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うちらのひとりごと。

酒と映画をこよなく愛する、多趣味な男(ことら)ときまぐれ女(こじか)のブログです。

俺は、君のためにこそ死ににいく

2007-06-02 21:58:10 | 映画


「俺は、君のためにこそ死ににいく」
通称「オレキミ」…なんか軽い映画みたいですな。
うちだけで通用する略称なので、悪しからず。
だって、あまりにタイトル長いんだもん。

脚本・製作総指揮が石原慎太郎氏。
「特攻隊と自爆テロを一緒にするな!」と激怒してたのが印象深いです。
それはともかく、「特攻隊の真実」というコピーに惹かれました。
結構早い段階で、我が家では鑑賞に行くのが決まってたな…。
ことらが熱望したせいですが。

それにしても…なんですか、この前売り券は。。

これ1枚で3作品全て観れる…訳はなく、どれか1作品のみです。
所謂共通前売り券ですね。
これ見たときはひっくり返りそうになりましたよ。
「大帝の剣」と「憑神」はエンターテイメント作品だろうけど、「俺~」は全然毛色の違う作品なのにねぇ。



客層は、やはりというか、結構お歳を召した方が多かったです。
戦争を体験されたであろう方々ですね。
そういえば「男たちの大和」の時も、お歳を召した方が多かったな…。
忘れ得ぬ記憶なんでしょうね。
…戦争を経験してない者が言うと、何とも軽々しいですが…。
でも、故にこういう映画は必要なのかもしれません。
2度とこんな過ちを繰り返さないために。

とはいえ、作品の内容は「戦争反対!」でも「戦争美化」でもなんでもないです。
特攻に行く若者の姿を淡々と描いてる。
あまりに淡々とし過ぎていて、逆に冷静に観れるくらい。
「ドキュメンタリーだなぁ…」というのが、正直な感想。
特攻隊員の心情、その家族の想い、当時の日本の状況等々を「特攻の母」と言われる「鳥濱トメ」さんの目線で描いており、登場人物一人一人全員にドラマがあるんです。
が、ドラマがありすぎて、1カット1カットがかなり短いんですよ。
「もうちょっと引っ張れば感動も大きくなるのに~!」というシーンは数知れず。
…それが狙いなのかなぁ?あえてドキュメンタリーっぽく撮っているのかもしれません。
俳優陣が豪華なだけに、余計に「もったいない」って思いましたよ。
こじかは徳重聡に、ことらは窪塚洋介に注目。
実際のトコこの2人と、筒井道隆、岸惠子が物語を牽引しています。
やはりみんなうまいです。真に迫っていて、その演技はホントに感動させられる…。
だからこそ「もったいない」と思ったわけで。

「あの件」以来心配だった窪塚は元気でした。走って踊ってケンカして。
IWGPのキングとか、GOのクルパーとか、ピンポンのペコとか…彼の演じるキャラって好きなんですよね~。
やっぱ、俳優としての才能はスゴイと思うし、これからも続けていって欲しいです。
今はパンクバンドしてるらしいが…。


それにしても、ホントにあの頃の軍部は…というよりも、日本自体が末期だったんですね。
生き延びることよりも、死ぬことが美しいとされている。
ほとんど「死んで歴史に名を残せ」的な考え方。
出撃するも、エンジントラブルにより引き返さざるを得なくなる。
それなのに、殴り倒され、非難を浴びる。
今の目には異常だけど、当時はそれが当たり前だったんだよな…恐ろしい。

備品にしても、機材に十分に恵まれている訳でなく、あてがわれる戦闘機「隼」は見るからにポンコツ。
それでも「見事敵艦に突入してみせよ!!」なんて言われるんだから…。
反論も許されないしね。
…まぁ、いい機体を与えようにも与えられないというのが、当時の日本の状況だったんだろうけど。。
筒井道隆演じる田端少尉のエピソードがまさにこれで、彼は3度出撃して、3度ともエンジントラブルで引き返さざるを得ず、修理後の試験飛行でエンジントラブルで墜落して死亡…せめて戦場で死にたかったろうなぁ。。合掌。

何度かある戦闘シーンは特撮とCGによる物らしいんだけど、CG臭さはまったく無いです。
本当に撃ってて、本当に特攻、墜落してるように見える。
圧倒されると共に、なんとも恐怖を感じるシーンでもありました。

特攻されたアメリカ艦艇の様子も描きたかったみたいだけど…あまりに中途半端。
負傷した兵を介抱するシーンが一瞬出てきて終わり。
どうせやるなら、もっとちゃんと見せてよ~。
それはともかく、標的となったアメリカ艦艇の乗組員の恐怖も、想像を絶する物だったでしょうね。
爆弾抱えた戦闘機が、そのまま突っ込んでくるんですよ。
未だに「神風(カミカゼ)」って言われるんだから、そういう意味では当時の軍部の思惑は成功したと言えるのかも…。

事実を淡々と描いているので「史実を知る」という意味では意義ある映画です。
ただ、映画的ではないので「作品を楽しみたい」という人にはお勧めできないかも…。



内容には関係ないんだけど、参ったことがひとつ…。
お歳を召した皆様トイレ近すぎ~!!
上映時間も2時間15分と長いせいもあるだろうけど…。
せめて、先にトイレ済ましておきましょうよ。
あまりに大勢がウロウロしたもんで、それも「冷静に」観れた一因かも…。
ずっと携帯をいじってたおじいちゃんも居たし…。
やっぱ上映前には、どこの映画館でもヒッポコブラザーズを放映した方がいいんじゃないか?

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