〈あらすじ〉
ジュナはドンジュを追放し、エナジーセルの本部長に就任。
「本来の席に座っただけだ」とうそぶく。
ドンジュは営業部に籍を置くことになった。
ジュナに挑発されても動じない。これは自分が心血を注いだ事業なのだから。
シネは、家を追い出されて仕方なく母にすがる。
ハルモニにとっては、娘の価値観の貧しさが哀れでならなかった。
ジュナは、ウリに自分を受け入れてもらいたい。
男として嫌いなら、人間として認め、そばにいてもらいたいと言う。
しかしウリは優しくできない。
「なんでもしたいようにすればいい。でも兄さんはそれで幸せなの?」
ドンジュは兄に警告する。
後悔しないようにやることだ。
家族を捨ててアメリカに来た時、いつかこうなることを予測していただろうか?
未来がどうなるかは、誰にもわからない。
「今度の選択を、後悔などするものか」
ジュナはひとりつぶやく。まるで自分に言い聞かせるように。
ウリは、ドンジュを元気づけるように優しい時間を過ごす。
「おまえの声がピアノのようなら、俺の声ってどんなだ?」
「温かい。あなたの心のように、温かいわ」
ドンジュは、ウリが自分の耳のことを知っているように思えてならなかった。
エナジーセルの製品発表ショー。
ジュナを中心に準備が始まる。
記者たちの中に、ドンジュを放り込むジュナ。
以前は、こうした喧噪から彼を守ってくれた兄であったのに。
機転をきかせたウリが、ドンジュを記者たちから引き離した。
華やかなショーが、ミンスの司会で幕を開けた。
ショーの最中、ジュナはジンチョルを呼び、要求を突きつける。
戸籍を整理して、自分に新しい名を与えること。
はやく、会社のすべてを譲ってほしい。
エナジーセルを大きくして売却することが目下の目標だ。
ジュナは、ジンチョルの前会長殺害について知っているとはっきり父に伝えた。
しかし、ジンチョルもまた一筋縄ではいかない人物だ。
「甘えたくなる気持ちもわかるが、待つことも肝要だぞ」
ぼんやりとショーを見ているジュナに、ウリが水のボトルを差し出した。
「悔しくないか?ミンスはスポットライトをあびているのに、
おまえは水なんか配って。ドンジュのそばにいられれば満足か?」
ウリは、うつむいて行こうとする。
「なぜわたしがドンジュのそばにいたいかわかる?
彼は、わたしが水を運ぶ姿も好きなの。
おかげで自分がすてきな女性だと思える。
でも今の言葉で急に惨めになってきた。二度といわないで。悲しいわ」
ジュナは、ドンジュと笑い合うウリを遠くから見つめていた。
急遽、チームはショーのフィナーレを早めることになった。
バタバタする舞台裏。
「トラブルか?おまえの問題を知っているからな、心配したよ」
ジュナは部屋の明かりを消して、自分の方へ来いと手招きした。
しかし、ドンジュは動こうとはしない。
「すべてを手に入れたいなら、やり方を変えろ。
このままではなにひとつ奪えないぞ」
「そうかな?」
ジュナは、ドンジュを暗闇にひとり置き去りにする。
ドンジュの脳裏に、かつて聞いたジュナの言葉が響く。
「お母さんが俺を捨てたら、今度はおまえが守護天使になってくれ。
でないと俺がみじめだ」
ドンジュは部屋を出て、ジュナに告げた。
「チャン・ジュナ、やり方を変えろ。
もう暗闇は怖がらない」
ジュナはドンジュを力なく眺める。
「おまえに、死んでほしい」
その言葉に、ドンジュは平然と応える。
「ここまで来たんだ。死なないよ。おまえが死ね」
「チャ・ドンジュ!」
ショーのフィナーレ直前。
「代表はどこか知らないか?」
ウリが見渡すと、ドンジュの姿がない。
「ドンジュはどこだ?」
色をなしてジュナもウリに居場所を尋ねるが、彼女にもわからない。
すると突然、会場の電気が消えた。
ハッとして、「ドンジュを捜すんだ!」と鋭く言うジュナ。
そこへ、暗闇からドンジュの声が響いた。
「事故ではありません。お静かに」
舞台には、チャ・ドンジュが立っていた。
明るくなった会場で、ドンジュは告白する。
「これは僕が生きている世界です。
僕は、耳が聞こえません」
会場はざわめきに包まれた。
ヒョンスクは慌ててジュナに駆け寄り、ドンジュを止めてほしいと頼む。
「子どものころの事故で、自分の声も聞こえないんです」
ジンチョルは、呆然としている。
ドンジュはウリを見た。
ウリはうんうんとうなずいて、ドンジュを勇気づける。
記者たちが質問に群がった。
「僕には、心からこう言ってくれる人がいるから平気です。
チャ・ドンジュ、あなたは聞こえない人じゃない。見る人なんだ、と」
ウリは涙ぐんで、「馬鹿ね」と手話でドンジュに話す。
「僕は聞こえないんじゃない。しっかり見る人です」
カメラのフラッシュの中、ドンジュはすっきりとした笑顔だった。
(つづく)
ジュナは悪い子になってしまいました……。
今まで我慢してきた分、ここで暴走。
こんなに嫌な人間になってしまったなんて……。
優しいジュナはどこに行ってしまったの?
でもドンジュはめげません。
明るく、元気に、そして賢く、ジュナを諭し、自分は負けまいとします。
「死んでくれ」「いやじゃ、おまえが死ね」
のくだりは寂しかったですけどね~。
あんなに仲良かった兄弟がなんで?とさすがに悲しくなりました。
ちょっとジュナのやり方が幼稚すぎるかな。
感情にまかせて暴走してるので、こういうことになてしまうんですね、きっと。
同じように苦労してても、やはり落ち込んでいる暗闇の質が違う。
耳の聞こえないドンジュが、聞こえるように装うというのは、
とってもつらく、難しいこと。
肉体的なハンディを乗り越えるというのは、過酷なことですから。
ジュナも気の毒ですが、やはり「甘えんな!」と言いたくなる。
ずっと守られていたようで、実はめちゃくちゃメンタルの強い弟くんが一枚うわてのようです。
いや、強くなったのかな。
ウリという理解者を得て、兄を守るという使命を得て。
今までみたいに「お兄ちゃ~ん」って泣いていたら、
このままジュナがどんどん暗い闇に吸い込まれてしまうから。
今度は自分がお兄ちゃんを助ける番だ、って決意したんだろうな。
弱みを握られたら、それを公表してしまうことで、弱みそのものを無くしてしまう。
なかなかの手腕ですね。
ミンスのことを引き合いに出したジュナと、しっかり切り返すウリ。
ヒョンスクさんもかわいそうな人ですが、
こういうジュナの卑屈な性格を変えてやれるような愛情を持ってなかったんですよ。
このシーンで、そもそもジュナ=マルの心の傷がなんにも癒えてないことがはっきりして、
よけいに哀れに思えてきました。
人間、一度ゆがむとなかなかまっすぐになるのは難しいんかなぁ。
そんなことない、人は変われるって、信じたいなぁ。
ジンチョルに、自分の手の内を全部みせてしまったジュナ。
血の絆って、そんな深いとも思えませんので、気をつけてほしいものです。
息子とはいえ、寝首をかかれそうになったら、ジンチョルも何をするかわかりませんからね。
「僕は聞こえないんじゃない。しっかり見る人です」って感動的なせりふ。
自分のあるがままの姿を受け入れたとき、人は強くなれるのかも。
自分のありのままの姿を受け入れてもらえたとき、人は自分を愛せるようになるのかも。
なんだかんだ言って、いざというときはドンジュの心配をするジュナ。
それはただ、「計画が台無しになるから」ってだけじゃない気がします。
ヒョンスク母さんはあやしいけどな……。
ジュナはドンジュを追放し、エナジーセルの本部長に就任。
「本来の席に座っただけだ」とうそぶく。
ドンジュは営業部に籍を置くことになった。
ジュナに挑発されても動じない。これは自分が心血を注いだ事業なのだから。
シネは、家を追い出されて仕方なく母にすがる。
ハルモニにとっては、娘の価値観の貧しさが哀れでならなかった。
ジュナは、ウリに自分を受け入れてもらいたい。
男として嫌いなら、人間として認め、そばにいてもらいたいと言う。
しかしウリは優しくできない。
「なんでもしたいようにすればいい。でも兄さんはそれで幸せなの?」
ドンジュは兄に警告する。
後悔しないようにやることだ。
家族を捨ててアメリカに来た時、いつかこうなることを予測していただろうか?
未来がどうなるかは、誰にもわからない。
「今度の選択を、後悔などするものか」
ジュナはひとりつぶやく。まるで自分に言い聞かせるように。
ウリは、ドンジュを元気づけるように優しい時間を過ごす。
「おまえの声がピアノのようなら、俺の声ってどんなだ?」
「温かい。あなたの心のように、温かいわ」
ドンジュは、ウリが自分の耳のことを知っているように思えてならなかった。
エナジーセルの製品発表ショー。
ジュナを中心に準備が始まる。
記者たちの中に、ドンジュを放り込むジュナ。
以前は、こうした喧噪から彼を守ってくれた兄であったのに。
機転をきかせたウリが、ドンジュを記者たちから引き離した。
華やかなショーが、ミンスの司会で幕を開けた。
ショーの最中、ジュナはジンチョルを呼び、要求を突きつける。
戸籍を整理して、自分に新しい名を与えること。
はやく、会社のすべてを譲ってほしい。
エナジーセルを大きくして売却することが目下の目標だ。
ジュナは、ジンチョルの前会長殺害について知っているとはっきり父に伝えた。
しかし、ジンチョルもまた一筋縄ではいかない人物だ。
「甘えたくなる気持ちもわかるが、待つことも肝要だぞ」
ぼんやりとショーを見ているジュナに、ウリが水のボトルを差し出した。
「悔しくないか?ミンスはスポットライトをあびているのに、
おまえは水なんか配って。ドンジュのそばにいられれば満足か?」
ウリは、うつむいて行こうとする。
「なぜわたしがドンジュのそばにいたいかわかる?
彼は、わたしが水を運ぶ姿も好きなの。
おかげで自分がすてきな女性だと思える。
でも今の言葉で急に惨めになってきた。二度といわないで。悲しいわ」
ジュナは、ドンジュと笑い合うウリを遠くから見つめていた。
急遽、チームはショーのフィナーレを早めることになった。
バタバタする舞台裏。
「トラブルか?おまえの問題を知っているからな、心配したよ」
ジュナは部屋の明かりを消して、自分の方へ来いと手招きした。
しかし、ドンジュは動こうとはしない。
「すべてを手に入れたいなら、やり方を変えろ。
このままではなにひとつ奪えないぞ」
「そうかな?」
ジュナは、ドンジュを暗闇にひとり置き去りにする。
ドンジュの脳裏に、かつて聞いたジュナの言葉が響く。
「お母さんが俺を捨てたら、今度はおまえが守護天使になってくれ。
でないと俺がみじめだ」
ドンジュは部屋を出て、ジュナに告げた。
「チャン・ジュナ、やり方を変えろ。
もう暗闇は怖がらない」
ジュナはドンジュを力なく眺める。
「おまえに、死んでほしい」
その言葉に、ドンジュは平然と応える。
「ここまで来たんだ。死なないよ。おまえが死ね」
「チャ・ドンジュ!」
ショーのフィナーレ直前。
「代表はどこか知らないか?」
ウリが見渡すと、ドンジュの姿がない。
「ドンジュはどこだ?」
色をなしてジュナもウリに居場所を尋ねるが、彼女にもわからない。
すると突然、会場の電気が消えた。
ハッとして、「ドンジュを捜すんだ!」と鋭く言うジュナ。
そこへ、暗闇からドンジュの声が響いた。
「事故ではありません。お静かに」
舞台には、チャ・ドンジュが立っていた。
明るくなった会場で、ドンジュは告白する。
「これは僕が生きている世界です。
僕は、耳が聞こえません」
会場はざわめきに包まれた。
ヒョンスクは慌ててジュナに駆け寄り、ドンジュを止めてほしいと頼む。
「子どものころの事故で、自分の声も聞こえないんです」
ジンチョルは、呆然としている。
ドンジュはウリを見た。
ウリはうんうんとうなずいて、ドンジュを勇気づける。
記者たちが質問に群がった。
「僕には、心からこう言ってくれる人がいるから平気です。
チャ・ドンジュ、あなたは聞こえない人じゃない。見る人なんだ、と」
ウリは涙ぐんで、「馬鹿ね」と手話でドンジュに話す。
「僕は聞こえないんじゃない。しっかり見る人です」
カメラのフラッシュの中、ドンジュはすっきりとした笑顔だった。
(つづく)
ジュナは悪い子になってしまいました……。
今まで我慢してきた分、ここで暴走。
こんなに嫌な人間になってしまったなんて……。
優しいジュナはどこに行ってしまったの?
でもドンジュはめげません。
明るく、元気に、そして賢く、ジュナを諭し、自分は負けまいとします。
「死んでくれ」「いやじゃ、おまえが死ね」
のくだりは寂しかったですけどね~。
あんなに仲良かった兄弟がなんで?とさすがに悲しくなりました。
ちょっとジュナのやり方が幼稚すぎるかな。
感情にまかせて暴走してるので、こういうことになてしまうんですね、きっと。
同じように苦労してても、やはり落ち込んでいる暗闇の質が違う。
耳の聞こえないドンジュが、聞こえるように装うというのは、
とってもつらく、難しいこと。
肉体的なハンディを乗り越えるというのは、過酷なことですから。
ジュナも気の毒ですが、やはり「甘えんな!」と言いたくなる。
ずっと守られていたようで、実はめちゃくちゃメンタルの強い弟くんが一枚うわてのようです。
いや、強くなったのかな。
ウリという理解者を得て、兄を守るという使命を得て。
今までみたいに「お兄ちゃ~ん」って泣いていたら、
このままジュナがどんどん暗い闇に吸い込まれてしまうから。
今度は自分がお兄ちゃんを助ける番だ、って決意したんだろうな。
弱みを握られたら、それを公表してしまうことで、弱みそのものを無くしてしまう。
なかなかの手腕ですね。
ミンスのことを引き合いに出したジュナと、しっかり切り返すウリ。
ヒョンスクさんもかわいそうな人ですが、
こういうジュナの卑屈な性格を変えてやれるような愛情を持ってなかったんですよ。
このシーンで、そもそもジュナ=マルの心の傷がなんにも癒えてないことがはっきりして、
よけいに哀れに思えてきました。
人間、一度ゆがむとなかなかまっすぐになるのは難しいんかなぁ。
そんなことない、人は変われるって、信じたいなぁ。
ジンチョルに、自分の手の内を全部みせてしまったジュナ。
血の絆って、そんな深いとも思えませんので、気をつけてほしいものです。
息子とはいえ、寝首をかかれそうになったら、ジンチョルも何をするかわかりませんからね。
「僕は聞こえないんじゃない。しっかり見る人です」って感動的なせりふ。
自分のあるがままの姿を受け入れたとき、人は強くなれるのかも。
自分のありのままの姿を受け入れてもらえたとき、人は自分を愛せるようになるのかも。
なんだかんだ言って、いざというときはドンジュの心配をするジュナ。
それはただ、「計画が台無しになるから」ってだけじゃない気がします。
ヒョンスク母さんはあやしいけどな……。
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