サンドゥ、学校へ行こう！ (16)

自分を逮捕しにきた警察を振り切って逃げたサンドゥは、
ウナンの待つ教会にやってくる。
花嫁姿でミンソクを待っていたウナンは、
突然現れたサンドゥに
「声も聴きたくないし、顔も見たくない。
私の前から永遠に消えてよ」と冷たく言い放つのだった……。

うわーん（泣）なんだよそれー！

なんか刑事から逃げてる最中の曲が楽しい感じなんだよね。
教会に行けばウナンが喜んで迎えてくれるかも？みたいな
期待をさせちゃうような感じ。
でもだめなんだよ～。
ウナンは冷たく完全拒否なんだよ～。

サンドゥは、もう本当にこれが最後だと思うから、
最初のころ、つきまとってたみたいに必死に食い下がるの。
４時間だけデートしようぜって。
でもウナンはかたくなで、笑顔だって見せてくれない。

サンドゥは家までウナンを送ってくるのだけど、
そこで迎えに出てたウナンオンマが彼を食事に誘うのよ。
固辞するサンドゥなんだけど、オンマが一生懸命言うから、
ご飯をごちそうになります。
ウナンはお部屋に閉じこもって出てこないけどね。

ご飯を食べてる間、左手を不自然に隠してるサンドゥ。
オヤ？と思うジファン。
オンマがお酌をしてくれる段になって、慌てて手を出したサンドゥの
左手には、手錠が……。
「ヒョン！なんだよそれ！」

ああ……って顔するジファンとオンマ。
事情はわかってるから、一瞬にして悟るんだよね。
それで必死にひきとめるの。
明日の朝、ごはんを食べてからいきなさいって。

帰るっていうサンドゥの足にすがりついて、ひきとめるジファン。
私、ジファンの「ヒョン！」で、どばっと涙が出ちゃったよ～。

一晩、ウナンの寝顔を見ていて、そっとキスして早朝家を出るサンドゥ。
その足でポリに別れを告げに行くんだ。
「アッパ、昨日どこに行ってたの？」
その後の間がなんともいえない。
そしてその後に続くサンドゥとポリの会話ときたら……。
元気いっぱいを装うけど、どうしても上ずっちゃうサンドゥの声。
もう見てられないよ……。

そして後悔して泣きながら懺悔するセラにも、
元気に説教するの。
もちろんどこに行くかは知らせずに。
ポリの名義で貯めていたお金をセラに託して、ポリを守れって。
そのうえ言うんだよ。
「ありがとう」って。
「ポリを産んで、俺に届けてくれてありがとう」って。

サンドゥやー！！

その後病院のトイレでね、
ひとりで泣いているサンドゥはね、
やっと素直になれてね、
ただ自分のために泣いていてね、
すごく悲しいけどね、
私はね、サンドゥが初めて、自分のためだけに泣いた瞬間だと
思ったんだよね。

こんな悲しい瞬間だけど、
サンドゥがはじめて、自分のためだけに生きた瞬間だと
思ったんだ。

ジファンからサンドゥのことをきいたウナンは、
必死で病院に走っていく。
逮捕しに来た警察に両手を差し出して、
パトカーに乗り込んだサンドゥに追いすがって、
「絶対別れないから！」って大泣きするんだよ。
バカバカ、ウナン。
意地張らないであの４時間を大事にすればよかったのに……。

ポリには、骨髄提供者が現れて、手術は大成功。
適応者はなんとヒソだったのです。
お母さんがツバメに入れあげて家庭崩壊しちゃってるから、
サンドゥのこと好きだけど嫌いのジレンマに陥ってたヒソ。
でも彼女は賢いから、ジファンのたとえ話をきいて、
サンドゥが娘のために仕方なくツバメをやってたことを悟るんだよね。
ほんとにこの子はいい子でよかった。

みんな幸せになれそうなのに……。
それなのに……。
刑務所に入ったサンドゥは、面会に来たウナンに言うんだよ。
「俺を待つな」って。
「俺は幸せだ」って。
「俺は思い出だけで生きていける」って。

どうしてなんだー！サンドゥやー！

最初はね、サンドゥの心は死んじゃったのかな、と思いました。
ウナンとの愛をあきらめて、ポリのために生きようとしたのに、
ポリが実子でなかったことを知って、
自分が刑務所に入ることになって、ポリと別れなくてはならなくなって、
愛娘を失ってしまったサンドゥの心は死んでしまったのかなって。
ウナンと別れても、ポリがいるから生きていたサンドゥが、
とうとうポリまで失って、生きていけなくなったのかなって思ったんです。
彼の中では、やっぱりウナンよりポリが大事だったのかな、と。

で、何度も観かえしているうちに、
ああ、サンドゥはただただ、疲れちゃったのかな、と思うようになりました。

養父母に捨てられて、学校からも捨てられて、
ウナンもいなくなっちゃって、すさんだ生活をしていたサンドゥ。
ポリのためにと、不本意な仕事をしながらだけど、
一生懸命生きてきたサンドゥ。
ウナンと再会して、いろんなことがあって、真人間に戻れそうだったけど、
やっぱり無理で……。

ウナンが、つかれちゃってあんたにつきあう元気がないって
言ってた時みたいに、今度はサンドゥが疲れちゃったんじゃないかなー。

「ポリのためだったんだもの、仕方ないよ」というウナンをさえぎって
「そうじゃない」ってサンドゥが言うでしょ。
ウナンと別れて一人ぼっちになってたあの時期に捨て鉢になったりしないで、
刑務所にいる今みたいに彼女のことを思って生きてれば、
こんな風にはならなかったのに。
自分の弱さが引き起こしたもろもろを、ポリのせいにしたくなかったんだと思う。



刑務所の生活で、すごく内省的になっていたのかもしれないよね。
ウナンは、
「スッチャが言ってたけど、あまりにも深く愛しあうひとたちには
まわりが嫉妬して、困難をぶつけてくるんだって。
だから、わたしたちひそかに愛し合おうよ」というのだけど、
サンドゥは素直にうなづけない。

もうこの時点で、サンドゥは自分の中に閉じこもって、
なにか諦念しているように見えるのね。
だから、出所日に迎えに来たウナンに背を向けて去ろうとしちゃうんじゃないかな。
ミンソク先生とポリとウナンの三人が幸せな家族に見えて、
自分にはそうした幸せを手に入れる資格がないと感じて、
背を向けちゃったんじゃないかな。

サンドゥの心の中が、本当はどうだったのかはわからない。
元気になったポリに会いたい気持ちはなかったのか、
待っていてくれたウナンを愛する気持ちはどこへいってしまったのか、
不思議だし、納得できないよ！とも思う。

ポリも元気になったし、セラは再婚したし、
やっとなんの障害もなく、ウナンと愛し合える日が来たんじゃん。
刑務所からも出てこられたし、やっと全部やりなおせるようになったんじゃん。
それなのに、なんで死ななきゃいけないの？と思う。

いろいろあったけど、
最後はめでたしめでたし、じゃダメだったのかい？

でも何を言おうとも、やっぱりふたりは死んじゃったんだよね。
あの、学校へ行くシーンさえなければ、
ふたりは故郷の山奥の学校で幸せに暮らしてるんだ、と無理やり
思い込むこともできたのに。

ドラマのトーンが、ハッピーエンドを望める雰囲気じゃなかったもんねぇ。

悲しいのは、ポリがアッパのことをどんどん忘れていくっていうところ。
でもそれでいいのかもしれない。
みんながサンドゥのことをそっとしといてくれて、
誰もふたりの邪魔をしない場所で、
サンドゥとウナンは愛し合うことができるもんね。

道路を挟んで見つめ合うふたり、でENDマークでも、
視聴者的には全然よかったんだけどさ。

全話観終わっていろいろと葛藤もありましたが、
やっと最終話感想を書けました。
ありがとね、サンドゥ。