恋をしている若いふたりの間に、会話がほとんどない、というのがいいですね。
まぁ普通におしゃべりはするんでしょうが、
ほほえみあうふたりの映像と音楽で、その幸福感が伝わってくるという作りが好きです。
恋するものには言葉がいらないんだね~。
ああ、でもさっそく恋の障害が。
わかっちゃいたけど、やはりセツナス。
《あらすじ》
地方の教坊から優れた童妓を選出し、都へ送るという旧習にペンムが異を唱えた。
「各教坊に競演させ、優れた坊に女楽の指揮を任せてはいかがでしょう?」
かつてない試みとなるこの提案に、ジニをはじめとする童妓たちは、
よりいっそう修練にはげむことになった。
ウノは、都からはるばる帰ってきたジニに会いにくるが、彼女の態度は冷たい。
競演にむけて、他のことを考えている場合ではないのだ。
しかし、ジニの心はウノへと向かう。
やっぱり彼に会いたくて、稽古にも身が入らない。
勉強に身が入らないのはウノとて同じこと。
彼女に会いたくて会いたくて仕方がない。真心を持って接するつもりなのに。
見かねた下男が、またもや恋のお使いに現れ、
ジニは自分の心を素直に認めて、コムンゴを持ってウノに会いに行く。
ジニはコムンゴを弾き、ウノはその絵姿を描き、時には一緒に綱渡りをして、時を過ごすふたり。
ジニの心は母の知るところとなり、母は娘の恋に不安をかき立てられる。
身分違いの恋をして、自分のように老いてほしくはない。
楽士オムスはヒョングムに頼まれ、ウノの真意を問いただす。
「ジニのためにすべてを捨てられますか?」
「もちろんだ!」
しかし、ウノの恋心も、母の知るところとなる。
勉学をおろそかにし、キーセンの元へ通うなど。
怒り心頭の母は、必死で止める息子を無視して教坊に乗り込み、ジニを平手で打った。
(つづく)
まぁ……いろいろありますよ……。
わかってはいました。
こうなることはわかってはいたけれど、冷や水浴びせられた気分。
ひゃー!
詩を読み、音楽を習い、絵の心得もあり、行儀作法も身につけた美しい娘でも、
しょせんは最下層のキーセン。
両班の息子とは釣り合うわけがないのであります。
そしてどんなに清い心でお友達になっても、
母としては、かわいい息子が悪い女にたぶらかされた、という構図になっているのであります。
都へ行って歌を披露して、舞をまって、国王に献上して、とか思って一生懸命努力していても、
一歩世間へ出れば、蔑まれる賤しい女として扱われる。
今まで、教坊の中で、ある意味守られてきたともいえるジニ。
こんな扱いに耐えられるでしょうか……。
「私たちはキーセンです」と誇りを持って顔を上げるのか。
「しょせん私たちはキーセンです」と、ひっそり日陰に身を隠すのか。
ばちーんと平手打ちをくらったあと、ジニはどうするんでしょうね?
どちらにしても誇りだけは失わないだろうと思いますが。
ペンム行首は、優秀な童妓をひとり都の女楽へ献上せよ、みたいな旧習を破り、
自分たち地方の逸材が下克上を果たそうとしているようです。
実力で勝って都へ登りたいと言っていたのは、このことだったのね。
しかしうまくいくでしょうか。
ペンムとメヒャンが無二の親友だったというのは、面白い話です。
一番のライバルが一番の親友、という定番の関係性ですが、
芸術家としては、ペンムが何枚も上、実務家としてはメヒャンが上、ということなんですね。
いったいどこで仲違いをしてしまったんでしょうか……。
なんとなく、本気の恋をしてしまったペンムが、メヒャンの手管に遅れをとったような気がします。
しかし、胸のすく弟子対決でした。
メヒャンの弟子プヨンは、私たちの方が優れているし、勝つに決まってる、と高慢です。
その返礼として、ジニは思わぬことをいうのです。
勝ち負けに興味はない、と。
本当にほしいのものは、国王からの花代である。
芸を売るのがキーセンの生業(なりわい)。
代価なくして芸はできぬと。
ただその代価は金子などではなく、もっと尊いもの。
国王の感動の涙である、と。
自分たちの芸で、国王を感涙させることが自分たちの目標であるというわけですね。
まさに、ペンムの直弟子の面目躍如というところです。
こんなふうに、キーセンの芸にプライドを持っているジニが、
あの奥様にビンタされて、大事な息子様をたぶらかし、申し訳ございませんでした、と
頭を下げたりできるのか?というのが、次回のみどころかと思うのですが、いかがでしょう。
若い女の子としては、本気で若様を好きなんです!と言ってほしい気もするし、
伝説のキーセンになるような娘なら、ここできっぱり身を引いて、
やはり愛など捨てました、と言ってほしい気もする。
良家の奥方なんかにはわからない、表現者としてのプライドを胸に、
人に後ろ指をさされようが、誇りを持って自分はキーセンだと言ってほしい。
プロ根性を見せてほしい気がするんですよねぇ。
でも無理だろうなぁ。
初恋だもの。
でも言うかもなぁ。
「美しすぎるから、他の人の前で踊ってほしくない」というウノの言葉に大笑いしてたもの。
ドキドキしながらも、すごく楽しみです。
さて、最初の方でわたしが気のきかないおっさん呼ばわりした人、
教坊の楽士オムスさんでした。
ヒョングムに心を寄せている人ね。
彼女も、それをわかってていっぱい助けてもらってますよね。
清純そうな顔して、看守を籠絡して牢から出してもらっちゃうようなやり手の人ですもんね。
どんなにウブそうでも、さすがキーセンです。
オムスもわかってて、彼女のために働いてやるんですな。
黒子的愛情。
この人がウノの真意を問いただしに行きますが、すべてわかったような顔がちょっとムカつく。
でも仕方ないですね。
きっと過去に、同じような質問をしたことがあるでしょう。
ヒョングムの恋の相手となった男に。
そしてあっさり捨てられた。
「若造が。ゆうても口だけや」的なシニカルな表情があるような気がします。
ペンム行首のいう、「キーセンにとってもっとも大切な友」が「苦しみ」というのも意外。
「苦しみを友として、求められた以上の務めを果たせる者が真のキーセンである」とは?
これまでの彼女の人生が忍ばれる言葉ですね。
そしてジニの、これからの人生を暗示させる言葉だと思います。
苦しみかぁ。
う~ん、重い。
ジニの「お酒ですか?」にもひっくり返ったけどな。
お、おまえさん、あんな問答しといて、そんな浅い返答でいいんか?
これからいろいろあるんだろうけど、ふたりの幼い恋心がかわいくてかわいくて。
ジニは、自分の心が揺れているのをわかっていて、
そんな女性的な感情を否定したくて男の楽器を選ぶ。
そして、ウノに対する恋心をおさえられなくて、詩経の一節を読みたくなり、
夜中に書庫へ行ってしまう。
「あの人が好きなの!」と声高に叫ぶより、もっとすてきに恋の高揚感が伝わってきます。
いいなぁ、好きだなぁ。
この書庫で出会った女性が、ウノの許嫁ですね。
ぜんぜん悪い子じゃない。むしろいい子すぎ。
彼女のためにも身を引くんじゃないかなー、ジニは。
恥ずかしそうに楽器を背負ってウノに会いに行くジニがしあわせそう。
一枚目のウノが書いた下書きには吹き出しましたけど。
あれのどこをどういじれば、二枚目の美しい彩色画になるんだ?
絶対おかしいよね……。
まぁ普通におしゃべりはするんでしょうが、
ほほえみあうふたりの映像と音楽で、その幸福感が伝わってくるという作りが好きです。
恋するものには言葉がいらないんだね~。
ああ、でもさっそく恋の障害が。
わかっちゃいたけど、やはりセツナス。
《あらすじ》
地方の教坊から優れた童妓を選出し、都へ送るという旧習にペンムが異を唱えた。
「各教坊に競演させ、優れた坊に女楽の指揮を任せてはいかがでしょう?」
かつてない試みとなるこの提案に、ジニをはじめとする童妓たちは、
よりいっそう修練にはげむことになった。
ウノは、都からはるばる帰ってきたジニに会いにくるが、彼女の態度は冷たい。
競演にむけて、他のことを考えている場合ではないのだ。
しかし、ジニの心はウノへと向かう。
やっぱり彼に会いたくて、稽古にも身が入らない。
勉強に身が入らないのはウノとて同じこと。
彼女に会いたくて会いたくて仕方がない。真心を持って接するつもりなのに。
見かねた下男が、またもや恋のお使いに現れ、
ジニは自分の心を素直に認めて、コムンゴを持ってウノに会いに行く。
ジニはコムンゴを弾き、ウノはその絵姿を描き、時には一緒に綱渡りをして、時を過ごすふたり。
ジニの心は母の知るところとなり、母は娘の恋に不安をかき立てられる。
身分違いの恋をして、自分のように老いてほしくはない。
楽士オムスはヒョングムに頼まれ、ウノの真意を問いただす。
「ジニのためにすべてを捨てられますか?」
「もちろんだ!」
しかし、ウノの恋心も、母の知るところとなる。
勉学をおろそかにし、キーセンの元へ通うなど。
怒り心頭の母は、必死で止める息子を無視して教坊に乗り込み、ジニを平手で打った。
(つづく)
まぁ……いろいろありますよ……。
わかってはいました。
こうなることはわかってはいたけれど、冷や水浴びせられた気分。
ひゃー!
詩を読み、音楽を習い、絵の心得もあり、行儀作法も身につけた美しい娘でも、
しょせんは最下層のキーセン。
両班の息子とは釣り合うわけがないのであります。
そしてどんなに清い心でお友達になっても、
母としては、かわいい息子が悪い女にたぶらかされた、という構図になっているのであります。
都へ行って歌を披露して、舞をまって、国王に献上して、とか思って一生懸命努力していても、
一歩世間へ出れば、蔑まれる賤しい女として扱われる。
今まで、教坊の中で、ある意味守られてきたともいえるジニ。
こんな扱いに耐えられるでしょうか……。
「私たちはキーセンです」と誇りを持って顔を上げるのか。
「しょせん私たちはキーセンです」と、ひっそり日陰に身を隠すのか。
ばちーんと平手打ちをくらったあと、ジニはどうするんでしょうね?
どちらにしても誇りだけは失わないだろうと思いますが。
ペンム行首は、優秀な童妓をひとり都の女楽へ献上せよ、みたいな旧習を破り、
自分たち地方の逸材が下克上を果たそうとしているようです。
実力で勝って都へ登りたいと言っていたのは、このことだったのね。
しかしうまくいくでしょうか。
ペンムとメヒャンが無二の親友だったというのは、面白い話です。
一番のライバルが一番の親友、という定番の関係性ですが、
芸術家としては、ペンムが何枚も上、実務家としてはメヒャンが上、ということなんですね。
いったいどこで仲違いをしてしまったんでしょうか……。
なんとなく、本気の恋をしてしまったペンムが、メヒャンの手管に遅れをとったような気がします。
しかし、胸のすく弟子対決でした。
メヒャンの弟子プヨンは、私たちの方が優れているし、勝つに決まってる、と高慢です。
その返礼として、ジニは思わぬことをいうのです。
勝ち負けに興味はない、と。
本当にほしいのものは、国王からの花代である。
芸を売るのがキーセンの生業(なりわい)。
代価なくして芸はできぬと。
ただその代価は金子などではなく、もっと尊いもの。
国王の感動の涙である、と。
自分たちの芸で、国王を感涙させることが自分たちの目標であるというわけですね。
まさに、ペンムの直弟子の面目躍如というところです。
こんなふうに、キーセンの芸にプライドを持っているジニが、
あの奥様にビンタされて、大事な息子様をたぶらかし、申し訳ございませんでした、と
頭を下げたりできるのか?というのが、次回のみどころかと思うのですが、いかがでしょう。
若い女の子としては、本気で若様を好きなんです!と言ってほしい気もするし、
伝説のキーセンになるような娘なら、ここできっぱり身を引いて、
やはり愛など捨てました、と言ってほしい気もする。
良家の奥方なんかにはわからない、表現者としてのプライドを胸に、
人に後ろ指をさされようが、誇りを持って自分はキーセンだと言ってほしい。
プロ根性を見せてほしい気がするんですよねぇ。
でも無理だろうなぁ。
初恋だもの。
でも言うかもなぁ。
「美しすぎるから、他の人の前で踊ってほしくない」というウノの言葉に大笑いしてたもの。
ドキドキしながらも、すごく楽しみです。
さて、最初の方でわたしが気のきかないおっさん呼ばわりした人、
教坊の楽士オムスさんでした。
ヒョングムに心を寄せている人ね。
彼女も、それをわかってていっぱい助けてもらってますよね。
清純そうな顔して、看守を籠絡して牢から出してもらっちゃうようなやり手の人ですもんね。
どんなにウブそうでも、さすがキーセンです。
オムスもわかってて、彼女のために働いてやるんですな。
黒子的愛情。
この人がウノの真意を問いただしに行きますが、すべてわかったような顔がちょっとムカつく。
でも仕方ないですね。
きっと過去に、同じような質問をしたことがあるでしょう。
ヒョングムの恋の相手となった男に。
そしてあっさり捨てられた。
「若造が。ゆうても口だけや」的なシニカルな表情があるような気がします。
ペンム行首のいう、「キーセンにとってもっとも大切な友」が「苦しみ」というのも意外。
「苦しみを友として、求められた以上の務めを果たせる者が真のキーセンである」とは?
これまでの彼女の人生が忍ばれる言葉ですね。
そしてジニの、これからの人生を暗示させる言葉だと思います。
苦しみかぁ。
う~ん、重い。
ジニの「お酒ですか?」にもひっくり返ったけどな。
お、おまえさん、あんな問答しといて、そんな浅い返答でいいんか?
これからいろいろあるんだろうけど、ふたりの幼い恋心がかわいくてかわいくて。
ジニは、自分の心が揺れているのをわかっていて、
そんな女性的な感情を否定したくて男の楽器を選ぶ。
そして、ウノに対する恋心をおさえられなくて、詩経の一節を読みたくなり、
夜中に書庫へ行ってしまう。
「あの人が好きなの!」と声高に叫ぶより、もっとすてきに恋の高揚感が伝わってきます。
いいなぁ、好きだなぁ。
この書庫で出会った女性が、ウノの許嫁ですね。
ぜんぜん悪い子じゃない。むしろいい子すぎ。
彼女のためにも身を引くんじゃないかなー、ジニは。
恥ずかしそうに楽器を背負ってウノに会いに行くジニがしあわせそう。
一枚目のウノが書いた下書きには吹き出しましたけど。
あれのどこをどういじれば、二枚目の美しい彩色画になるんだ?
絶対おかしいよね……。
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