ホオアカがさえずっていた。





ホオアカがさえずっていた。
九州では珍しくない冬鳥なのだが,こちらでは稀。
前回は3月15日,今回は4月10日。
こちらで越冬する主なシギチは,ミユビシギ,ハマシギ,シロチドリの3種。
恥ずかしながら,観察・撮影しているときは,換羽が進んでいるハジロカイツブリに気を取られ,気付いていなかった。
気付いたのは,PCで写真整理をしていたとき。
ハジロカイツブリたちを先導して引っ張っていたのは,1羽のミミカイツブリだった。
色合いはほぼ同じだが,ミミカイツブリは,くちばしが上に反っておらず,真っすぐ。
頭とほっぺの境目が比較的はっきりしており,目からくちばしにつながる赤い線がある。
全体として,ハジロカイツブリが,やんちゃな印象で,ミミカイツブリが上品な印象。
お行儀の良いミミー先生が,やんちゃな子どもたちを,引率しているかのようだった。
今回来たのは,ハジロカイツブリの夏羽への換羽状態を確認するのが目的だったが,ここでは,群れの半数くらいが変わってきていたか。
白っぽい冬羽から,脇が茶色に,頭が黒く変わってきており,目の後ろに金色の飾り羽も出てきた。
同じ日でも,別の場所にいたちっちゃな群れは,まだ,もう少しだった。
なお,ミミカイツブリは,換羽途中の群れからほど近い海にもいて,波打ち際近くまで,寄ってきてくれた。
ミミーたち,しっかりと夏羽に着替え終わるまで,いてくれないかな。
(2025/03/15 ハジロカイツブリ,ミミカイツブリ)
鳥の海の浜辺に,数十羽のカワラヒワの群れが入っていた。
飛ぶと,鮮やかな黄色が見えてきれい。
日本に住む私たちは,街の中でも,普通に見ることができるが,実は,東アジアの北部にしかいない鳥だ。
ありがたく味わわないと。
肉眼で見ていると,黄色がフラッシュした,としか見えないが,写真に撮ると,じっくりと味わうことができる。
黄色を焦がしたような色の背に,鮮やかな黄色い帯が入った黒い翼。
上の写真では,魚の尻尾のような,独特の形の尾羽もわかりやすい。
このように群れになるのは,今年生まれの幼鳥が集まったか,北から渡って来たか,どちらかと思う。
どっちだろう?
亜種オオカワラヒワは,背中側に見える三列風切の白い帯が広く,頭頂部から背にかけて,黄色味に乏しく,灰色味が強い,という。
どうだろう。よくわからないな。
でも,一応,亜種オオカワラヒワということにしておこうか。
混ざっている可能性だってあるけれど。
(2024/10/18 カワラヒワ)
くりくり。
くりくり,くり。
砂浜に寄せては返す波。
砂浜にいた50羽程度のシギチの混群の多くが,メダイチドリだった。
鳥の海の上空を飛んでいた。
お尻の先に産卵管が見える。
わらしべの先っぽに産卵管を差し込む。
産卵中?
このトラフムシヒキがいたのは,こんな海岸。
海が荒れると,絶対,流される。
ここには,小さな黒い虫もたくさん飛んでいて,なかなか止まってくれなかったが,何とか撮影して,画像を見ると,ハチの仲間だった。
黒い体に,黄色っぽい毛がびっしり。
ところで,この夏は,虫をたくさん撮りすぎ,全部は記事にできそうにない。
かなりの数,お蔵入りかなぁ。
(2024/08/31 トラフムシヒキ,キンケハラナガツチバチ)
DNAに「走る」が組み込まれていて,とにかく走るシギBEST3を,カウントダウンしてみる。
このBEST3は,私の独断と偏見。
私のプロフィール写真に使わせてもらっているミユビシギ。
正面から見ると,丸っこくて,めんこ。
この日,この浜には,15羽程度の群れが入っていた。
渡りの時期であるのと同時に,換羽の時期でもあるので,夏羽に近い子から冬羽に近い子まで,色合いは,さまざま。
成鳥に混じって,今年生まれの幼鳥もいた。
正面顔を撮るには,それなりに,鳥たちと仲良くなって,存在を認めてもらう必要がある。
隠れて撮ったのではなく,身をさらして,この子たちと,ある程度,気持ちを通じ合わせて,撮ったもの。
そういう意味でも,うれしい写真たち。
至福の時間だった。
アプローチさえまちがわなければ,シギたちと,共通の空間を持つこともできる。
(2024/08/31 ミユビシギ)
なが~いくちばし。
子ども時代は,もっとくちばしが短いが,成鳥になると,こ~んなに長くなる。
久しぶりに,出会った大型シギ。
偶然通りかかったオバシギと比較すると,こんなに大きい。
このようにくちばしが長いシギは,ダイシャクシギとホウロクシギの2種がいる。
この2種は似通っていて,毎回,識別するのが楽しい。
ダイシャクシギは,チュウシャクシギより,くちばしが長くって,大きいから『ダイシャクシギ』。
ホウロクシギは,焙烙(ほうろく/素焼きの土鍋)のような色なので,『ホウロクシギ』。(と思う。)
藩政時代後期までは,区別なく『ダイシャクシギ』と呼んでいたようなので,色で区別するために,似た色の『焙烙』を引っ張り出してきたのだと思う。(私見です。)
私も,とっかかりは色で識別する。
ぱっと見,体色に褐色味がある場合は,即,ホウロクシギで決まり。
そして,お腹が,お尻の方まで白くなければ,それでダメ押し。
だが,実際のフィールドでは,かなり白っぽく見えることもあり,また,ほかの識別ポイントを見ても悩ましく,飛んで,翼の裏や腰が見えるまで,不安なときがある。
ダイシャクシギは,翼の裏が白いが,この個体は白くなかった。
また,ダイシャクシギは,腰に白い部分があるが,この個体はなかった。
これで,安心。
ホウロクシギで良かった。
また悩ませてね。
(2024/08/31 ホウロクシギ)
青い田んぼの中の鷺をアップしたのが,たった2週間前。
でも,8月末時点で,一部の田んぼは,すでに,こんなになっていた。
油断している間に,季節が巡っていた。
黄金色の田んぼに,ダイサギがいる風景。
この上を風が吹き,実った稲がサワサワ揺れる。
都会の若い人など,この風の匂い,嗅いだことのない人も,いるかもしれない。
田んぼを吹く風には,米の香りがする。
よく見ると,このダイサギ,イナゴ食っている。
秋の田んぼにイナゴは付きもの。まさに,実りの秋の風景だった。
イナゴの佃煮は,仙台でも,山形でも,普通に売っている。
こちらには,2羽のサギが首を出していた。
よく見ると,右側は,ダイサギじゃなさそう。
一見,同じに見えるが,右側は,チュウサギだった。
目の前の裸出部に婚姻色の黄色が残っていて,口角が目の下で切れている。
頭やくちばしのプロポーションが,左側のダイサギとは異なっている。
チュウサギは夏鳥なので,残念ながら,もう南に渡っていく時期。
この子も,くちばしの黒が,冬バージョンの黄色に変わりつつあるようだ。
宮城県では,田んぼの稲が実って,刈り取りする時期になると,ガンなどの冬鳥が渡ってきて,稲が刈り取られた田んぼを賑やかにしてくれるが,いなくなる鳥たちも多い。
気付く人は少ないかもしれないが,ダイサギだって,まもなく,夏鳥の亜種チュウダイサギに替わり,冬鳥の亜種ダイサギになる。
(2024/08/31 ダイサギ,チュウサギ)