今回は,フナムシのことを書く。
南総里見八犬伝に出てくる毒婦の方ではなく,磯浜などにいる小さな生き物の方だ。
なので,一般にいう,きれいな画像やかわいい画像は,一切,出てこない。
フナムシが嫌いで,見たくもない,という人は,すぐさま,この記事を閉じて,次回にスキップしてほしい。
人を不快にするのは,本意ではない。
最初に何か貼っておかないと,見たくない人にも,フナムシの画像が見えてしまうので,始める前に,まず,フナムシの捕食者であるイソヒヨドリくんを貼っておく。
このイソヒヨドリは,たぶん,フナムシを食べて越冬した個体だ。
さて,フナムシだ。
誰にでも,心に刻まれた原風景があると思うが,私の原風景は,子どもの頃,毎年夏を過ごした秋田県男鹿半島の磯浜。生まれ故郷。
そこには,いつも,フナムシがいた。
フナムシは,磯浜に行けば,どこにもいる身近な存在だが,案外,ホントの姿を知られていないのではないか。
これから,夏が近づくと,目にすることが多くなってくるので,知っておくと,何かと楽しくなると思う。
小学生は,夏休みの自由研究にも,使えるかもしれない。
まず,フナムシは,虫(昆虫)ではなく,甲殻類。
甲殻類というと,カニやエビを思い浮かべるが,近い仲間ではない。
カニやエビのように食べられると思ったら大間違い。煮ても焼いても食えない。
カニやエビは,たぶん,十脚目(エビ目)。
フナムシは,等脚目(ワラジムシ目)に属する。
エビやカニよりも,ワラジムシやダンゴムシに近い種だ。
エビやカニよりも,ワラジムシやダンゴムシに近い種だ。
足は7対で,計14本。
この足で,さわさわと,素速く動く。
子どもの頃,釣りの餌にするため,手で捕まえたことがあるが,速くて,捕まえるのが大変だった。
こんなにたくさんの足があって,よく足が絡まないな,と感心する。
目は大きな複眼が2つ。
見方によっては,かわいく見えないこともない。
頭部には,長い触角が2本。
尾部には,2つに枝分かれした尾脚が2本。
これを,尾脚,というらしい。
よく見ると,二股の形がユニークで面白い。
美脚ではなく,尾脚。「脚」が付くが,脚ではない。
何に使われているのかは,よくわからない。
何に使われているのかは,よくわからない。
全体的には,黒っぽい体色だが,黄色い斑があるなど,個体差が結構あるようだ。
個体を収集・分類すると,それはそれで面白そう。
タイプ分けしている人もいるような気がするが,どうだろう?
タイプ分けしている人もいるような気がするが,どうだろう?
海辺にある食べられるものは何でも食べる,いわゆる掃除屋。
打ち上げられた藻類や生物の死骸などを食べることにより,磯浜をきれいに保つことに,大きく貢献している。
何でも食べるので,油断すると,漁業者が干している魚を齧ったりすることもあるようだが,基本,人に害を与えることはない。
数千,数万のフナムシが人を襲うパニック映画があったら,無茶苦茶怖いだろうな,と思うが,現実は,人影が差しただけで,サーッと逃げる方。
鳥や魚のエサにもなって,食われているし。
フナムシで,意外なのは,海辺生まれの海辺育ちなのに,泳げないこと。
海に落ちようものなら,すぐに上がらないと死んでしまうらしい。
そう聞くと,捕まえて,海にポチャンと落としてみたくなる。ホントなのかな。
そう聞くと,捕まえて,海にポチャンと落としてみたくなる。ホントなのかな。
これまで書いてきたように,フナムシは,海辺の環境保全にすごく貢献しているし,人間に対して,何も悪いことをしていない。
なのに,多くのヒトたちに嫌われているし,ありがたくも思われていない。
なのに,多くのヒトたちに嫌われているし,ありがたくも思われていない。
そして,普通に,鳥や魚に食われ,間違って海に落ちると死んでしまう。弱い生き物だ。
切ない生き物だなぁ。
フナムシも。
フナムシも。
(2024/04/17 フナムシ)
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