うちらのひとりごと。

酒と映画をこよなく愛する、多趣味な男(ことら)ときまぐれ女(こじか)のブログです。

バケモノの子

2015-07-19 23:09:46 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



3年に一度の恒例行事になりました細田守監督作品「バケモノの子」です。
もはや無条件に観に行く事になっていますね、我が家では。
2006年「時をかける少女
2009年「サマーウォーズ
2012年「おおかみこどもの雨と雪
2015年「バケモノの子」
次は2018年ですな。
次作品への願望を言うと、もう家族の話はいいかな…と思ってます。
「時をかける少女」っぽい、原作のある話なんだけど、ほぼオリジナルみたいなのをまたやって欲しいな~とか。

ちなみに今回はこりす預けてこじかと二人で観に行きました。
前回に比べると落ち着いてきた感もあるもんで。。
…決して非難する訳じゃないんだけど、こりすと同じくらいの歳の子を連れてきてるご家族が居たんですよ。
止むに止まれぬ事情があるんだろうけど、ちょっとギョッとしましたね。
細田作品って意外と子供向きじゃないんで大丈夫かな…と思ったら、やっぱ最後の方でグズってました。
お母さん難儀してましたね。
今回はエンターテイメント性高かったんで、「おおかみこどもの雨と雪」に比べたら、まだ子供ウケはするだろうけども。
現に小学生位の子多かったし。
でも、3歳くらいでは厳しいよなぁ…。


さて、見終わった後の率直な感想をふたつほど。

「今回はエンターテイメントに振りましたね~。」

「良く出来てて面白いんだが…尺を短くした方が、もっとテンポ良かったんじゃないか?(大人の事情?)」


「バケモノ」というキャラクターや世界観自体、エンターテイメント以外の何物でもなく、そこは期待通りの作品でした。
冒頭のシルエットでのバケモノ世界の事情説明のところで「おおっ、キングカズマ!」って思ったりw
とはいえ後半は現実世界の話に比重が置かれるので、そこら辺の破綻のない切り替えはさすがやな~と思ったり。

ただ、ちょっと間を取りすぎのところが何カ所かあったかなぁ…と。
冒頭の九太というか蓮の説明がちょっと長いんですよねぇ。
クジラの徘徊もちょっと長かったかなぁ…。
長くなりそうだった九太の修行はいい間でやっていたのに。
あえて長く取っていたのかどうかは分かりません。
ただ、トキカケは短い時間でテンポ良くやっていたってこともあり、「もしかして大人の事情?(どこかに「尺長くしろ」と言われた?)」なんて勘ぐったりしてます。

いや~、それにしても熊徹はいいですよ~。
近年、一番気に入ったキャラかもしれん。
この作品、観る人によって感じ方色々違うだろうけど、ことらは「熊徹の成長の物語」だと思いました。
誰にも頼らず、一人で成長して、一人で強くなった熊徹が、九太を拾う?事で、九太の親代わりになろうとするんですよね。
それも無意識に。
その辺の葛藤とか、心境の変化とかが、観てて微笑ましかったです。

無論、基本的には九太の物語なんだけどね。
まともに教えることの出来ない熊徹が苦し紛れに言った「胸ん中の剣」があんなに重要な伏線になるとは思わなかったです。
この時は「グダグダやな~。そりゃ弟子続かんわ~。」としか思わなかったんで。


バケモノが人間と住む世を異にするのは、人間の中の「闇」を恐れるから。
闇に取り込まれた人間はダークサイドに堕ちる…じゃなくて、バケモノ以上の恐ろしい存在になる。
人間は誰しも闇を抱え、胸には穴が開いている。
その穴を埋めるのが家族であり、友人であるという、結構重いメッセージが込められています。
そう、誰しも独りではないのだよ…。
あの熊徹ですら百秋坊や多々良が居たんだから。。


まぁしかし、後から考えると泣くようなシーンってのがほとんど無かったんですよね。
過去三作は結構涙腺爆発ポイントがあったのに。
前述の、九太の胸の穴を転生した熊徹が埋めるシーン、数少ない泣くシーンだと思うんだけど、そこまでじゃなかったなぁ…なんて。

その辺、こじかと色々話してたんだけど、結局のところ「よくある話」だったのかなぁ?と。
もちろん、ストーリーは良く出来てるし、大変面白かったんだけど、主人公が窮地の時に恩人が命を賭して助ける…というのは王道の展開な訳で。
今回は「おおかみこどもの雨と雪」の時のような「作りたい作品を作りました。」というよりは、「ちょっと大人の事情絡めながら作りました。」という作品だったのかな?なんて考えています。
ただ、観て面白かったのは間違いないし、観るべき作品だとも思っています。
最後の、九太が”熊徹と一緒に”一郎彦を倒すシーンは、なかなか手に汗握るし~。
「サマーウォーズ」的作品を求めてる人にはお勧めです。



…何があったかは知らないけど、今回のキャラクターザインは貞本義行じゃないんですね。
てっきりそうだと思い込んでたから、少々意外でした。
まぁ、劇中の絵とはかなり違ってたし、そのままの絵では世界観にはまらないかもなぁ~と、過去3作で思ってたんで、全く問題なしですが。

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