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鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

完全シンクロ!

2025年03月10日 | 秋田県_県央(大潟村/男鹿市)
 そろそろ,ガンたちも,北に向かう時期。
 

 ハクガンやシジュウカラガンたちを,お見送りするため,大潟村に行ってきた。

 ハクガンは,1か所にまとまっていた。
 
 
 ほかの群れもあったかもしれないが,1月初旬に来たときより,かなり少なくなった感じ。
 
 
 渡っていく前の栄養補給に,余念なし。

 
 みんな,くちばしが泥だらけだし,白い胸が泥で汚れている子もいた。



 これが,本来のハクガンの姿。
 
 この群れにいたアオハクガンは,1羽。

 
 
 この子,前回来たときに出会った子と同じだろうか?

 
 この子は,前回の1月3日に来たときに撮影した子だが,首の上や後ろまで黒かったし,胸から下は,お腹まで黒くなかった。



 そう,そう,アルプスの少女に出てくるロッテンマイヤーさんだった。
 今回の子は,どう見ても,ロッテンマイヤーさんではなかった。
 
 この子は,宮城で,12/7に撮影した子で,首のほとんどが白だし,全体に白っぽい。
 
 
 模様が変化しないことを前提にすると,今回いた子は,前回ここにいた子とも,宮城にいた子とも,違うと思われる。

 違う個体だとすれば,今までどこにいた個体なのだろう?
 わからないことができると,なんか,楽しい。
 
 しばらく見ていると,ハクガンたちは,少しずつ,隣の田んぼに移動。
 
 
 数羽ずつ,飛んで,移動する。

 
 このときは ...,

 
 一度に,たくさん飛んで,びっくり。
 


 全部飛んでしまうのかとドキッとしたが,すぐ近くに着陸。

 
 しばらく待っていると,アオハクガンも移動。

 
 おぉ,シンクロっている!



 翼の格好まで,完全シンクロじゃないの。

 
 偶然か?


 いや,いや。

 
 こんなことって,ある?

 
 もしかして,このふたり,できちゃっている?
 でも,夫婦でも,こんなことはないな。
 
 これを機に,ハクガンたちとはお別れ。

 
 また来季!
 
 シジュウカラガンは,前回来たときより,増えた印象。

 
 いたるところにいて,マガンやヒシクイと共に,冬田んぼを賑わせていた。
 
 
 宮城県内にどっさりいたシジュウカラガンたちが,ここまで,北上してきたのかもしれない。

  
 上の写真は,合成して連続写真を作ったようにも見えるが,普通に撮ったもので,もちろん,全部,それぞれ,別の個体。


 
 この子たちの中には,宮城で出会った子も,混ざっているかもしれない。

 
 今季も楽しませてくれて,ありがとう。
 
 この子たちとも,今季は,ここでお別れ。

 
 また来季!
 
 そして,オジロワシも登場。

 
 まだ若い個体だったが,翼を広げると,迫力がある。

 
 オジロワシは,北海道には通年いるので,北海道に行けば,これからも,会えるかもしれない。
 
 ツグミは,かなり大きな群れを作り,元気に飛び回っていた。

 
 大きな群れを作っていた,ということは,渡りの準備をしていたのか,それとも,まさに渡りの途中だったのか。
 
 いずれ,仙台に戻れば,今の時期,その辺にどっさりいる鳥。
 
(2025/03/01  ハクガン,シジュウカラガン)
 
 
 
 

頭を投げる?!

2025年03月09日 | 秋田県_県央(大潟村/男鹿市)

 ヘッドスローというらしい。

 え?!  頭,投げんの? 

 
 このディスプレイは,大きく分けて,三段階。
 
 第一段階。
 ぐっと首を伸ばす。

 
 第二段階。
 首を曲げ,頭を後ろに投げ出す。


 
 これがヘッドスローの語源か。
 
 正面から見ると,まん丸の白いお餅のようになる。

 
 このお餅は,後ろに,メスがくっついていた。
 
 
 この段階が,一連のディスプレイのメイン。
 
 第二段階でお餅になった後は,口を開け,なにやら叫んでいる風になる。

 
 群れ全体から,ヴィー,ヴィーと声が聞こえてきたが,このときの声だったかもしれない。
 
 これを,第二段階のAバージョンとするならば,Bバージョンもある。
 
 Bバージョンは,お餅になった後,両足のヒレで,後ろに水をかいて,水しぶきを上げる。



 より激しく,アピールができる感じ。
 
 最後の第三段階。
 
 首を左右に振りながら,元の姿勢に戻る。

 
 元の姿勢に戻るときは,必ず,首を左右に振る。これが決まり。
 
 この段階にも,Bバージョンがあって,元の姿勢に戻る前,天にくちばしを突き刺すように,伸び上がる。



 それから,左右に首を振って,元の姿勢に戻る。
 
 
 第二段階でBバージョンだったとき,その流れで,そのまま,第三段階もBバージョンになることが多いようだ。

 
 
 以上が,ホオジロガモの求愛ディスプレイ=ヘッドスローディスプレイの基本。

 いっちょ前に,若いオスも,やっていた。
 
 
 これは,もっと進んだ段階なのか,メスを引き連れて,首を,ゆっくりと,左右に振り続ける行動も見られた。


 落としたメスを,さらに,じんわりと口説いている感じ。

 
 このときは,首を振っているオスに,メスが続き,その後ろに,さらに,若いオスが付いていた。

 
 そのうち,メスが,オスの受け入れを許すかのように,姿勢を低くした。
 


 そして,感極まったように,天に伸び上がった。

 
 この,首を左右に振る動きは,まだ喃語しか話せない孫も,今,遊びでやっていて,周囲のおとながそれを真似ると,大喜びする。
 
 閑話休題。
 
 人間も鳥と一緒だな,って話。
 
 さて,ホオジロガモたちがいたのは,船越水道と言って,八郎潟残存湖と日本海を結ぶ水路。

 
 毎冬,ホオジロガモなどがたくさん入るところで,コオリガモが入った年もあった。
 
 この船越水道を超えて,ず〜っと行った男鹿半島先端付近が,私の生まれ故郷。
 
(2025/03/01  ホオジロガモ)

悪物顔

2025年01月12日 | 秋田県_県央(大潟村/男鹿市)

 冬のオオセグロカモメは,悪物顔。

 どう?




 ちょいワル?
 
 こうなると,もう,『ワル』そのものだ。


 
 可愛い系も良いが,私は,こういうのも大好き。
 
 悪物顔のオオセグロカモメがいたら,もっと悪く見える顔がないか,と探してしまう。

 
 冬のオオセグロカモメの楽しみ方のお勧めだ。
 
(2025/01/04 オオセグロカモメ)

今年の初カモメ

2025年01月11日 | 秋田県_県央(大潟村/男鹿市)

 1月4日,男鹿半島の南磯を走っていたら,ワシカモメが,目に飛び込んできた。

 すぐに車を止め,観察。
 
 
 この近辺は,毎年,ワシカモメが入るが,会えるかどうかは,運次第。
 
 
 今回は,運が良かった。

 鳥見人以外の人には,『カモメなんて,皆同じなのに...』と,呆れられるかもしれない。

 
 しかし,背中の色と後ろに突き出した初列風切の色が,薄い灰色で,同一色なのを見ると,なんとも嬉しくなる。
 
 オオセグロカモメは,もっと背中の色が濃くて,後ろに突き出した初列風切は黒いので,違いは歴然。


 
 ワシカモメは,北東北では普通にいるのだが,ウミネコやオオセグロカモメに比べると,数が少ないので,やっぱり,会えると嬉しくなる。

 
 このワシカモメ,飛んだところも撮りたかったが,よそ見している間に飛び立ってしまい,気づいたときには,後ろ姿になっていた。

 
 よくあることだ。
 また今度。
 
 この先の椿漁港やその周辺は,冬,ウミスズメやオオハムなども入るのだが,この日は,スカ。

 
 ヒメウが1羽,防波堤に張り付いているのみだった。
 
(2025/01/04  ワシカモメ,オオセグロカモメ)

降るような雪雁

2025年01月10日 | 秋田県_県央(大潟村/男鹿市)

 え? 

 なんで,なんもない雪景色を撮ったんだっけ?
 
 と思って,よく見たら,夥(おびただ)しい数のハクガンが写っていた。
 


 そうだった。
 撮った記憶がある。

 
 わかりやすく,場面を切り取ると,こう。

 
 こんな光景を見たくて,今季も,奥羽山脈を超えて,ここにやって来た。

 
 ハクガン(英名Snow goose)は,英名に『雪』があるとおり,その存在自体が雪であるかのように,雪景色に紛れてしまう。

 
 たくさんのハクガンが,雪景色の中。

 
 というか,ハクガンそのものが,雪景色。

 
 私は,手に10本,足に10本,合わせて20本も指があるが,それでも,こんなにたくさんのハクガンは数え切れない。

 
 一緒に来ていた妻の指を借りても足りない。
 
 パソコンでも,スマホでも,よく見えないかもしれないが,下の写真は,左端から右端まで,ぎっしりとハクガンがいる。

 
 子どもの割合が多い群れがいた。

 
 ペアの姿もあり。
 
 
 このような光景は,これからも,増えていくことを予感させてくれる。
 
 空を埋めるハクガン。





 雪のように降るハクガン。





 飛ぶハクガン。





 
 夥しいハクガンの中には,緑色104の首輪を付けた個体もあり。



 青色型の幼鳥もあり。



 青色型の成鳥もあり。



 このアオハクガン(青色型)は,頭部だけが白く,『アルプスの少女ハイジ』に出ていた家庭教師のロッテンマイヤーさんのよう。



 首元までの黒っぽい服を,きっちりと,着こなしている。



 運良く,ロッテンマイヤーさんが飛んだところも撮影できた。

 
 
 ロッテンマイヤーさん,翼の裏が,きれいだなぁ。



 ほかの白いハクガンも,翼先端の黒が,白い体に映えて,きれい。





 また,夥しいハクガンの群れに,これまた結構な数のシジュウカラガンも混ざっていた。





 
 シジュウカラガンは,ハクガンと一緒にいると,かなり小さく,めんこく見える。

 
 ハクガンは,なかなか近くを飛んでくれなかったが,シジュウカラガンは,何度か,頭上に被さるように飛んでくれた。



 
 めんこ,めんこ。

 
 こういう写真が撮れると,家に帰ってからも,じっくりと姿を楽しめる。

 
 一粒で,二度も,三度も,美味しいパターン。

 
 そして,上にシジュウカラガン,下にハクガン,という贅沢ショット。

 
 正味2〜3時間の早足鳥見だったが,夥しい数のハクガンに浸る,という所期の目的を果たすことができ,さらに,シジュウカラガンも楽しむこともできた。
 
 これも,ハクガン・シジュウカラガンの羽数回復に,力を注いでくださった方々,また,現在も継続して見守っていただいている方々のおかげだ。感謝。
 
 なお,ここに到着したとき,コミミズクも飛んでいたが,カメラが間に合わず,証拠写真のみ。

 
(2025/01/03  ハクガン,シジュウカラガン)
 
 
 
 

WATARIDORI

2024年01月24日 | 秋田県_県央(大潟村/男鹿市)

 映画「WATARIDORI」はすごかった。
 もう20年以上も前に制作された映画なのだが,渡り鳥の飛翔映像が収録された名作だ。
 なかでも,当時の私は,ハクガンのおびただしい数の飛翔映像に圧倒され,また,羨ましくも思ったものだ。

 そんな夢の光景が,今,現実になりつつある。

 ここは,八郎潟を埋め立ててできた大潟村。
 男鹿で生まれ,秋田市で育った私にとっては,その中間にあるココは地元みたいな土地。
 父母が健在のときは,里帰りついでに,毎年年末に探鳥で訪れていた地でもある。
 だから,嬉しいこと,この上ない。

 ハクガンは,それほど昔でない以前,宮城県では,1羽でも来れば話題になったし,5羽の群れを見たときなど大興奮だった。大潟村では,昔から定期的に来ていたが,それでも数羽単位。
 それが,民間レベルの人々の努力でここまで飛来数が増えた。自然に増えたのではない。

 今は,2,000羽とも言われるレベル。倍々ゲームに近い増え方をしてきたように思う。
 当時を知る者としては信じられない光景。

 復活に力を注いでいただいた方々には本当に頭が下がる。

 私も,大切な想いを持って,真摯な心で観察しなければならない。
 そう思う。

 秋田の友人は,幼鳥が少なめだと心配していたが,久しぶりに来た私の目には,幼鳥が多い群れも結構あったように見えた。



 今回来たヒトたちには,ぜひとも,次の世代をどんどん連れてきて,万単位まで増えてほしい。

 今季も,首から下が黒っぽいタイプのアオハクガンが少数混ざっていたが,今急いで見に行くことはない。今後ハクガンが増えてきたら,きっと,もっと普通に見えるようになる。

 昔の東京湾で見られたという「雪が降るように」無数と思えるほどのハクガンの光景を,生きているうちに見たいものだ。
「WATARIDORI」に映っていたのは何十万羽という群れだったので,そのレベルまでは今の百倍以上か…。

 ところで,お邪魔して知らず知らずご迷惑をおかけする地元の方々に対し,何もできない私は,意識して,その土地にお金を落としていくことにしている。

 大潟村に行ったときは,「潟の店」に寄って,パンプキンパイと佃煮を買って帰ることにしている。
 大潟村唯一のホテル,「サンルーラル大潟」に隣接する日帰り温泉「ボルダー潟の湯」もすごく良い温泉だ。

【付記】
 ここにたどり着くまでの道路,また,探鳥地周辺の道路は,雪が降るようになると,ABSのブレーキも効かないようなつるっつるのアイスバーンになることがある。私は,橋がかかる道路の坂道で,くるっと一回転して反対車線の向こう側まで滑ってしまったことがある。このときは,たまたま対向車がなかったので命拾い。
 大潟村内では,猛吹雪になると,周囲が全く見えないホワイトアウトになる。テレビのニュースでは,ホワイトアウトと称して,背景がうっすら見える映像を流しているが,現実,ひどいときは一寸先も見えない。目をつぶったまま運転するのと同じ状態。怖いことこの上ない。
 積雪時,車での探鳥中,雪に埋まってタイヤが空回りし,立ち往生したこともある。当時,ジムニーだったが,それでも,お腹が雪につかえてタイヤが空回りし,雪原の中で身動きできなくなった。このときは,JAFの助けで命拾い。案内する目印もない場所だったので,ご迷惑をおかけしてしまった。携帯の電池もなくなり,ホント,ピンチだった。逆に,雪に埋まった車に遭遇し,近くの消防署からロープを借りて牽引して助けたこともある。助け合いは冬の秋田の常識。
 秋田自動車道などは事故が原因の通行止めになることも多く,年末,秋田の実家でテレビを見ていると,毎年,何度も何度も通行止めと解除のお知らせが流れていた。通行止めで現地に着くのが遅れるのはまだ良いが,その原因になったら多大なご迷惑をかけることとなる。秋田の人は雪道でも飛ばすから,真似をしてはだめ。

 時期,天候条件などによっては,命がけとなることを覚悟。
 運転初心者にはお勧めしない探鳥地。

(2023/12/09-10 ハクガン)