Always Autumn

Letter from Perth

メルボルン・カップ

2007-11-07 17:51:06 | この国とかパースのお話
昨日、雑用があったので、久しぶりにバスに乗って街まで出かけました。

電車・バスの料金を支払う時には、運転手に行き先を告げて現金を払うか
日本の“Suika”のようなカード―
こちらでは、その名も“Smart Rider”(“おりこうライダー”)という―
があって、ほとんどの人はこれを使います。
私も、いつもそれを使ってバスに乗ります。

昨日もいつものように、バスの磁気カードを専用の機械に当てたのですが・・・

シーーーーン。

あ、あれ?
いつもはピッ、とか言うのに。

戸惑っていると、運転手さんが
「あ、たまにね、カードを膨れてる財布に入れたままスキャンすると、反応しないから」って言うので

いや、膨れるほど、中身入っとらんですって内心、一人で突っ込みをしながら
カードそのものを引っ張り出したら・・・

『げっ』。
ド・・・ドキッ

あぁ~ちょっとちょっと・・・せっかちな運転手さん。
既にバスは走り出しちゃってるよ~
でも、こ、これ、どうしよう
バスのカードと思って持って来たのは、本屋の会員カードじゃないっすか
全然、おりこうライダー・カードじゃないです

「あ、あのすみません、変なカード持って来ちゃって・・・。
今、現金でバス代出します・・・って
わっ!!!
50ドル札(≒5千円札)しかないし!!!」

ひたすら慌てふためいていたら、次のバス停に止まって、客が乗ってくる。

まだ未練がましく、小銭はないものかと、財布の中をごそごそ捜す私。
「Nothing・・・

50ドル分のおつりなんて全然ない運転手さんが、困った顔で私に
「う~ん。
50ドル札しかないのか~。
何、どこまで行くの?」と、聞く。

「シティです・・・」

「シティかぁ・・・。
いや、乗せて行ってあげたいのも山々だけど・・・
そう言って“ただ乗りさせろ”って言うやからも居るからねぇ・・・
あ、でもあんたはそうは見えないけどさ~あはは

あははってちょっと・・・。
きっとここで私が、もっと若いカワイ子ちゃんだったら
ただ乗りオッケ~だったかもと思いながらないない、そんなこと

「い、いえ、すみません、ここで降ろしてください
「そお?じゃぁね

なんつーかもう、恥ずかしくていたたまれず、バスを振り返ることもなく、その場を去り・・・
我が家にもう一度引き返して、小銭を見つけて
次のバスで、今度こそシティへと向かいました。

ヤレヤレ、と席に着く。
しばらく乗っていると、ちょいとおしゃれな女性が二人、私の後ろに座りました。

二人の会話:

「今年は、どれが良さそう~?」
「うん、○○○って言うのが評判よ」
「それにしようかな~」
「私は、毎年、いくらかは勝つのよ。でも去年は外れたわ
まさか日本の馬が1・2位とはね~。
おばあちゃんの言うことを聞いておけば良かったわ

・・・ふむふむ。どうやら彼女らは、どこかでお昼を食べながら
この日のイベントに参加するのでしょう。

毎年11月の第一火曜日は、豪州の有名イベント、メルボルン・カップの日なのです。

イベントだ、お祭りだと言っても、要は競馬ですよ、競馬
ギャンブル、ギャンブル!
何を皆様、盛り上がるのか、分かりません。

それでも、146年も続いている伝統行事なのです。
メルボルン大都市圏ではメルボルンカップ・デーとして祝日になっているし
競馬のために祝日となるのは、世界でもオーストラリアだけだそうですよ。
気合が入ってるよね~。

開催地のメルボルン、フレミントン競馬場では、女性が華やかな服を着て
カラフルな帽子をかぶって、観戦しに来ることでも有名です。
ファッション・コンテストも行われるようです。

去年は、日本の馬が1位・2位になりました。
日本馬及びアジア調教馬が優勝したのは、初めてだったのです。

それで、あのバスの女性は“去年は外れた”のでしょう。
彼女のおばあちゃんは、当てたのかな?
っていうか、毎年当てるのか、あの人は・・・すごいな・・・

などと考えながら、町を歩くとちらほらと
おしゃれをした人つば広の派手な帽子をかぶった女性を見かけました。
でも、パースでは祝日ではありませんから、皆さん、普通にお仕事をしています。

馬が3200mを走る、その年の王者を決めるほんの数分間のメイン・レース。

その数分間は
“The race that stops a nation”(“国の時を止めるレース”)と言われています・

確かに、その本戦の時間が近くなったら、パースの街の中がやけに静かになりました。
極端に人通りが、ささーーっと引いてしまったのです。

皆、どこかでの大画面で中継を見ていたのでしょうか。
賭けている人も、そうで無い人も。
息を潜めて画面に釘付けになるのです。
国の時を止めるレースとは、よく言ったものです。

ちなみに今年は豪州のが勝ちました。




あれは、娘がまだ小学校1年生か2年生だった時のこと。

メルボルン・カップの日に、家に帰るなり
「△△のが勝ったよ~」なんて目をキラキラさせて言うので
「えっ 何で知ってるの

「うん、皆でね、見てた

み・・・見せるのか
アレを、学校で

中身は何であれ、楽しもうって言う心がけなのだろうか
一応伝統行事だし?

なんだかな~。
それを聞いた時は、時が止まるどころか、こっちの心臓が止まるかと思ったものでした


































Comments (2)
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