
阿藤さん?伊藤さん?江藤さん?



波に揺られて,うとうとしてたのかな?




航路鳥見は,非日常そのものなのだが,この鳥は,特にそれを感じさせてくれる。
ひとり目。
中央尾羽が,まだ伸びていなかった。
ふたり目。
尾羽中央が,スプーン状に,伸びてきた。
この部分が,トウゾクカモメのチャーミングポイント。
翼は,先が尖っており,スピードが出そう。
三にん目。
こちらの個体の中央尾羽は,上の個体とは,違う伸び方だった。
この日出会ったトウゾクカモメは,この三にんだけだったが,三者三様で,どの子も,すてきだった。
トウゾクカモメは,航路に乗っていると,ミツユビカモメなどを襲って,魚を奪う盗賊行為を,目にすることがある。
トウゾクカモメに限らず,盗賊行為をする鳥はいるけれど,この鳥は,名前になるほど,その行為が半端ないのだろう。
(2025/03/22 トウゾクカモメ)
このイルカは,水面下ギリギリを高速で泳ぎ,派手な水飛沫を上げる。
前回の2月には,1羽もいなかったので,その存在自体を忘れていた。
前回,2月の八苫航路では,たくさんのミツユビカモメがいたが,ほとんどが成鳥で,幼鳥はわずかだった。
これが成鳥で,背中が薄い灰色で,翼先っぽが,墨につけたような黒。
ここは,青森県下北半島の沖。
まさかのマガンたちと,外海で遭遇。
7羽の群れが,北に向かう船の前方を斜めに横切るように,北北西方向に飛び去った。
雁は,『雁風呂』という伝説を持っているが,この雁たちは,枝をくわえていなかった。
この伝説によると,雁は,海上での休憩用に,枝をくわえて渡るそうな。
<伝説のあらまし>
秋,雁が,海を渡って来るとき,海面に浮かべて休むための枝を,1本くわえて来る。
そして,浜に着くと小枝を落とす。
翌春,北に帰るとき,同じ枝を拾って帰るのだが,浜には,春になっても拾われない枝が残る。
それは,冬の間に死んでしまった雁たちのもの。
浜の人々は,その枝で風呂を焚いて,雁の供養をした。
青森県外ヶ浜町(平舘)にある湯の沢温泉「ちゃぽらっと」に行ったことがあるが,この雁風呂をテーマにしている日帰り温泉だった。
(2025/03/22 マガン)
八戸から苫小牧に向かう航路。
以前にも同じタイトルを使ったような気がするが,ま,いっか。
センダックの絵,大好きだし。敬意を込めて。
今回の航路では,海獣,2種類。
コビレゴンドウは,1家族3頭を観察。
子どもが,親ふたりの間にはさまって,守られているように泳いでいた。
「鯨とイルカのフィールドガイド」(東京大学出版会)によると,コビレゴンドウには,2つの地方型がある,という。
ひとつは,マゴンドウと呼ばれ,房総以南に分布し,体が小さく背びれ後方の白斑が不明瞭な型。
もうひとつは,タッパナガと呼ばれ,銚子から北海道沖に分布し,大型で背びれ後方の白斑の明瞭な型。
大きさの比較はできないので,背びれ後方に着目すると,親2頭は,白斑が明瞭に出ていた。
手前が,お母さんで,向こう側が,お父さんかな。
この海域では,もう少し後の時期と思っていたので,嬉しい出会いだった。
タッパナガとこれまで出会ってきたのは,8月の海鳥がほとんど出ない時期。
ある年は,数限りないと思えるくらいいて,一部海域を,タッパナガが占有していたこともあった。
家族ごとに,距離を置いて,ゆっくりと泳いでいたので,群れが海域を占める面積が広がっており,あのときは,ホント,すごかった。
今回出会ったもう1種類の海獣は,カマイルカ。
こちらは,元気にジャンプしながら泳いでいる群れを見たかったのだが,残念ながら,霧の向こうを,数頭が,おとなしく泳いでいるのを,1回,見ただった。
カマイルカは,背びれの形が独特なので,識別に苦労することはない。
まさに,鎌の形と色で,刃の部分まである。
残念ながら,あともうちょっとのところで,顔は見えず。
残念なときがあるからこそ,良いときの喜びが増す,というもの。
今回は,喜びの貯金。
貯金がたくさん貯まると,引き出すとき,何倍にもなって,爆発する。
(2024/07/12,15 コビレゴンドウ,カマイルカ)
なんだろう,これは?
記憶が定かではないが,以前は,こんなに頻繁にマグロを見たことがないと思う。
6月9日に掲載した記事で,キタオットセイの やかんポーズ,或いは,アイロンポーズを紹介したが,6/15-16の航路でも同じポーズを取っているオットセイを観察した。
これが,今回観察した やかんポーズ。
以前の記事の繰り返しになるが,右側に出ている首が注ぎ口。
後ろ足の両ヒレで片方の前足のヒレを挟んで,取っ手の形を作っている。
首を水面下に沈めると,アイロンになる。
ポーズをほどくと,こう。
後ろ足の2枚のヒレと,挟んでいた前足のヒレがよく見える。
この子,このときは,海藻を体にかけて遊んでいたようだ。
この子だけがこうしているわけではなかった。
集団やかん。
皆,やっていた。
笑わずにはいられない。
こっちに向かって,手を振っている奴もいるし。
このヒトたちは,こういう格好をするのが,気持ち良いのかな。
もちろん,こんな姿ばかりではなく,このときも元気に泳ぐ姿も見せてくれた。
わぉ~,なんて叫んでいる感じ。
お腹はこっち側。
水面にキス。
ちなみに,オットセイは,耳がある。
というか,つかんで引っ張ってみたくなるような耳がある。
おぉ~き~く,分けると,犬の仲間だし。
(2024/06/15-16 キタオットセイ)
八戸-苫小牧航路。
初夏,夥しい数のハシボソミズナギドリが,この海上を北上する。
個々の個体も,近くから観察できる機会が多くなる。
細くって短めのくちばし。そして,でこっぱち。
管鼻(かんび)も見えるくらいの近さ。
陸からは,こんなふうに見ることができない鳥。
航路に乗ったところで,出る・出ないは,運任せ。
たから,近くまで寄ってくれるだけで,すごく嬉しくなる。
美しい。
足はきれいに格納されていて,紡錘形をこわすものなし。
反対の,背中側。
波とのコラボ。
レタッチして,無理くり顔をアップすると,
楽しそうに,笑っているようにも見える。
ハシボソミズナギドリって,そんな顔つきなのだろうな。
なお,この時期は,ハシボソミズナギドリにそっくりなハイイロミズナギドリも,同じ海域にいる。
ハイイロミズナギドリは,ハシボソミズナギドリに比べると,くちばしが太くて,長く,おでこがなだらか,という微妙な違い。
ハシブトガラスとハシボソガラスの識別もままならない私にとっては,ほんと,紛らわしい。
自分でも不思議だが,ハシボソミズナギドリは,ハシボソミズナギドリとわかるが,ハイイロミズナギドリを,ハイイロミズナギドリと識別するのは,なんか,むずかしい。
翼の裏の白っぽさや,軸斑の有無も,識別ポイントのようだが,正直,よくわからない。
間違っていたら,ごめんなさい,だ。
(2024/06/15-16 ハシボソミズナギドリ,ハイイロミズナギドリ)
3日前の記事に,コアホウドリとクロアシアホウドリは,今回,掲載しない,と書いたが,やっぱり掲載することとする。
ごめんなさい。
嘘つきました。
以前,クロアシアホウドリを載せたとき,どのようにこの長い翼を折りたたんでいるのか不思議,というような嬉しいコメントをいただいたので,今回撮影にした写真から選んで,それがよくわかるものを残しておくこととする。
以下,連続写真。
海に浮かんでいるクロアシアホウドリ。
船が近づいていくと,翼をふわっと持ち上げた。
ほどける翼。
もっとほどけてきた。
そうかぁ,長い翼は,こんなふうに仕舞われていたんだ。
ここから,ほどけた翼を伸ばしていく。
もっと。
重いし,翼が長すぎるので,飛び立つのが大変。
翼を伸ばすと同時に,助走を始める。
がんばって,水上を走る。
少し浮いてきた。
空中に浮かんだ。
最後の一蹴り。
飛んだ。
後は,風をつかまえる。
(2024/06/15 クロアシアホウドリ)