鳥が大好き!

秋田出身仙台在住の鳥見人が主に東北の野鳥をアップしています。

白い首がにゅっ

2024年06月14日 | 宮城県_蒲生干潟

 どきっとした。

 七北田川の水上に,見たことない鳥の白い首が突き出ていた。

 え,なに?

 落ち着いてよく見たら,なんと,ウミウちゃんだった。

 それにしても,随分と比重が重くないかな。

 何食った?

 あ,羽さ,水しもったが?

 しゃっけべなぁ。

(2024/06/01  ウミウ)


イワツバメの捕食

2024年06月13日 | 宮城県_蒲生干潟

 偶然に撮れた1枚。

 
 口を開けたイワツバメのすぐ先に小さな虫がいる。
 
 この時点で見つけているようだが,写真に虫は写っていなかった。
 
 
 普段は,ツバメ類を撮ろうなんて,無謀なことはしないのだが,ここでイワツバメを見たのが初めてだったので,身の程をわきまえず,手を出してしまった。
 
 
 やっぱり,ほぼ全滅だったが,写っているのも,少ないながら,あった。
 
 
 イワツバメは,橋梁やビルに営巣するので,この仙台港の工場群のどこかに営巣しているのかもしれない。
 
 
 こちらは,ツバメ。
 
 
 イワツバメと一緒に飛んでいたが,イワツバメより低空を飛んでいた。
 
 
 尾にある白斑がきれい。
 
 この日は,すぐ近くに,こんな花たちもいた。
 
 
 ハマナス。
 
 
 ハマヒルガオ。
 
 
 
 みんな紫色一色だったが,この花だけ一部白かった。
 
(2024/06/01  イワツバメ,ツバメ)

シギチのめんこ№1

2024年05月22日 | 宮城県_蒲生干潟

 目がクリッとして大きいから,目大千鳥 → メダイチドリ。
 この名前は,昨今,付けられたものではなく,藩政時代からの由緒ある名前。

 コサメビタキも,目がクリッとして大きいから,目大ひたき(メダイヒタキ)の異名があったようだ。

 そのコサメビタキが,私のなかでは,写真写りナンバーワンなのだが,「目大」仲間のこの鳥も,とっても良い。

 無理とは思いつつ,顔をアップしてみた。
 スマホなら,なんとかいけるかな。

 同じような写真で恐縮だが,連張り。

 ほかのチドリにも,目が大きい子がいるが,メダイチドリは,体やくちばしとのバランスが,ちょうど良い。

 おまけに,飛翔写真も置いておこう。

 なお,昔の流行歌に出てくる「目ん無い千鳥」は,この鳥とは全く関係ない。

 ネット検索して調べると,布などで目を隠した鬼が手を打って逃げる者を追ってつかまえる遊びから,「目隠しする」,「目が見えない」などの意味に繋がってきたようだ。

 目隠しした状態でさまよう様は,いわゆる千鳥足のようなのかもしれない。

(2024/05/04  メダイチドリ)


アカエリカイツブリの夏羽はどうなった?

2024年05月10日 | 宮城県_蒲生干潟

 3月31日,福島県の松川浦から宮城県の閖上まで,アカエリカイツブリの数をカウントしたところ,私が確認できたのは,31羽。

 1か月以上経った5月3日,再び挑戦した。

 南から北に,順番に,漁港などを巡回。

 松川浦の磯部漁港,松川浦新漁港,相馬港では,アカエリカイツブリを発見できず。

 北上し,福島県新地町の釣師浜漁港では,北側の漁港で1羽確認。

 まだ,こういう状態。なんだか,少し黒っぽいな。
 油曝じゃないと良いけど。

 県境を越えて北上し,宮城県山元町の磯浜漁港に寄るが,ここでも発見できず。

 亘理町の鳥の海では,荒浜港北導流堤前の水路に3羽,鳥の海の中に1羽,計4羽。

 3羽中1羽の個体は,かなり換羽が進んでいて,あともうちょっと。
 首の色が変わってきているが,胸が白い個体。
 4月26日の記事で紹介した個体と同じ個体かもしれない。

 こちらの個体は,少し兆しが出てきたか。

 こちらの個体はまだ進んでいない。

 こちらは,鳥の海の中にいた個体だが,防波堤からのぞき込んだら,飛んでしまった。
 首は赤くなっていない。

 さらに北上して,宮城県名取市の閖上漁港では,発見できず。

 漁港の北側の名取川河口に2羽確認。

 こちらの個体も換羽が進んでいない。

 もう1羽の方も。

 この個体,スマホ画像では小さくって見にくいかもしれないが,上くちばしの先端が欠損していた。
 元気そうだったので,餌は採れているとは思うのだが,ちょっと心配。

 5月3日の観察では,以上,7羽を確認した。
 うち,夏羽になってきていたのは,鳥の海にいた1羽のみ。率にすると1割5分もいっていない。
 逆に言うと,7羽中6羽,つまり,85%以上は5月に入っても夏羽になっていなかった,ってこと。

 3月31日に31羽だった個体が,5月3日時点で7羽に減っていたが,それでも,アカエリカイツブリの個体数としては多いと思う。しかも,私1人の観察で,かつ,緻密に巡回したわけではないので,実際はこの何倍もいたと思う。

 以前は,1日巡回しても,全然見られなくってもおかしくない鳥だったので,今季は異常に多かったのではないか。

 翌日の5月4日,蒲生干潟に接する七北田川河口にも行ってみた。
 確か,ここにも,アカエリカイツブリが滞在していたはず。

 行ったのは,午後の干潮に向かう時間帯で,かつ,GW。
 潮干狩りや釣り人,水遊びの家族連れなどで,川の方も人で一杯だったが,2羽確認できた。

 光の当たり具合による見え方の違いもあるが,1羽は,換羽がかなり進んできている感じ。

 もう1羽も進んでいる感じだが,もうちょっとか?

 以上,5月3日,4日の巡回で,私がよく行くフィールド内に,9羽の居残りアカエリカイツブリを確認。

 もうすでに5月なので,すぐに皆いなくなってもおかしくはないのだが,1羽でもいいから,ぜひとも,きれいな夏羽になるまでいてほしい。たぶん,繁殖は淡水なので,地元に残ったとしても,今いるところからは移動すると思う。

 確率が高いのは,鳥の海と七北田川河口か?

(追記)

 次の画像は,5月8日に蒲生(七北田川)で撮影したもの。
 2羽いたのが,1羽になっていた。
 元々1羽だったので,通過の個体がいなくなっただけかも。

 もう夏羽といっていいのかな?

(2024/05/03-04,08  アカエリカイツブリ)


蒲生にチュウヒ

2024年05月02日 | 宮城県_蒲生干潟

 虚を突かれ,双眼鏡でずっと見入ってしまい,撮影するのを忘れてしまった。

 まさか,ここで会えると思っていなかった。

 早春,ここでハイイロチュウヒを見かけたし,チュウヒは,井戸浦で越冬していた若鳥も見ていたので,ここのヨシ原に立ち寄っても全然おかしくないのだが,全然頭になかった。

 このまま,上空をぐるっと一周した後,北の方に飛び去っていった。

 今の時期,油断ならない。

 ギガス型だから,メス若かな?

(2024/04/26  チュウヒ)


フナムシを知る

2024年05月01日 | 宮城県_蒲生干潟

 今回は,フナムシのことを書く。

 南総里見八犬伝に出てくる毒婦の方ではなく,磯浜などにいる小さな生き物の方だ。

 なので,一般にいう,きれいな画像やかわいい画像は,一切,出てこない。
 
 フナムシが嫌いで,見たくもない,という人は,すぐさま,この記事を閉じて,次回にスキップしてほしい。
 人を不快にするのは,本意ではない。
 
 最初に何か貼っておかないと,見たくない人にも,フナムシの画像が見えてしまうので,始める前に,まず,フナムシの捕食者であるイソヒヨドリくんを貼っておく。
 
 
 このイソヒヨドリは,たぶん,フナムシを食べて越冬した個体だ。
 
 さて,フナムシだ。
 
 
 誰にでも,心に刻まれた原風景があると思うが,私の原風景は,子どもの頃,毎年夏を過ごした秋田県男鹿半島の磯浜。生まれ故郷。
 そこには,いつも,フナムシがいた。
 
 
 フナムシは,磯浜に行けば,どこにもいる身近な存在だが,案外,ホントの姿を知られていないのではないか。
 これから,夏が近づくと,目にすることが多くなってくるので,知っておくと,何かと楽しくなると思う。
 
 小学生は,夏休みの自由研究にも,使えるかもしれない。
 
 
 まず,フナムシは,虫(昆虫)ではなく,甲殻類。
 
 
 甲殻類というと,カニやエビを思い浮かべるが,近い仲間ではない。
 カニやエビのように食べられると思ったら大間違い。煮ても焼いても食えない。
 
 カニやエビは,たぶん,十脚目(エビ目)。
 フナムシは,等脚目(ワラジムシ目)に属する。
 エビやカニよりも,
ワラジムシやダンゴムシに近い種だ。
 
 
 足は7対で,計14本。
 この足で,さわさわと,素速く動く。
 子どもの頃,釣りの餌にするため,手で捕まえたことがあるが,速くて,捕まえるのが大変だった。
 
 
 こんなにたくさんの足があって,よく足が絡まないな,と感心する。
 
 目は大きな複眼が2つ。
 見方によっては,かわいく見えないこともない。
 
 
 頭部には,長い触角が2本。
 
 
 尾部には,2つに枝分かれした尾脚が2本。
 
 
 これを,尾脚,というらしい。
 よく見ると,二股の形がユニークで面白い。
 美脚ではなく,尾脚。「脚」が付くが,脚ではない。
 何に使われているのかは,よくわからない。
 
 全体的には,黒っぽい体色だが,黄色い斑があるなど,個体差が結構あるようだ。
 個体を収集・分類すると,それはそれで面白そう。
 タイプ分けしている人もいるような気がするが,どうだろう?
 
 
 海辺にある食べられるものは何でも食べる,いわゆる掃除屋。
 打ち上げられた藻類や生物の死骸などを食べることにより,磯浜をきれいに保つことに,大きく貢献している。
 
 
 何でも食べるので,油断すると,漁業者が干している魚を齧ったりすることもあるようだが,基本,人に害を与えることはない。
 
 数千,数万のフナムシが人を襲うパニック映画があったら,無茶苦茶怖いだろうな,と思うが,現実は,人影が差しただけで,サーッと逃げる方。
 
 
 鳥や魚のエサにもなって,食われているし。
 
 
 フナムシで,意外なのは,海辺生まれの海辺育ちなのに,泳げないこと。
 海に落ちようものなら,すぐに上がらないと死んでしまうらしい。
 そう聞くと,捕まえて,海にポチャンと落としてみたくなる。ホントなのかな。
 
 
 これまで書いてきたように,フナムシは,海辺の環境保全にすごく貢献しているし,人間に対して,何も悪いことをしていない。
 なのに,多くのヒトたちに嫌われているし,ありがたくも思われていない。
 
 そして,普通に,鳥や魚に食われ,間違って海に落ちると死んでしまう。弱い生き物だ。
 
 
 切ない生き物だなぁ。
 フナムシも。
 
(2024/04/17  フナムシ)
 

松川浦から小川原湖へ

2024年04月30日 | 宮城県_蒲生干潟

 4月26日の朝6時半,仙台・蒲生に到着して,干潟内を一望したら,いた。

 4月13日の記事に取り上げたコブハクチョウたち。

 たぶん,この冬,福島・松川浦で越冬していた子たち。

 繁殖地の青森・小川原湖に向かう途中,ここに立ち寄って,休憩していたのだろう。

 外来種ではあるが,東北生まれ,東北育ちの子たち。

 この近くに,チュウシャクシギたちが飛んできた。

 ちょうど,シギチのシーズンに入ったところ。

 コブハクチョウが背景のチュウシャクシギの画。

 主人公がチュウシャクシギなのは,やむなし。 

 右端の子が首を伸ばした。

 何か合図をしているかのよう。

 目が合った。

 メダイチドリなどを見ているときに,背後から,バサバサと大きな音がした。

 北に向かって飛び立ったのは,8時26分だった。

 上空を巡回することもなく,北に向かって,まっしぐらに飛んでいった。

 青森で生まれ育った,この子たちの子どもが,6~7か月後,また福島に行くのかな?

(2024/04/26  コブハクチョウ)


気がついた人だけの幸せ

2024年04月28日 | 宮城県_蒲生干潟

 今,ヒヨドリがどんどん渡っている。

 
 山でも海でも,また,町なかでも,上空を,数十羽から数百羽の群れが渡っている。
 
 
 秋の渡りは北から南だが,今の渡りは南から北。
 
 
 海峡を渡る大きな群れが,よくテレビや新聞で取り上げられるが,実は,身近なところを,より小規模で渡っている。
 

 
 この日は海岸にいたが,何度か,ヒヨドリの群れが頭上を飛んだ。
 
 
 前兆がある。
 
 ヒヨドリ(鵯)は,卑しい鳥と書くのが似合うほど,ときにやかましく鳴く鳥だが,渡りのときの声は,とても優しい。
 
 
 互いに,その存在を確かめあっているように,柔らかな声で鳴き交わしながら,飛ぶ。
 
 
 低空を渡っていくので,群れが近づいてくると,この声が聞こえ,群れが見える。
 
 
 ちょっと気を向けるだけで,双眼鏡などの道具がなくても,いつも生活しているその場所で楽しめる。
 
 
 気づいた人だけが味わうことができる,日常生活の中の幸せ。
 
 これもそうかな?
 
 
 ナナホシテントウの星が,ハートになっていた。
 
(2024/04/25  ヒヨドリ)

通過っ,つう感じ。

2024年04月24日 | 宮城県_蒲生干潟

 遠くをシギチの群れが飛んでいた。

 
 砂浜の波打ち際に降りたようだ。
 
 
 すぐに乳酸がたまるようになった情けない足の筋肉に鞭打って,ひいこら,はぁはぁ言いながら,海岸に到着。
 
 いた,いた。と,思ったら,また飛んだ。
 
 
 良かった。すぐ近くに降りてくれた。
 
 
 海だから,ダイゼンかな?

 再び,はぁはぁいいながら,安全距離を取りつつ,順光側に回る。
 
 
 ムナグロだった。24羽。
 
 
 ダイゼンとは腹黒仲間😊だが,英名で Golden Plover と言うように,上面が金色。
 

 
 田んぼの中も良いが,海バックもきれい。
 
 ダイゼンっぽい色合いの子もいた。
 
 
 あ,また飛んだ。
 
 
 飛ぶ姿も,また,きれいだが,いなくならないでくれ~。
 
 
 思いは届かず。
 
 
 ほんのひとときの逢瀬だった。
 
 
 今回は,採餌する様子もなく,通過って感じ。
 いよいよ,渡りの季節が始まったな。
 
 なお,この日,砂浜の片隅には,ナナホシテントウのさなぎが,た〜くさん,いた。
 
 
 幼虫も。
 
 
 成虫は,1匹しか見当たらなかった。
 ナナホシテントウだけど,背中の星がふたつに分かれているから,ヤツホシ。
 
 
 テントウムシは,天道虫。つまり,天の道の虫で,縁起が良い虫。
 中でも,ナナホシテントウは,ラッキーセブンにつながる幸運を呼ぶ虫とされており,その中でも,8つの星を持つナナホシテントウを見たら,末広がりで,将来まで続く素晴らしいことが起きる,という。
 
 信じないで。今作った作り話だから...。
 
(2024/04/17  ムナグロ)
 
 

いま春がきて君はきれいになった?

2024年04月15日 | 宮城県_蒲生干潟

 蒲生にいたダイサギの話。

 
 宮城でも,百花繚乱の春に突入。
 
 
 ダイサギもきれいになってきた。
 
 これは,3月24日,まだ冬羽が残っている,伊豆沼のダイサギ。
 
 
 顔を拡大すると,こんな感じ。
 
 
 これが,4月12日,蒲生のダイサギ。
 
 
 目先が,鮮やかな青緑に変わった。
 そして,くちばしは,黄→黒に変わった。
 
 
 顔がすっかりきれいになった。
 
 飾り羽も出てきた。
 
 
 い〜ま〜,はるがぁきて〜,きみ〜は〜,きれいにぃ,なった〜♪ て感じ。
 
 
 て,ウソぴょ〜ん。
 
 3月の子と4月の子は,別人(別亜種)でした〜。
 
 
 ここに掲載した3月の子は亜種ダイサギ,4月の子は亜種チュウダイサギ。

 亜種チュウダイサギは,冬も居残る個体もあるが,基本,夏鳥で,日本で繁殖するのはこちらの亜種。
 亜種ダイサギは北方系で,まもなく,ほとんどはいなくなるはず。
 2亜種は,よ~く見ても,見分けできないほど,似通っている。
 
 年中,同じダイサギがいるように見えるが,気付かないうちに入れ替わって,別人になる,という話。
 
 鳥だから楽しい話ですむが,もし,自分の一番近しい人が,気付かないうちに,別人に入れ替わるとすれば...。

 SF小説の古典「盗まれた街」(ジャック・フィニイ著,映画「ボディスナッチャー」原作)は,そんな話だったな。

(2024/04/10  ダイサギ 亜種ダイサギ・亜種チュウダイサギ)
 
<補記>
 亜種ダイサギと亜種チュウダイサギは,一緒にいると大きさが歴然と違うし,また,アオサギと一緒にいると,アオサギがものさしになってくれるので,識別は比較的容易。亜種ダイサギは,アオサギ以上の大きさ。亜種チュウダイサギは,アオサギより小さい。
 と,いっても,首を縮めたときと伸ばしたときの大きさが全然違うので,同じ姿勢でないと比較がむずかしい。
 まして,1羽だけでは,ホント,よくわからない。
 脛(人でいうと腿のように見えるところ)の色で識別できる,というが,亜種チュウダイサギも,脛の上の方が淡色のものが多いので,迷うときが多い。この記事で亜種ダイサギとした個体は,黄色が混じったまだらになっていたので,わかりやすい亜種ダイサギ。
 私は,脛上部の白っぽさは無視して,それ以外の足全体が真っ黒なのを,亜種チュウダイサギとしているが,亜種ダイサギでもそのように見える個体はあるかもしれない。

冬の尻尾

2024年04月04日 | 宮城県_蒲生干潟

 この日は,まもなく新年度になる,という3月30日。

 もう,とっくにいなくなったと思っていたオオハクチョウが,朝,大沼に入っていた。

 3羽の家族。

 互いに意思を通わせるように,首を上げたり,下げたりし,シンクロさせていた。

 その後,8時前には飛び立って,一旦,南に向かったが,すぐに方向転換し,北東の方に向かって飛んでいった。

 大沼には,休憩で立ち寄っただけかな。

 驚いたのは,蒲生にいたこの子。

 蒲生干潟と七北田川河口を繋ぐ導流堤を,海側の方に,渡っていったら,足元の岸辺に,この子がいた。

 休憩していたところを起こしてしまった。申し訳ない。

 ヒドリガモの群れが岸辺で休んでいて,その中にいたのだが,暴風が吹き荒れていたため,よく前が見えず,全然,気付いていなかった。

 危うく飛ばしてしまうところだった。

 とってもきれいな子。

 アメリカヒドリのオスは,目の後ろの緑帯が特徴なのだが,こんなに緑がきれいな子は,少ないと思う。

 連れ合い風のメスは,アメリカヒドリでなく,ヒドリガモだった。

 顔の褐色味は微妙だが,くちばしの付け根が黒くない。

 そして,決定打は,翼の付け根の腋羽が白ではない。
 異種間交流だった。

 いずれ,この子たちは,北の繁殖地への渡去直前。

 最後の最後に,サービスしてくれた。

 行ってしまう冬,の,尻尾。

 チャンスの神様には前髪しかない,というが,尻尾はあった。

 たぶん,この尻尾は,まだ,ある。

(2024/03/30  オオハクチョウ,アメリカヒドリ)


さえずる鳥と目が合う

2024年03月30日 | 宮城県_蒲生干潟

 季節が進み,蒲生のフィールドでも,鳥たちがにぎやかになってきた。

 ホオジロは,木の高いところでさえずるイメージだが,この子は,目線の高さでさえずっていた。
 
 
 しかも,さえずっていたのは,遊歩道の脇。
 
 
 脇を通るとき,やむなく,一旦,どいてもらったが,帰りも,同じような場所でさえずっていた。
 
 
 申し訳ないが,人が通るところにいるあなたが悪い。ごめん。
 
 通るよ。
 
 
 そ,そんなに,にらまないで。
 
 このカワラヒワも,目線の高さでさえずっていた。
 
 
 以前,記事に載せたカワラヒワは単独だったが,今回は群れの中の1羽。
 
 
 以前の子は,「ビーン」,オンリーだったが,この子は,複雑に鳴いて,最後に,「ビーン」,と鳴いて,締めている。
 
 そのパターンを繰り返して,さえずっていた。
 
 
 よく見ると,口を閉じたまま,複雑に鳴き,「ビーン」と締めるところで,口を開いていた。

 ん? 締めながら,開いていた?
 いや,開きながら,締めていた??
 ん?ん?
 
 
 いや,いや,そういう目で見ないでほしい。
 
 
 この子は,遊歩道のどん詰まりにいて,すぐに,ほかの仲間とともに,移動していった。
 
 こちらは閖上にいたヒバリ。
 このヒバリも,目の高さでさえずっていた。
 
 
 ヒバリは,上空でさえずるイメージが強いが,このように,地上でさえずることも,普通にある。
 
 
 飛びながら1日中さえずるって,すごくエネルギーを使うだろうから,ときどきは,こんなズルもしたくもなるだろう。
 
 
 ちょっと恥ずかしそうな目で,こっちを見ていた。
 
 
 それにしても,そこをどいてくれないと,車に乗れないんだけど…。
 
(2024/03/23  ホオジロ,カワラヒワ,ヒバリ)
 
 
 
 

黒頭巾ちゃん気をつけて

2024年03月29日 | 宮城県_蒲生干潟

 オオジュリンが,夏羽に換わってきていた。


 夏羽になると,オスは,黒い頭巾をかぶったように,頭が真っ黒になるが,まだらになってきた。
 
 
 オオジュリンの夏羽換羽は,羽の先が擦り切れて,中に仕込んでいた夏の装いが,表に出るタイプ。
 
 
 まもなく4月になるとはいえ,宮城は,まだ,雪が降る季節を抜けていない。
 
 
 薄着になると,まだ,寒いときもあるかもしれない。
 
 
 気をつけて。
 
 それにしても,春の同じような時期に,ちょうど良いあんばいに,一斉に擦り切れる,て,どういうことなんだろう。
 
 何か,特別な秘密が,隠されているような気がする。
 
 ちなみに,夏場のオオジュリンは,こんな感じ。


(2018/07/16  北海道紋別市)
 
 この画像は北海道のものだが,以前は,北海道まで行かなくても,本州北部でも観察できていた。

 今はどうなんだろう?
 
(2024/03/23-24  オオジュリン)

女子1人をめぐる3人の男子のお話

2024年03月27日 | 宮城県_蒲生干潟

 この子たち。

 3人の男子が,1人の女子の周りをぐるぐる。

 アピールを始める男子。

 「どう,オレ,カッコいいべ。」

 「髪型もどうよ。」

 急展開。

 左から第4の男子が登場。

 「なんだ,なんだ。」

 敏感に反応する男子2人。

 1人は後ろで傍観。

 最初に突っかけてきたのは,第4の男子。

 攻撃を避けて,男子1人が飛んだ。

 傍観していた右端の男子。漁夫の利を狙っていそう。

 やっぱり。

 抜けがけで,ちょっかいを出し始めた。

 こういう奴って,人間にもいそう。

 隙があれば,そこを突いてくる奴。

 その後,再び,3人の男子と1人の女子になる。

 数は男子3人で変わりないが,入れ替わったかどうかは不明。

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 このときに撮影した画像データを見返すと,コガモの求愛ディスプレイは,次の4つの技に類型化できるようだ。(私が勝手に分類して名前を付けたもの)

 A  首屈曲立ち上がり

 B  寝そべり首ひねり

 C  尻上げ三角

 D  お尻ふりふり

A 首屈曲立ち上がり

 首を下にグィッと曲げる。

 そして,この姿勢から,力業で立ち上がる。

 「どうだい。ボクはこんなにも,大きく,たくましいぞ。」

 これは,筋力を必要とする技のように思われる。

B 寝そべり首ひねり

 アゴを突き出して,体を平たくする。

 そして,頭部を女子に見せるように,首をひねる。

 「どう? こんなにフサフサだよ!」

 これは,柔軟性を必要とする技のように思われる。

C 尻上げ三角

 ヨガのようなこのポーズは,上半身が A 首屈曲立ち上がり をしながら,お尻を上げる,という難易度の高い技。

 こうすると,翼のグレーと白,翼鏡の緑,お尻(下尾筒)のクリーム色と黒が,きれいに揃う。

 筋力と柔軟性,技術など,各要素の能力が高い者でないとできない技だからこそ,女子に「あら,すてき。」と思ってもらえる。

 難易度が最も高いが,見栄えも一番。
 コガモ究極の技とも言えよう。

D お尻ふりふり

 お尻をふりふりするだけだから,筋力も,柔軟性も,求められない技。

 だからこそ,むずかしい …,

 かもしれない。

 見る側の心ひとつで評価が決まる技だ。
 というか,そもそも,技ですらない可能性もあるし。
 さらに,求愛とは関係ないかもしれないし。

 ただの,お尻ふりふり,かぁ。

 以上,コガモ男子は,A~D,又は,A~Cの技を,繰り出して女子にアピール。
 
 こうしてまとめてみると,先日3/20の記事,「ヨシガモの求愛ディスプレイ」に掲載していた,ヨシガモの技と共通している。

 ヨシガモも,A~Cに類似の技は,行っていた。

 もしかして,ヨシガモとコガモは近い種なのか,と,日本鳥類目録改訂第7版を見ると,ヨシガモもコガモも,同じマガモ属だった。

 と,いうことは,A~Cの技は,この2種に限らず,カモのほかの種でも行っている可能性がある。

 また,見る楽しみが増えたな。

 究極の技,「尻上げ三角」に注目しよう。

(2024/03/23 コガモ)

 


う!

2024年03月12日 | 宮城県_蒲生干潟

 水辺で鳥見をしていると,必ずと言っていいほど,「ウ」に出会う。

 ヒメウはわかりやすいので良いが,ウミウとカワウは,よく見ないと識別できない。

 ま,似たようなもんだし,「ウ」の識別は億劫だ。
 いいかぁ,と思って。フィールドノートには,ウの仲間,という意味で,「ウsp.」なんて書くことが多い。ホントは,良くないんだけど。

 しかし,こういうふうに,カワウとウミウに並ばれると,億劫さが,ワクワクに変わる。

 左がウミウ,右がカワウ。

 人によって識別方法は違うと思うが,私は,カワウの口元がカタカナの「カ」になっていることで判定。
 「カ」という字の,肩の,真っすぐに降りてくる線が,カワウの口角と一緒。

 「カワウ」の「カ」だし,覚えやすい。

 上の画像は右向きだが,左向きのときは,まさに「カ」。

 下の画像はウミウ。

 「カ」ではなく,口角の尻尾がとんがっている。
 これをもって,「ウミウ」の「ウ」の形,という人がいるが,私は,想像力不足でよくわからない。

 ウミウは,顔の白いところが多い(=目のラインを超える)のも,識別ポイントだが,わかりづらい。
 遠くからだと白い部分で見分けられそうだが,やはり,口角を見ないと安心できない。

 色でも見分けられる(カワウは背が褐色)というし,大きさ(ウミウの方が大きい)も違う。
 慣れた人は,飛んでいるときのプロポーション(=カワウは翼の位置が中央,ウミウはやや後ろ)でも見分けられるというが,これも微妙。
 
 下の画像は,2月3日,1月以上前のもの。

 潮位が違うせいで,岩が水上に露出しているが,場所は同じところ。

 同じように,ウミウとカワウが並んでた。

 ウミウ。このころ,この子は,まだ冬羽だった。

 顔の白いところが大きく,ウミウ!!って感じ。識別しやすい。

 下は,カワウ。もう夏羽になっていた。

 それにしても,1月経っても,同じように並んでいた,ということ?

(2024/03/09 ウミウ,カワウ)