バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

英語指導のコツ20 英語は反復を嫌う2

2019-11-18 10:52:25 | 私の英語講習
英語は反復を嫌う -2-  that とit とone って?

 it はわかったよ。that との違いを簡単に言えば、that は始めに物をさしていうことばで、相手が言ったものを指して、その代わりに「今言ったそれは」という意味ではないのです。つまりthatは言った単語を受ける言葉じゃないということです。これは復習です。
でも今のところは、と言っておきましょう。
 ところで、one という言葉もよくみた単語です。

 one は数字の「一」というのはだれでも知っています。ところがone には 反復を避けるために代名詞で度々使われるのです。
 例えば、 
  Look at a pencil.
と先生が言うと、言われたほうは 「とにかくひとつのえんぴつ」を見ればいいんのです。そうですよね。ところが言われたほうは 「長いの?」とか「短いの?」「どんな色?」と、どのえんぴつを見ろって言ってんだろうと思って、
 S: This one?
  T: No, that green one.
  S: This green one?
  T: Yes. That's it.

 というような会話になる場合があります。
このone というのは pencil のことです。英語はもう同じ pencil をなんども使いたくないのです。えんぴつのこととわかっているのですから one
ですましてしまいます。
 one の代わりに it を使えません。「あの緑の今君が言ったそれ?」「この緑の今先生が言ったそれ?」
 と話が展開しているとチンプンカンプンです。
 
 身体を動かしてやってみましょう。
  Look at a chair.

「えっ、どのイス?このイス?」と英語で言うとこうなります。
 Which one? This one?
 「違う、あれ、あの汚いイス。(今言った)それはドアのそばにあります。
No, that one、that dirty one.
 It is by the door.

 となります。相手が言ったそのものを指す(受ける)のが it、one は どのデスクでもよいからひとつのデスクを選んでいるだけです。
 反復を嫌っていますね。英語は不思議なもので代名詞の反復はとても歓迎しています。
その理由を考えるだけでもおもしろいと思います。日本語は反復大好きだから、どうして英語はここまで反復を嫌うのだろう、と。 でも文を聞くときは一切気にしないほうがいいのです。弱く聞こえます。

it は何を指しているのかその語を書きなさい、というような問題はよくありました。文脈をたどるときというのは it は何を指していっているのかわからないとわからなくなります。it というのは英語の中でも最重要な単語です。

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英語指導のコツ19 反復を嫌う1

2019-11-15 10:19:28 | 私の英語講習
 昨日「語族」について調べていました。12の語族が書かれていました。その下位に語派あります。先祖は語族で、語派はそこから派生した言語です。有名なインド・ヨーロッパ語族というのがありますが、これはスラブ語派、その下位に東スラブ語群があり、さらのその下位に現在のロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語ってあるわけです。語派はバルゴ語派、ゲルマン語派、ケルト語派、イタリック語派、ギリシャ語派、アルバニア語派、インド・イラン語派(これが一番語が多くインド・ヨーロッパ語の基本的な形式をよく保っている、とされている)、アルメニア語派、アナトリア語派とあります。英語はもちろんインドヨーロッパ語族なのですが、地理的にはケルト語派(スコットランドもウェールズもそうですから)分類の中に出てきません。詳しく調べると、英語、ドイツ語、オランダ語、デンマーク語はゲルマン語派だそうです。日本語は独自の日本語族です。下位に日本語派、琉球語派があります。シナ・チベット語族とも違います。朝鮮、モンゴルとも違います。
 人類がアフリカを出て、どの辺で集団がまとまり大きな集団となり、またそこから離れて別の地域を目指した様子がなんとなくわかります。イランからインドへ渡る人々。イタリアの方に渡る人々、シベリアを通り、アラスカに渡り、さらに南下した人々。それは何万年という年月に渡るちょっとづつの移動です。アマゾン流域にたどり着き、そこを生きる場所にしたグループもいました。ヤノマミ、ピダハン・・・現在ですら文明と接触しないイゾラドはアマゾン川流域にいます。

 さて、英語です。混ざり合った言語です。いずれ、どの単語がどの語派からきているのか一覧したいと思います。

英語は反復を嫌う

it と that

 教科書を開くと、すぐに it とか that とか this とでてきます。この違いも実はよくわかりません。
  What’s that?(What is that?)
That is a pen.

とは答えないのです。
 It is a pen.
と答えます。This is a pen. とは答えません。

 このit は「今言ったそれは(を、に)と理解します。
 It を「それは」と記憶すると難しくなります。That も あれはとかそれはという意味ですし、
 That is my book. と言えば「それは僕の本だよ」って感じになります。itと区別するのにthat を「あれは」と便宜的に教えますが、that はさっきだれかが言ったものを指していう言葉ではないのです。初めて話題にだす時に使うのです。受けて使う言葉じゃないのです。
 it はだれかが言ったひとつの物を指して、言う言葉なのです。英語は、反復を嫌うのです。これは日本語との大きな違いです。
 
例えば、
 Is the book your book or my book?
  とは言いません。Book を3回も使っています。
  これは「今言ったその本は君の本?それとも僕の本ですか?」
という意味で日本語だけみればさしあたりOKで、あまり異和感はないのです。ところが英語の世界では異和感だらけなのです。

普通には、
 Is it yours or mine?
と言います。book はどこにもないでしょ。反復を嫌うんです。
 it のことを代名詞というけれど、この代名詞は喋ったり聞いたりするときはあまりよく聞こえないけど、書いたりするときには重要で厄介なものなのです。

 What's this? ときかれたら、It's a pen. と応えるますね。
 これは何? あなたが今言ったそれはペンです。
 そういう風に理解しておくとずっと便利です。
 典型的な昔の学校の教科書を例にだしてみましょうか。

T: Is this a book or a pen? (見たらわかるだろうっていうの)
 S: It's a pen
 T: Is it black or red?
 S: It's black.
 T: Do you like it?
 S: No. I don't like it

 It というのは全部黒いペンのことを言っていますね。
だから一度話題に上ったひとつのものを言い換えていっているのです。

同じ言葉を何度も使うのを英語は嫌うのは英語の世界では徹底しています。

「昨日ね、僕ね、ケンくんの家に行ってね、ケン君のお母さんにケーキをごちそうになったんだ。そしたらケン君のお母さんはみんな食べちゃって、っていうからさ、みんな食べちゃったよ。」

 この日本語あんまり妙じゃないでしょ。ところが英語ではそうはいきません。ケン君は2度目からは his になるしね。お母さんは she となるしね、とても代名詞にうるさいのです。これで受験英語は悩まされます。
 どうでもいいようなことなのです。声にだすとよく聞こえないし、他のことばとくっついてしまって聞こえるし、どうでもいいよ、ってことなんですけど、言ったりするときは必ずちゃんと言わなければならないのです。
 しかし英語の聞き取りは代名詞を無視して聞けば「聞けるコツ」はつかめるのです。強く聞こえてくる音だけを拾えば意味はわかるようになっていますから。

 英語はどうして反復を嫌うようになったのでしょうか。その辺も語族、語派に関係しているようです。逆に日本語はなぜに同じ言葉を繰り返し使うのでしょうか。そもそもぼくの小さな頃は三人称の代名詞なんてありませんでしたからね。「彼は」なんて使いませんでした。      

英語指導のコツ18 a と the の指導

2019-11-14 10:42:16 | 私の英語講習
 700年前、アフリカは気候変動でサバンナとなりました。安全を図るのに樹木の上で暮らしていた猿人は直立歩行をして腕に食べ物を抱えて移動できるようになりました。有名なのはアウストラロピテクスです。そしていよホモハビリスが出てきます。石器を使うヒトが現れたのです。直立歩行によって「道具」を生み出し、「脳を大きく」させたようです。しかし彼らは猿人です。いよいよ原人と言われるヒトが出てきます。ホモ・エレクトスです。アウストラロピテクスが身長140~150cmくらいだったのに対して、160~180cmくらいあったようです。大体180万年前くらいからアウストラロピテクスから進化したようです。脳の大きさは900~1100ccくらいで、猿人の2倍以上になっています。

 彼らはいよいよアフリカを出ます。そしてアフリカを出て旧人類となっていきます。ネアンデルタール人という肌の色は白く、頑強で、背も高い。脳も大きい。ぼくはヨーロッパの人たちの中にネアンデルタール人の遺伝子が我々日本人よりも多く入っているような気がします。このネアンデルタール人は強すぎて滅んでしまうのです。新人類のように弱いからこそ集団を組み、知恵を働かせて獲物をとろうとするよりは、少人数で獲物に襲いかかるというぐあいです。
 最後まで生き残っていくのはホモ・サピエンスですが、特徴は「弱いから集団を組む」「集団を維持するために、また合理的であるために一夫一婦制をとる」

 ぼくはエジプトやメソポタミアから出てヨーロッパに進出していったいいくつかの群の言葉が英語でありフランス語でありドイツ語だと思います。おそらくヨーロッパの言語は英語と共通の何かを持っているはずです。
 喧嘩早いのはネアンデルタール人の血のような気がします。やったら徹底ですもんね。アメリカなんかはヨーロッパから移住してきた人たちが作った国ですが、やることは空から爆弾の嵐ですからね。彼らはワンパターン化して空爆をします。核爆弾も空から落としたのです。言語が違うということは人間も違う、という風にも言えると思います。また共通したところもあります。

 別の言語を学ぶということはその言語がもたらす物の考え方を学ぶ、と言うこともできます。

 さて、前置きが長くなりました。今回は、
a と the の違い です。 

      1.This is a book.
      2.This is the book.

 物の名前(名詞)の前についてくる a 。このa というのはどういうときに名詞の前に置くのでしょうか。
a は「いろいろあるなかでどれでもいいから1つ」とおぼえておくと便利です。
   This is a book. は 「これは(どれでもいいから世界にある本の中のうちの一冊の)本です」 という意味です。
「ひとつの」と理解すれば、単純に「ひとつの」と覚えてしまえば基準がわかならくなってしまいます。
Look at a book.
 book前に a をついていると、その辺にあるどれでもよいから一冊の本を見たらよいのです。
 ところが Look at the book. というのは、「今言ったその」本を指します。 
 This is the book. は「これが〈君や僕が今言った〉その本だ」 という意味です。 the というのは 「今我々が話題にしたその○○」「だれにでもわかっているその○○」ということなのです。
 話し相手にも、自分にもどれを指して言っているのかわかっている場合に使います。

 ですから、ほとんどの人に分かっている新聞社の名前や川の名前とかにも the が つきます。the Asahi (朝日新聞)とかね、 the Nile (ナイル河)とか the Pacific Ocean (太平洋)とかですね。
 復習です。ここに5冊の本が置いてあるとします。
 Look at a book. と言われたら、「どれでもよいから一冊」の本を見ればいいのです。 そして、
 Touch the book. と言われたら、見たその本を触るのです。身体で実感できるはずです。
身体を通して実感すると理解が早くなります。言葉をおぼえる時の決定的な動機づけになります。
    
  練習
   Look at a chair. 椅子を見て。
   Touch the chair. (今見た)椅子を触って。
   Point to a pencil. えんぴつを(どれでもいいから1本)指さして。
   Take the pencil. (その今言った)えんぴつを取って。
point to というのは「指でさす」ということです。

 どうしても指示されたことによって動作をしなければならない時とか、どうしても言わなければならないときに言葉というのはおぼえていくものなのでう。

 ということで、
  a はいくつもあるなかでどれでもよいからひとつの〇〇
  the は今言ったその。だれでも知っているその

 ということで終わりにします。

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英語指導のコツ17 強く聞こえる音

2019-11-13 15:35:11 | 私の英語講習
強く聞こえてくる語をとらえる
 
英語には強く言うところと弱く言うところがあって、強く聞こえてくるところを聞き逃さず、何を言っているのかとらえたらいいのです。
 例えば
  Could you tell me the way to the station? といいまわしは、tell way station が聞けたらわかるのです。これは日本語の言い方とはまったく違います。日本語はどれも平等にひとつひとつの音をはっきりいいます。「Eki he iku michi o oshiete itadakemasuka」 英語では could も you も me も the も to も弱く聞こえます。あんまり重要じゃないから音が弱いのです。
  先生とのやりとりで、そんなことがわかってきます。こういう訓練をしていない人は、弱い音がききとれず、そこに気をとられてパニックになってしまい、あわててしまいます。
 どうでもよいことに気をとめず、肝心なところだけ聞き取る。まずはそんなところから始めましょう。
 しかし、教える側は、どんな指示文を順序だてして教えていくか、という台本のようなものがなくてはいけません。生徒は台本は知らなくていいのです。からだを通して言葉がなんとなく入っていきますから。

 私には他に初期英語指導でのリスニング力を速効でつけていく妙案がこれ以外に浮かびません。ゲームですると言ってもゲームを作る手間。それに英語文の限界があります。

 私たちはお母さんのお腹の中にいて耳が聞こえるようになってきてから、お母さんやお父さんが話しているのが聞こえていました。嬉しそうな会話も、悲しそうな会話も、お父さんが怒っているときの声も。お母さんがときどき、お腹のほうに向かって語りかけてくれたことも。そして、オギャアと言って産まれてからも1年、2年としっかりとリスニングをしてきたのです。そのリスニンの基礎があって、喃語に始まり、やっと言葉を口にし始めたのです。
 これと同じ道をたどるのが「からだを使ってリスニング練習」です。
 Total Phsical Response と英語でいいます。TPRと呼びます。。

 ここでは英語圏の先生もこの台本が使えるよう巻末の台本をのせてあります。マニュアル、または参考として利用してください。
日本文は ローマ字で書きます。



 TPR 1 はじめ

1. Stand up. Tachinasai.
2. Look to the side. Yoko o minasai.
3. Look forward. Mae o minasai.
4. Look back. Ushiro o minasai.
5. Raise your right hand. Migite o agenasai.
6. Put your right hand down. Migite o sagenasai.
7. Raise your left hand. Hidarite o agenasai.
8. Put your left hand down. Hidarite o sagenasai.
9. Clap your hands. Te o tatakinasai
10. Sit down. Suwarinasai.

これに、please をつけると丁寧になること教えます。
ここではしませんが、やがてはCan you ~ Will you ~ would you~ Could you ~ と丁寧な順につけていくこともできます。
 生徒は your という意味はなんとなく「あなたの」という意味であることがわかってくるかもしれません。来ないかもしれません。しかしそれはどちらでもいいのです。やがて必ず気がついてきます。

TPR 2  身体の部分 と your my his her

1.Touch your face. Kao o sawarinasai.
2. Feel your cheek. Hoho o nadenasai.
3.Pat your shoulder. Kata o tatakinasai.

(Poin to –)
4. your face my face anatano kao watashino kao
5. your nose my nose hana
6. your eyes my eyes me
7. your mouth my mouth kuchi
8. your lips my lips kuchibiru
9. your hand(s) my hand(s) te
10.your finger(s) my finger(s) yubi
11.your arm(s) my arm(s) ude
12. your head my head atama
13. your back my back senaka
14. his shoulder his shoulder kata
15. his leg(s) his leg(s) ashi
16. his foot(feet) his foot(feet) ashi
17. his knee(s) his knee(s) hiza
18. her toe(s) her toe(s) tsumasaki
19. her eyebrow(s) her eyebrow)s) mayu
20. her chest her chest mune
21. her stomach her stomach onaka
22. her neck her neck kubi
23. my hip your hip oshiri
24. my tongue your tongue shita
25. my teeth your teeth ha
26. my cheek your cheek hoho
27. my chin your chin ago
28. my elbow(s) your elbow(s) hiji
29. my forehead your forehead hitai
30. my nail your nail tsume
31. my ear your ear mimi
32. my skin your skin hifu(hada)

こんな調子です。一度でできなければ2つにわけて。なんどもなんどもすればいいのです。子供のやわらかい頭はどんどん吸収していきます。
his や her がでてきますが、his は男子にher は女子につけて言うのか、と思うぐらいで結構です。日本語の子供の世界では「彼の」とか「彼女の」という言葉は使いません。「お母さんの」「おとうさんの」「○○ちゃんの」と具体的です。ここも日本語と英語の大きな違いなのです。

 ALTの先生が参考になるよう、TPR No.1からNo.90 まで付録として巻末におさめています。だいたい中学1年生ぐらいまでに使えるものです。必要なものを選んでいただいて利用するのも結構です。わりあいとくどく載せていますので、削っていただいても結構です。

このTPRの台本はこのホームページからダウンロードができるようになっています。



リスニング練習は体を通して

2019-11-12 10:53:17 | 私の英語講習
パート2 英語のリスニング力をつける

リスニング力はからだを通して

 何を言っているかさえわかれば。なんとか単語を駆使して話をしてみることもできそうです。何を言っているのかわからないと困ったことが起きるので、及び腰になってしまいます。
 英語学習の初期にリスニング力をつけるのは、「身体を通して」しかありません。直接自分の耳に聞こえてきて、自分が何かをしなければならない。教科書に書かれているものをいくら聞いても直接自分のこととは関係ありません。教科書のなかでの話です。

ところが、ALTの先生が、英語がまったくわからない子供に、 Stand up, please と言います。生徒は何を言っているのかわかりません。 先生はまた同じように Stand up,please. と言います。生徒は「なんだかスタン アップ・・と言っているなあ」と思います。耳にそう聞こえているのです。でもまだ意味がわかりません。先生は、また Stand up, please. と言って、手のひらを上に向け、上の方に、なんども腕を上げます。生徒は、「あれ、立て」と言っているのかな、と思い、立ってみました。すると先生は Good boy と言い、にっこりしています。すると先生は Raise your right hand. と言いました。
「ウレイズヨアアイハン」と聞こえます。先生は手をさして hand, hand と言い、右手を指してright hand 左手を指して left hand と言います。生徒は、「手が ハンドで、ウライハンは 右手のことかな、と思います。先生はまた Raise your right hand, please. と言います。ウレイズヨアがわかりません。先生はまた Raise your right hand, please と言います。生徒はわかりません。先生は生徒の右手をとって、Raise your right hand, please. と今度はゆっくりと言って、生徒の右手を上げました。生徒は、「ウレイズ というのは上げろということか」と思います。「そうか右手を上げればいいんだ」と思い、右手をあげてみると、先生は Good boy と言いました。すると先生は、Then, raise your left hand, please. といいました。レフトと聞こえます。さっき左手を指して レフトハン レフトハン と言っていました。生徒は左手を上げました。先生はにっこり笑って Good boy と言いました。先生は Sit down,please. といいました。同時に手を下のほうに動かし、なんだか「座れ」と言っているようです。それで、思い切って、座ってみました。先生は大喜びして Good boy と言いました。
 ほっとして椅子に座ったら、また先生が Stand up, please.と言いました。今度は、すぐにすっと立ちました。

先生の言う指示を聞いてからだを動かす。これが最高のリスニング力の養成のしかたです。準備するものも何もいりません。
 先生は文法めいたことは一切言いません。

*********
 さて、一昨日の朝日新聞の読者投稿で「英語は読み書きをしっかりと」という意見で「読み書きができていれば、リスニング力、スピーキング力はなんとかなっていくものだ、というような意見が載っていました。
 ぼくはこの意見には反対です。スピーキングについてはほぼ同意見です。なんとかなります。
 なんとかならないのは「リスニング力」である。これは慣れが必要です。何度も何度もいろいろな文を聞いて理解できるようにする訓練が必要なのです。これを大人になってからやれ、というのはちょっと酷です。もういいや、となってしまいます。それではだめなのです。
 
 ぼくの友達はフランスに居ます。フランスで日本人同士結婚をし、子供が二人。今はその子供も働いています。驚くのはパリの学校に行っているとそうなるのでしょう。まず、男の子は、フランス語、日本語、英語、それの中国語ができます。結局香港の女性と結婚しました。今は日本に住んでいます。
 次女の子はフランス語、日本語、英語、ドイツに留学したことがあるので、ドイツ語、現在イタリアで仕事をしていて、イタリア語もできるようです。

 たぶんこれは環境のせいなのです。雅子皇后もそうです。いろいろな国にいたという環境です。
 日本列島人はこの点が不得手なところです。せめて英語。これを獲得させる。そして次の言語と進めばいいのです。