半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第96話

2017-11-30 09:34:42 | webブログ
谷町開設 祝 10周年 !!!! やった~っ!

皆さん、バレエ教師の半澤です!よっしゃ~っ、レッスンしましょう~っ!!
http://hanzanov.com/ ホームページ
http://hanzanov.com/official/オフィシャル ウエブサイト)
皆様、12月23日 天皇誕生日の祭日に私の発表会があります。
もし、良かったら出演してみませんか?バリエーションでも良いですし、
グランパドドゥでも良いですよ!もちろんコンテンポラリーでも
良いですし、オペラでも舞台で歌います?
どうぞ、どんどん出演してください。
私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

連絡をお待ちしてますね!!

朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分から初級レベルの
レッスン、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

日曜日のバリエーションは考え中です。
ではクリスタル・ルームでお待ちしておりますね
連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
モスクワのメトロ(地下鉄)
第96話
ようやくホテルを出ると地下鉄を発見した。それに
乗ってボリショイ劇場に行く事にした。流石に
ソビエト連邦の首都だけに地下鉄には朝から出勤
のための途方も無い数の人並みだった。ショージは
メトロの幹線地図を眺めながら、どっちのプラット
フォームから乗ったらボリショイ劇場に行けるのか
駅員に聞き、幾ら払えばチケットが買えるのかも
聞き出した。

5カペックというコインを払えば良いらしいのだが、
ショージにはどのコインが5カペックなのかが分ら
なかった。駅員にショージの持っている手の平の
中の数枚のコインの中から選んでもらった。日本の
5円玉の様な色をしたもっと小さなコインだ。
「ほー、これで地下鉄が乗れるのか…随分と安いん
だな…さ、行こう!」

地下鉄に乗ると電車の中は薄暗く、昔の日本の
地下鉄を思い出した。ショージが母に手を引かれ、
母の叔母にあたる人が住んでいる東京の「てっぽうず」
と言う銀座の外れ辺りだっただろうか…。そして
母の美智子は叔母の家で長い事話して、母の従弟
にあたる、ショージにとっての伯父とも会った事を
想いだした。その時に乗った地下鉄が丁度こんな
モスクワの地下鉄の薄暗さであった。昭和43年の
時の事だった。しかし、この電車の中の暗さはただ
単なる照明の暗さのみならず、そこに居合わせる
人間が醸し出している暗さである事も事実だ。

 電車が次の駅に止まる前に必ず、「アスタロー
ジュナ…!ディエリ ザクリュバユッツァ スレドュ
シャヤ…!」(ご注意ください…!次に止まる駅は…!)
とアナウンスの男性の声までが暗く感じた。が、この
ロシア語のトーンと言い、アクセントの流れと言い、
決して聞きずらいトーンでは無く、言葉の流れ自体は
どちらかと言えばショージは好きだ。

「お、次の駅はプロスペクト・ミーラ?って事は、
意外にもボリショイ劇場からはそんなに遠く無い所
までやって来たんだな?よしっ、降りる用意を
しなくちゃ…地下鉄でこのプロスペクト・ミーラに
来れるのなら、ボリショイ劇場に行った後でまた
このミーラ大通りの駅に戻って、あの大きな公園で
物々交換の市場で商いをしよう…その後はまた
地下鉄でホテルに戻れるって言うわけだな、よっしゃ~!
今日も爺ぃ4人と格闘だっ!それ行け~っ!」

クレムリン…赤の広場

肝心の、ボリショイ劇場のある地下鉄の駅の名前を
駅員に聞き忘れたために、大体の見当で電車から
降りたショージ。「あれっ…お…お~っ!これは
テレビに映っていたクレムリン宮殿じゃないかっ!」
通称「赤の広場」と呼ばれている場所であった。
「じゃあ、ここにいたらソ連の主席ゴルバチョフに
会えるかな?んなわけが無いか…それにしても
だだっ広いんだな~!」それに驚くほどのツーリスト
の多さだ。

「凄いなこの赤の広場という所は…」日本にいた
時に昔テレビでよく見た。まゆ毛が毛虫みたいな
ブレジネフ書記長、そして現代になってはゴルバ
チョフ大統領が見守る中、赤の広場に数十万人の
軍人が軍事パレードをしているのを見た事があった。
巨大なミサイルや戦車も登場していた。今、ショージが
立っているこのクレムリンはごく穏やかな平静さを
保ち、軍人も時折ショージとすれ違った。

クレムリンには国を守るために戦争で亡くなった
軍人の魂を弔うための墓もある。向こうから
足並みをカパッカパッ…と合わせた3人の衛兵が
ロンドンのバッキンガム宮殿の衛兵と同じように
交代するために向こうからやって来た。足並みを
崩す事無く、同じ高さに上げた足と、その踏み込む
位置も全てが揃った美しいフォームにショージは
見惚れてしまった。「でも軍人さんたち、もうちょっと
その怖い顔はどうにかならない?あのね、口を
こうやって、イ~っと横に大きくして目を潤ませ
ながらさ…あ、なんか銃で頭をぶち抜かれそうだから
言わないでおこう!」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第95話

2017-11-29 09:32:56 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第95話
 すると5分も経たない内に、おばさんやおじさんたちが
時計を自分の腕に試着したりしながら、結局直ぐに
売れた。今日のショージのバッグの中には売り物に
なるような物はもうない。ホテルに帰ればまだ腕時計
もあるし他にもこの市場で買い手が見つかるような
物はたくさんある。これなら、あのゴールデン
フォックスの「シャプカ」の帽子を買うのにわざわざ
ドルをたくさん使わずに少ない金を換金すれば済みそう
だ。ただ、あの「シャプカ」が売れてしまった時には
残念な事になるがそれはそれで仕方が無い。
ショージには「シャプカ」は縁が無かったのだと
諦めるしかない。

「よしっ!今日はこれで商売は終わり!続きはまた
明日、ボリショイ劇場に潜り込めなかった時にすると
しよう…!さ、ボリショイに行くぞ~っ!バレエ
「ライモンダ」の全幕が僕を呼んでるのだ~っ!」

1987年12月24日 日はまた巡り…

朝、目が覚めて、ショージが一番先にするのは軽い
ストレッチと背中や足のマッサージだ。ここモスクワの
舞台の上で踊る事やレッスンも出来ないにも拘らず、
朝の寝ざめではかなり身体中が凝った。それと言うのも
ショージは極端に寝相が悪いからだ。もしビデオカメラ
で寝ている所を撮影でもしたら、ベッドの中を器用に
クルクルと時計の針の様に廻ったり、身体の左側を
下にして身体をクの字に折り曲げているだろう。
まな板の上に乗せたエビの様に恐らくなっている
だろう。上になっている右目は半開きで、口も
半開き…寝始めの前半はよだれを垂らし、後半
ともなると野獣の様ないびきを掻いて、ちょっと
常人とはかけ離れた醜い姿になってると自分でも
想像ついた。

それを朝の目覚めの30分ほどで通常の人間に
戻さなければならないのだから、マッサージと
言えど相当に大変な仕事だ。

今日も大きなバッグに一応レッスンが出来るように
支度を整え、更にあの物々交換をしているプロス
ペクト・ミーラという場所の公園で商いをするための
商品も揃えバッグの中に無事収めた。ドルを
しっかりと腹周りの薄いポシェットの財布の中に
しまい、もう一つの財布にも直ぐに取り出し可能な
数枚の1ドル紙幣とルーブル紙幣を折り曲げて
入れた。このホテル内で外国人から出来るだけ
たくさんの外貨を巻き上げようと言う魂胆の
偉く高い朝食を摂らずに早々とホテルを出て、
何処か安そうな朝食を探そうとホテルのロビー
まで降りた。

外の景色は昨日と同じで極限まで気温が下がった
雪と氷の世界だ。外に出るまで心の準備と外との
急激な温度差は心臓に悪いので暫くはロビーで
軽い足踏みをした。マイナス35度に強風。
目指すはボリショイ劇場。あの関係者入口で
爺さん4人とまた揉みくちゃの大騒動となるのを
知っていながら向かうのが「よっ!男の中の男っ!」

ロビーでも何故かショージの行動に疑問を持つ者や
ショージが単独で劇場に向かう事を知っている者も
いなければ声を掛けてくる者もいなかった。
「本当にこれで大丈夫なのか…」と心配もあるのだが、
今日は本来の目的であるボリショイ劇場…とは別に
しなければならない商売がある。

二重のドアーの外を見れば雪が横に降りつけていた。
「よし…出るぞ!」外に行く決心をして大きく
深呼吸をしてダダ~ッ!と走ってホテルのドアー
を出ると、また直ぐにクルッと方向転換してダダダッ!
と、2秒もしないうちにホテル内に走って戻って来て
しまった。「げ~っ!寒過ぎ~っ…!」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第94話

2017-11-28 09:25:09 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
不思議な商人
第94話
そんな大金のルーブルは持ち合わせがない。「ねえ、
明日もここにいる?今日はそんなにお金を持って
いないんだ…それに、もうちょっと安くならない
かな?」すると大きなおばちゃんは目をカッと見開き、
「あんたね~、このシャプカが高い高いってさっき
から何さ!あたしゃねー!安くなんかしないよっ!
えっ、何処か安い店でも探せっつーんだよっ!
へっ!何だいさっきから…それに今日売れちまえば
明日なんかここに居るわきゃないんだよっ!
売れなきゃ居るに決まってんだろうがっ!」


おばちゃん、怖~っ!ショージは後ずさりしながら、
「そんな高い帽子は今日は売れないと思うよっ!」
と言いたいところだったが、追っかけて来そうなので
上目づかいでジ~ッと見ながら公園の入口の方へ
戻った。「そんなに怒らなくてもいいじゃん!」と
舌打ちしながら公園から出て歩きだそうとした時、
ふと横を見たらダンボール箱の汚れているのが落ちて
いて、その時に「あっ、そうだっ!」とショージは
咄嗟に閃いた。

持っている大きなバッグを氷雪の上に置いてガサガサ
と中を調べて出て来たのは「なんでもカシオの
腕ドケ~イッ!!」とドラエモンみたいにモスクワの
街中に向かって叫び、そのダンボール箱も拾った。
そう…ショージは公園の中に戻り、ロシア民間商人組合
の仲間入りをする事に決めたのだ。商品とは腕時計が2つ、
鞄の中に「もしも…」のために携えていたのだ。

これは時としてタクシー代にもなり、また飯代にも
なる。流石にトイレットペーパーの代わりにはなら
ないが。実はこの国にはトイレットペーパーがない。
公衆トイレの便器の横には10センチ四方の普通の
紙の束が置いてあるのだがショージは用を足しながら
頭を横に捻った。「これどうやってロシア人は使って
いるのだろう…これじゃ用を成さないと思うけど…」
その紙は全く吸水性がなく、しかも小さ過ぎる。
この紙がどのようにして役に立っているのかロシア人に
聞いてみたかった。

公園の入口付近でまず、「ものは試し…」と思い、
バッグを段ボールの上に乗せ、中側と外側を逆にした。
すると真っ黒い裏生地が現われて、その黒いゴージャス
な敷物がアクセントとしてカシオの高級腕時計を
モスクワの市民にアピールしようっていう魂胆だ。
「ヌハハハ!私は商人だ!「ベニスの商人」にも
劣りはしないし、「ユダヤの商人」にも劣らない
だろうな!」

売る者、買う者

腕時計を黒い生地の上に乗せようとした時に、既に
その行動にいち早く気付いた人が2人いた。生地に
乗った瞬間、「ちょっと見るよ!ほ~!こりゃ何処の
時計だ?珍しいな…幾らだ?あん、値段は幾らなんだ?」
ショージはその時計を取り上げた年配の男に「これは
日本と言う国のそれはそれは精巧な造りの時計で、
滅多な事では時間が狂わない素晴らしい時計だよ…」

だが年配の男はそんな説明より「幾らだと聞いている…
え、幾らなんだ?」ショージは急に金の事を言われ
値段の設定などしていなかったので、おばちゃんの
売っていた狐の帽子、「シャプカ」の値段の半分の
金額を紙に書いたら、「へっ!冗談じゃ無い!
そんな高いの買えるかっ!イディオット(馬鹿め)!」
とまで言われてしまった。

良く考えたらそりゃそうだ…この国の人の給料の
一月分ほどもする値段を書いて見せてしまったのだから、
男が怒っているのも仕方がない。ショージは年配の男を
追いかけて、「済みません、間違えちゃった!この
値段です…」とさっきの10分の1の値段…つまり帽子の
20分の1の値段にしてみたら、「ほ…そうか…
その値段か。よしっ、貰おう!」その場で商談が成立した。
金を頂くと、「スパシーバ!(ありがとう)」と礼を言い、
もう一つの時計を出して再び黒生地の上に乗せた。
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第93話

2017-11-26 08:51:56 | webブログ
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第93話
今、こうしてモスクワの市場を歩きながら、「シュトエタ?
(これ何?)、カクエタ、ザブートゥ?(この名前は何?)、
カク、ガバリーチ パ ルスキー?(ロシア語で何と
言いますか?)」を連発しながら、売り物に触ったり
指さして、おっちゃんやおばちゃんに聞いてみた。だが
この人たちの表情は怖かった。「あんたさ、もうちょっと
その顔どうにかならないかな?」などと言おうものなら、
彼らに半殺しの目に会わされそうなのでやめておいた。

「スコーリカ パーパストイ?」(値段はいくらですか?)
と買う気も無いのに商品を指差しながら「え…ダラゴ―イ!
(高いですよ!)」とケチ付けて、頭を横に振りながら
次の店に行った。鉛筆やノートを出して書き込むのは
ちょっとこの国では怖いので、公園の端に行き誰も見て
無さそうな所で一気に書き込んだ。そして段々とこの
市場での物価が分り始めた。

シャプカ

おじちゃんやおばちゃんたちに質問を連発しながら
この公園の一番奥まで来ると、「おっ!」そこには
テーブルがあって、そのテーブルの上に幾つかの獣の
毛が付いた商品が置いてあった。傍に寄って「これを
見せてもらっても良いですか?」とおばちゃんに
聞いてみた。おばちゃんは顔の表情を微動だにせず、
首だけを縦に振ったので、ショージはその金色に輝く
毛の付いた物を手に取ると暫し考えた。

「何じゃこりゃ?」いぶかしく思いながら、ショージが
見ていると「エト、シャプカー!シャプカーッ!」
ショージも真似して「シャプカー?何それ?」と
聞き返した。するとおばちゃんは自分の頭の上に
それを乗せ、「シャプカーッ!」これでようやく分った。
これは帽子だった。

そう言えばフランス語で帽子は「シャポー」、ロシアも
フランスのファッションが雪崩込んで来たために帽子
という単語がそのまま「シャプカ」になったのだろうか。
この金色の毛がふさふさしてる帽子は明らかにゴールデン
フォックス…つまり狐だ。しかしショージが今手に
とって見ているロシアの狐の帽子の形が非常に変わって
いて両耳部分が折れ曲がるように作られてあり、しかも
顔面がスッポリと隠れるように前の部分も大きく
折れ曲がるように作ってあるのだ。

吹雪の時などには良いかもしれないが、普段使う時には
前が見えるようにおでこの上で折り曲げるように作られ
ている。綺麗な真っ白の毛と輝く金色が素敵なコント
ラストだ。「何て美しい帽子なのだろう…!」そこでまた
「エト、スコーリカ リュブリー?」(これは何ルーブル
ですか?)の質問にそれまでショージがこの市場では
聞いた事の無い桁(けた)の数字をおばちゃんは答えた。

意味が分らないからこの時だけ鉛筆と小さく切った
ノートの切れ端をおばちゃんに渡し、「書いて…」
と願うとおばちゃんは驚くような高額の数字を書いた
のだ。「こ、これは高過ぎますよ~!」と書いてくれた
紙を叩きながらおばちゃんに言うと、首を横に振り
ながら「ニエーッ!アブイチシナ!ニドラガッ!」
(いいや!これは高くないっ!これが普通の
額じゃっ!)と、バシッ!と言われてしまった。

ショージは「この帽子が欲しい…この帽子、絶対に
この場で今欲しい!」だが…
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第92話

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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第92話
ショージは極限に近いマイナスの気温の中で、
その公園の中だけが群衆の吐く息で真っ白く
霧がかかったようにぼんやりと霞む中、人々が
物を売りさばく姿や、少しでも安く多くゲット
したい人たちを見ながら再び驚くのは、どの人の
表情に笑顔が全く無い事だ。厳しい顔をして
黙々とうごめいている。公園の群衆だけでなく、
道を歩いている無数の群衆もザッザッザッ…
と雪を蹴り散らしながらその誰にも笑顔がないのだ。
そこに人間の温かみなどを感じる事が出来な
かった。皆一様に暗い。ただ何処かに行き着く
事だけを考えて黙って歩く無数の恐ろしい程の群衆。

これに似た群衆をショージは見た事がある。
それはショージがサーフィンに行こうと川崎を
通った時に、おそらく競馬場だと思うが、
その催し物が終わって帰る、負け男たちの群衆が
皆、やはり一様に押し黙って、暗く重い足取りで
一定の方向に歩く姿がこのモスクワの群衆に似て
いた。競馬場の群衆は既にポケットの中の財布の
中身をスッテンテンにしてしまって、愕然として
いる事だろう。群衆の男たちの目には未来も
無ければ、希望も全く無いような…

それならばショージは理解出来るのだが、何故、
モスクワの群衆の顔には表情が無いのだろうか…?
生きるためだけの恐ろしいほどのエネルギーが
充満している市場で、今ショージ一人だけが
大きな笑顔で走り回っていた。

勉学の場

ショージにとって言葉を学ぶ最も適した場所と
言うのが市場なのだ。これはイタリアに
行った際に覚えた事であった。イタリアに初めて
仕事として行った時に数字の1,2,3も
「お早うございます、さようなら…」も全く
分らなかったショージに市場のおばちゃんや
おじちゃんが笑いながら教えてくれたお蔭で、
ショージも楽しくて、毎日のようにノートと
鉛筆を持って習った。特に魚屋は見ているだけ
でも楽しかった。何故ならばショージは魚に
大きな興味を持っていたからだ。

ショージが手に持って書き込んでいるこの
ノートは後に辞書となり手放した事はない。
ただ、文法が滅茶苦茶なのでイタリア人と
話す時には申し訳無かったと思っているが、
それでもショージの言いたい事は話せる
ようになり、向こうの言いたい事も分るように
なった。

スウェーデンでも同じようにして言葉を
学ぼうと思ったのだが、北欧の市場を見た
時には唖然とした。寒さのせいなのか、魚も
肉も鶏肉も野菜も、イタリアの物と比べたら
大人と子供くらいの差がありミニチュア
サイズのようなものに値段だけはイタリア
よりもずっと高いからだ。これでは興味も
失せてしまう。人間というのは面白いもので
自分が学ぼうなどと思わなくても、それを
している事で実に楽しい、充実感がある、
やりがいがある!と思える時は脳が勝手に
学んでくれるようだ。
(つづく)