fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

Feldubung in Chiba:

2008-03-25 00:00:00 | biologie*
臨海実習に行ってきました。
今回はうちの大学が主催したわけじゃないんですけど、
まぁちょっとした人脈の関係で(?)、某博物館の実習へ。
色々な大学・博物館などから人が来てましたね。

最初2日が結構な雨天だったので採集が出来ず、どうなることかと思ったのですが、
3日目以降は良い天気でヨカッタ♪


磯採集に、ドレッジなどなど行ないました。
勿論自前のチューブなり何なりを持ち込み、一通り月並み~マニアックなのまで採集。
ホシムシ(星口動物門; Sipuncula の動物のことだよ)探して、
ゴカイの棲管なんぞを崩しまくっていたんだけれども、何故か全然見つからねぇ…
でも隣でそれと知らずに採集なさっていた方がいた。どゆこと?

とりあえず個人で採ったのはこんな感じでーす。

こまごました連中中心。
やっぱり節足動物(Arthropoda)が多いかな。あと棘皮動物(Echinodermata) とか。
毎度皆よく採る軟体動物(Mollusca)はあまり採らなかったのね。めぼしいウミウシが見つけられなかったから。
私、貝系は実はそーこーまーでーはー惹かれない方なのです。
でもクロヘリアメフラシ Aplysia parvula Morch あたり採ったよ。 

では、採集した動物の1つ、ハナサキフサゴカイ Terebella ehrenbergi Grube 。

環形動物門(Annelida) 多毛綱(Polychaeta)の動物。
その数、多様性において、殆ど磯動物のメインを占める奴らですね。

あと、ドレッジでは期待通りウミグモやらワレカラやらが沢山採れました。
ウミグモはまずほぼ ツメナガウミグモ Propallene longiceps (Bohm) 、
ワレカラは、まぁ数種ありましたが期待していた2種には巡り逢えませんでした。


他、漁港より。

ホウボウ Chelidonichthys spinosus (McClleland, 1844) はアクアパッツァにしたら美味しそう…
ツノザメがナイスです☆
今まで 軟骨魚綱(Chondrichthyes)の解剖はやったことも見たこともなかったので、ヤッター☆であります。
解剖は、スズキ Lateolabrax japonicus (Cuvier et Valenciennes, 1828) とともに、
裏BLOGに載せておきました。(※グロ注意!) Passは"解剖する"です。

スケッチは今回ごく少量でした。
対象はおサカナ(そういや殆ど描いたことないな)で、時間は30min程しかなかったので、ザッと。

魚は本気で同定しようと思ったら、鰭条の本数・種類、鰓の構造などを調べなきゃならんので、
簡単そうで実は結構面倒です。
でもま、ネンブツダイ Apogon semilineatus Temminck and Schlegel,1843 ぐらいなら
パッと見でそれと分かりますが…


そうそう、今回のMVPはコイツです。

ドレッジで1個体だけ見つけた、
腕足動物門(Brachiopoda)、シャミセンガイの一種!!!

え、ただの貝?と思われる方はあるだろうか。
たしかにパッと見は二枚貝(Bivalvia)に似ているかもしれないけれども、
内部構造も系統的にも全く異なる、あまり見つからないため研究も殆ど進んでいない、
言わば謎のグループなんである。
まぁ ミドリシャミセンガイ Lingula anatina は有明海などで伝統的に食用にされていますけどね(でも殆ど流通はないのかな)。
こんな超レアな生物を食用にする文化も珍しいらしく、
だからこそ明治の頃、ハーヴァード大のエドワード・シルベスター・モース(Edward Sylvester Morse)は来日したのです。
シャミセンガイを追って。
彼が大森貝塚を発見したことは小学生でも知っていますが、腕足類を研究していたことは知られていませんね。
歴史学より動物学が専門だったんだけどにゃあ。

ちなみに、この海域からシャミセンガイが出たのはらしいです。
俺が第1発見者(!?)。
「論文書けよ論文!」って冗談で云われましたが、まぁそれには資料がまだまだ足りないっすよ。
これから突き詰めねば…
私、専門は脊椎動物(Vertebrata)なんですがねぇ(笑)。


標本を大量に持って帰ったので、これから整理していきます。
出来ればこの場でもいくつか紹介していきますね☆

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