半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第129話

2018-12-18 08:47:45 | webブログ
おはようございます、バレエ教師の半澤です!

発表会の練習が始まったよ~っ!
ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP
(オフィシャル ウエブサイト) オフィシャルサイトハピタス
その買うを、もっとハッピーに。 | ハピタス
皆様、2018年12月26日(水)に私の発表会があります。
もし、良かったら出演してみませんか?バリエーションでも良いですし、
グランパドドゥでも良いですよ!もちろんコンテンポラリーでも
良いですし、オペラでも舞台で歌います?
どうぞ、どんどん出演してください。
私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

連絡をお待ちしてますね!!

朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分から初級レベルの
レッスン、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

日曜日のバリエーションは眠りの森の見所から妖精リラのバリエーションです。
ではクリスタル・ルームでお待ちしておりますね
連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
温かい手袋
第129話
軍人は自分の手袋をすっと取り外し、ショージに手渡した。
軍人に躊躇(ちゅうちょ)はなかった。ショージは「えっ、
いいの!?」と思ったが、それほどにマルボロが欲しいの
だろう。国から手渡される給金なんかでは到底、タバコも
買えないのだ。まして外国製のタバコなんか軍人たちには
買えないし、滅多に見る事もないのだろう。

それにしても軍人が着けていた手袋の大きい事!ショージは
マルボロのタバコを箱ごとあげてしまった。そしてその手袋
をはめると、何と温かい事か。大きな手袋の中側は黒い
本当の野獣の毛が付いていた。「すんげー!」流石に軍人、
いざとなれば夜も寝ずに戦う準備をしなければならないのだ。
そんな極寒の中でも手が動くように本当の分厚い毛が軍人の
手を守っていた。

軍人が今の今まで着けていたから、その温もりが伝わって来た。
男同士の肌の温もりでも寒さに比べりゃ全然嫌な事はない。
そして軍人は大喜びした。 軍人が隊列で取り囲む円から
劇場の門に戻ったショージはバッグの中から、もう一つの
マルボロを取り出し、急いで封を切って、吸っている煙草の
火が消えない内にもう一本の煙草を取り出そうと思ったら、
今度は違う軍人が人間バリケードの隊列から抜け出て来て
ショージの所まで来た。

「あー、私にもタバコをくれませんか?あなたは寒いの
でしょう?これを貸してあげますから…」軍人は自分の
着ている軍のジャケットを脱ぎ、凍り付きそうなショージの
身体にジャケットを羽織らせた。このジャケットの中側にも
同じように野獣の毛が付いているが、「何の毛だろう?
熊かな?」しかし軍人はソ連に数万人、いや、数十万人も
いるのだろうが、そんな膨大な数の毛皮を作れる生き物って
何なのか?犬か?その毛を黒の染料で染めたのか?いや、
犬って事はないだろう。猫…?

「ぎょえーっ、気持ち悪~っ!」どうでも良さそうな事に
とても疑問を抱くショージだった。軍人にショージは
マルボロの中から、5,6本のタバコをあげた。勿論、
軍人が喜ぶのは当たり前の事だが、次の瞬間…

軍人整列…!

ショージが軍人のジャケットの袖に腕を通し、あまりの
温かさに感動して、「これなら2時間でも余裕で待てるじゃ
ないか…」と後ろを振り向いたら、2人目の軍人の後ろには
5,6人の軍人がそれぞれの手に色んな物を持って、
きちんと並んでいるではないか!「は、はあ!?」皆、もちろん
タバコが目当てなのだ。

一番目の軍人がマルボロを他の軍人たちにひけらかしたに
違いない。「嘘でしょ!?冗談じゃないよ、そんなに
マルボロは持って無いのに!」軍人は「君が寒がって
いると聞いたから、靴を貸してあげようかと思ってね…」
他の軍人は軍のシャプカを持っていた。「ちょっと、
ちょっとー!僕だってゴールデン・フォックスの美しい
シャプカを持ってんですけど?」「いや、これの方が
温かいんだぞ!君の被っているそれは昼にでも被れば
いいんだ!な、夜なんだからこっちを被ってみろ!」

ショージは軍人たちに言った。「あのー、もうタバコが
無いんです!僕はこの姿で十分ですから、す、すみません!」
軍人たちはブツブツと言っていたが、本当にマルボロの
威力たるやすさまじい!手袋にジャケット…これでカラシ
ニコフのマシンガンでも抱えていれば、ショージはソビエト
連邦の軍人の仲間入りだ。
(つづく)