犯罪を立証して捕まえることは、どういう意味を持つのか。
もちろん、犯罪者を野放しにして、これ以上犠牲者を出せない、ということもあるし、
自分のせいでこうなってしまったスンハを逮捕することで救わなくては、ということもあるし、
何も知らずに彼に惹かれているヘインを放っておけない、ということもあるでしょうね。

女性にまじめなオスのことだから、スンハを追うのは、けして嫉妬心からじゃないぞ、って
自分にいいきかせたりしてるんだろうなー。
ヘインに、スンハに気をつけるように、とか言うかしら?
彼を追う、オスの心は本当に複雑なものになってしまっているなぁ。
かわいそうだけど、そのおかげで見応えのあるドラマです。
ふー、満足。

結局、ソクジンはスンギを殺すことまではできないのだけれど、
ヒス兄さんがスンギを殺します。
ソクジンに罪をなすりつける計算なんじゃないかな。
死亡したスンギを見に行ったスンハは、
「友達は……僕の期待を裏切らないな」と言いながら、なんか泣きそう。
ずるい。こういうの見せられると、さっき感じた汚さが帳消しよ。

どうしてなんだろう?人間はみんな弱い。
誰もが自分かわいさに間違った選択をして、結局は破滅する。
僕の期待を裏切ってくれる人間がいさえすれば、僕の復讐も終わることができるのに。

とまあ、スンハの心境を推測してみましたが、どんなものでしょうか?

泣きそうとはいえ、相変わらず所業は極悪です。
スンギの死に様をメールでオスに送信。
悪魔ですね。
しかも、去り際のスンハの靴裏がめちゃくちゃシャープでかっこいいの。
あの先のすうっと細くなった革靴って、男の人でも
ちょっと足先痛いんじゃないかと思うけど、すごくかっこいいわ~。



ヨンチョルが、なぜソクジンのうちを訪ねたのか?
あと4話だというのに、まだまだ謎は続く。
どういう決着がつくのかしら?
オスのお父さんは、生き残れるのかしら?




最新の画像もっと見る

コメントを投稿