半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第128話

2018-12-16 07:34:47 | webブログ
おはようございます、バレエ教師の半澤です!

発表会の練習が始まったよ~っ!
ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP
(オフィシャル ウエブサイト) オフィシャルサイトハピタス
その買うを、もっとハッピーに。 | ハピタス
皆様、2018年12月26日(水)に私の発表会があります。
もし、良かったら出演してみませんか?バリエーションでも良いですし、
グランパドドゥでも良いですよ!もちろんコンテンポラリーでも
良いですし、オペラでも舞台で歌います?
どうぞ、どんどん出演してください。
私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

連絡をお待ちしてますね!!

朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分から初級レベルの
レッスン、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

日曜日のバリエーションは眠りの森の見所から妖精リラのバリエーションです。
ではクリスタル・ルームでお待ちしておりますね
連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第128話
さて、ボリショイ劇場と言う建物と、門の外に取り残された男、
それを数千人の軍人たちによってぐるっと包囲されていた。
ショージは軽い脳みそを振りよく考えた。もし、その包囲を
「ちょっと失礼します…」と出てしまったら最後、その包囲の
中にはもう戻れないに違いない。

恐らくは軍人の司令官が「誰もその包囲の中には入れては
いかん!アリ一匹さえも入れるな~っ!」と命令を出して
いるのであろうから、出る事は出来ても入って来ることは
出来ないのだ。と言う事は…?出ちゃ駄目なのである。

ショージは軍人の造る壮大な円の中側で待つ事にしたのだが、
何と言ってもマイナス40度!寒くて寒くて、門から出た
瞬間に冗談では無く睫毛が凍りついた。口から吐く吐息が
まるで忍者が撒く煙幕のようになった。もっとも煙幕などと
言っても今の時代で知っている人は少ないとは思うが。

ショージは、微かな暖を摂るためにポケットからマルボロの
タバコを取り出したが、生憎ライターのガスが切れていた。
そこで軍人に近づき、「イズビニーチェ、ダイチェ 
ミニャ―、スピーチカ…?パジャールイタ」(済みませんが、
マッチを頂けますか?お願いします)すると軍人はショージの
声の方に振り向き、マシンガンを肩からブラリンと垂れ下げて、
脇に抱え込み直してから自分のポケットの中を探した。

流石に軍人だけあって、マシンガンを奪われないように
注意しているのは迫力ものだ。彼はポケットの中を必死で
探しているというのに、ショージは追い打ちをかけて
もう一度聞き直した。「アー、ウーティビア スピーチカ?」
(えー、マッチは持ってんですかね?)

ソ連の徴兵制度

その軍人は若そうで20歳~23歳くらいであろう。ソ連では
可哀そうな事に徴兵制度というのがあり、病気やゲイじゃない
限り男なら必ずこの徴兵に応じなければならない。日本も
第二次世界大戦ではこの徴兵制があったらしい。 

「マッチは?持ってんの?持って無い?」と若い軍人に
責め立てる様に聞きながら、軍人は「あったっ!」と慌てた
顔をして、ショージにマッチ箱を手渡した。ところが、
そんなただのマッチ箱を軍人は目を離さずにじっと見ている
のは用が終われば返して貰いたいからだ。「ハハハ!返すから
心配しなくても大丈夫!」

しかし、軍人が見ていたのはマッチ箱ではなかった。ショージの
出したマルボロの赤いタバコの箱に見入っていたのだ。
ショージがタバコに火を付け、ふ~と口から大きな白い煙を
出した時に、ショージが「スパシーバ!」(ありがとう)と
マッチ箱を返しても軍人はショージのタバコを見続けた。

そして軍人が今度はショージに「アー、ダイチェ ミニャー、
コリーチ、モーシュナ?」(あー、そのタバコを僕にもくれない
かな?)ショージは「カニヤーシュナ!」(勿論!)と言って
一本差し出すと、「アー、イズビミニャー、イシチョ…ドゥバ 
コリーチ…」(あー、悪いんだけど、もう2本のタバコを…)
ショージは「えっ!?」と聞き返したが、「そうか、マルボロが
珍しんだな…おっ!いい考えが浮かんだぞ!」

ショージは軍人の手をジッと見て、「その手袋、ちょっと
貸して貰えるなら…」と交渉した。「少年よ、大志を抱け!
のクラーク博士、生きるというのはこう言う事を言うん
ですか?」クラーク博士ものけぞっている事であろうか…。
(つづく)