スズキ目/ハタ科(八丈島・乙千代ヶ浜タイドプール・2cm・0.5m)
黒潮の影響を受ける南日本に広く分布するが温暖な海域ほど個体数は多い。海外では紅海を含むインド・太平洋域から広く知られる。沿岸浅所の岩礁域やサンゴ礁域に生息する。本種は生活岩と呼ばれる特定のの岩やサンゴの根、崖などを生活基盤としており、そこから遠く離れることはない。日中、潮に乗って流れてくる動物プランクトンを主食とし、夜間は生活岩の穴や亀裂に入って眠る。捕食者が近づくなど危険を感じたときも、これらの穴や亀裂の中に入る。ひとつの群れには幼魚、雄、雌が混じる。小さな群れではその中に雄は1個体だけであるが、群れが大きくなるにつれて雄の数は増加する。本種も他のハナダイ亜科同様、雌性先熟型の性転換を行う。この写真の個体は台風後にタイドプールで観察されたもの。(山と渓谷社「日本の海水魚」参考)