うちらのひとりごと。

酒と映画をこよなく愛する、多趣味な男(ことら)ときまぐれ女(こじか)のブログです。

ボーン・アルティメイタム

2007-11-24 00:57:46 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



「ジェイソン・ボーン シリーズ」完結編「ボーン・アルティメイタム」です。
やっと観てきました~。
結論から言うなら、「かなり面白かった!」です。
ブラッド・ダイヤモンド」以来の、”観なきゃ損するハリウッド映画”だったんじゃないかと。
もちろん、こちらは3作目なので、前作もある程度知ってないと充分には楽しめないんだけども…。
でも、3部作の中では一番出来がいいんじゃないかな…?
なんかね、非常に”深い”んですよ。
アクション映画なんだけど、ただのアクション映画じゃない。
ジェイソン・ボーンの自分探しの旅を通じて、色々こちらも考えさせられる…というと大げさだけど、それくらい人間ドラマでもあるんです。


物語は前作「ボーン・スプレマシー」の直後から始まります。
正確には、「スプレマシー」のラストちょっと前から。
モスクワでのネスキーの娘へのお詫び後、パメラ・ランディに連絡するまでの空白の時間と、その後の、ボーンの自分探しの旅が終結するまでが描かれています。

…いや、正直この空白の時間に、こんなに凄まじい戦いが行われてたとは思いもしなかったよ。
なにしろ「スプレマシー」の時は、パメラに電話するシーンが唯一息の抜けるシーンだと思ってたんだから…。
あの時は、全てが終わって、なにげにボーンが連絡取っただけって感じだった。
今回は、モスクワからの逃走があって、「トレッドストーン計画」が表沙汰になりかけて、それがボーンの仕業と思われて~…というくだりがあるから、パメラに連絡するシーンですら、ものすごい緊迫感。
この時、パメラはボーンの肩を持ってたから、CIA内での立場が怪しくなってて、パメラ自身も危険な状況。
これって「インファナル・アフェア」のステレオの話に通じるモノがあるなと思ったんですよね。
…作品またいでるから、ちょっと違うんだけどさ。。
でも、最初ほんわかしてたハズのシーンが、一転、緊張感みなぎるシーンに変わるという意味では一緒かな…なんて。

なんだかね、全体の雰囲気が「インファナル・アフェア」に近いと感じたんです。
話の進め方とか、伏線の張り方、見せ方、全編にわたって緊張感がある等々。
あ、ビルの屋上もね。
ここ最近にしては珍しい”2時間以内”の映画なんだけど、良い意味ですごく長く感じる2時間です。
これも「インファナル」と同じ。
それだけ密度が濃いって事なんでしょう。
相当数のシーンをカットして2時間に収めてるんだろな。
最近3時間が流行りみたいだけど、無駄なシーンが相当多いと思うんだよね…。
そういうトコをスパッとカットして2時間に収めた方が、遙かにいい映画になるよね。
そうしたら良かったのに~と思う映画がいっぱい頭に浮かぶ。。


スリルの加減もちょうどよかった。
前2作でCIAの連絡員だったニッキーがボーンに協力したことで、今度はCIAの暗殺者から狙われることになった。
モロッコの街を逃げ回るものの、確実に追い詰められていく。
それに気付いたボーン。
自らも警官隊に追われてるにも関わらず、ニッキーを救う為に懸命に後を追う。
このシーンの見せ方が絶妙。
ニッキーが追い込まれていって、観てる側がたまらなくなった位のところで、スパッとボーン側にシーンが切り替わって、ちょっと一息させてくれる。
この後大乱闘なんだけど、ここのカメラワークも凄かったな…。

名物のカーチェイスは健在でした。
今回はパトカーを奪って。
あ、その前にアウディでもやってたわ。
もぉ、過去2作を遙かに上回る迫力!
つーか、相当数のカメラ潰してるだろ。これ。
カメラワークが凄すぎて、何をやってるのか分からないところが何カ所か…。

こういう映画って血生臭いイメージがあるでしょ。
実際、血のシーンは多いけど…。
でも冷静に振り返ると、ボーンは、自分を殺す気で向かってきた相手以外は殺してないのよね。(過去はともかく)
…その分、相当数を病院送りにしてるとは思うが…。
「アルティメイタム」では、その追っ手ですら、最後は殺しません。
それどころか相手を諭す。
「何故俺を殺さなかった?」
「君は何故俺を殺す?」
「…」
「自分を見てみろ。人間と言えるか?」
自分探しの旅にケリが付いて、何か悟ったんだろね。
故に、追っ手の姿が過去の自分に重なって、いたたまれなくなる…。
何かを感じた追っ手も引き金は引かず、ボーンを見逃します。
彼は今後どんな行動を取るだろう…。

この後、ボーンは10階建てのビルの屋上から、横を流れる河へダイブします。
この時に狙撃され、しばらくの間、プカプカ浮かぶシーンが続くんだけど…
これは完全に「ボーン・アイデンティティー」の冒頭のシーンのオマージュだね。

あまりに動かないんで「え?撃たれてもた?」と思うんだけど、その後意識を取り戻して川底へ消えていきます。
TVニュースを見てるニッキー。
「ジェイソン・ボーンの遺体は3日経った今も発見されていません。」
この言葉にニコリとするニッキー。ボーンの生存を確信したんだね。

ニッキーとの会話で「俺が殺した人の関係者に謝りたい。謝ってどうなるものでもないが。」と語ってたボーン。
彼は今も贖罪の旅を続けてるんだろか…。






実はもうひとつ「インファナル・アフェア」っぽいと思ったところが。
「ボーン・シリーズ」のエンディングテーマ「EXTREME WAYS」。
今回はこの曲に対訳が付いてます。
香港映画では大抵付いてるんで、余計に「インファナルっぽい。」と思いましたね。
で、この歌って、まさにボーンのことを歌ってる歌なのね。
感心しながら対訳読んでたら
「ベイベー ベイベー」
こらっ戸田奈津子。
こんなもんまで訳さんでいいっ。

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