半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第47話

2024-07-28 08:33:43 | webブログ


バレエ教師の半澤です。
火曜日から土曜日までの朝は11時からレッスンやってます。
水曜日と金曜日の5時20分からは、小学生を対象とした
レッスンをやってます。
夜は火曜日から金曜日まで7時からです。土曜日は夕方の6時からです。
祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


皆さま、お待ちしております!


ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)


私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/



連絡をお待ちしてますね!


2024年12月28日(土曜日)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。


スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。


バリエーションは「ナポリ」から「テレジア」のバリエーションです。
男子も自分の好きなヴァリエーションしましょう!
さ、やりましょう!!


連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第47話
審査発表!
ここで審査が終了。シーンと静まる男性ダンサーたちが
一人の男を見つめた。その視線の先には監督と、監督の
娘さんであろう可愛らしい小さな2人の女の子も椅子に
座って見ている。試験に参加した全ての男性ダンサー
たちはその瞬間に自分たちの人生が掛かっているのだから、
誰もその視線を変えない。その場で結果が言い渡された。


「君!白ティ-シャツの黒人のダンサー、そして、
アジア人の君の2名だ!」ショージが指差された。
この成功率は実に300分の2であった。 最終的に
残ったのはただ2人。周りのダンサーたちは溜息と
ともに「あ~あ…!」と残念そうな声を出し、退場
して行った。黒人のダンサーはガッツポーズを取って
友人たちに肩を叩かれながら満面の笑顔だ。


しかし、ショージは今回はぬか喜びはしなかった。
どうせまたスコティッシュバレエ団の時と同じ理由で
この期待を裏切られるのが目に見えていると思ったから
だ。それは以前に起きたオーディションの際、ソリスト
としての大抜擢にも関わらず、政府側が「君はイギリス籍
ではないから、働く事は出来ない。君のために労働許可を
発行する事は出来ない!」と言った理由であった。


その場でショージはイタリアのバレエ団のディレクターに
向かって言った。「すみません…私は日本人です!
イギリス人ではないので、労働許可証を持っておりません。
どうなんでしょうか?」するとディレクターは、はっきりと
ショージに「君はイタリアに来る気持ちを持っているの
かい?持っているのなら、私が責任を持って許可証を申請
するから心配は要らない。が、イタリアまで来る気持が
ないのなら帰りなさい。すぐに決めなさい!他のダンサーに
決めなければならないから…」
 
今度ばかりは喜びで全身が反応した。「行きます、
行かせてください!お願いします!」ショージの目
から生まれて初めて喜びの涙が堰を切って滂沱(ぼうだ)
の様にぼろぼろと流れ落ちた。「ミスターラフィックさん、
僕は掴みましたよ…!とうとう掴みました…!僕は自分の
この手で本当に夢を掴む事が出来ました!ああ…
ラフィックさん」


ディレクターは大きな声で笑いながら「お願いする必要
ないよ、君はオーディションで受かったのだから。さあ、
泣いてないで食事に行こう!」ショージは両手で涙と
鼻水を拭きディレクターに「恥ずかしい話ですがお金を
持っていないので、レストランどころかカフェにも行けま
せん…」と項垂れ(うなだれ)ながら言うと、
ディレクターが更に大きな声で笑いながら「誘っている
のは僕だよ…!レストランに来る気持ちがあれば
来なさい。無いのなら無理にとは言わないが…」


レストランで食事をしながら、もうひとりのダンサーである
黒人のイギリス人、ランドルとショージは互いに自己紹介
をすると、ディレクターのマリネルは自分のバレエ団の話や
今までどのようなバレエ人生を歩んで来たかなどを話した。
そして監督が胸のポケットに手を入れ、ショージたち2人に
イタリアまでの航空チケットをくれた。ショージはそれを
無くさないように大事に胸のポケットに仕舞った。この時、
監督が驚くような事を口にした。「契約が終わった時点で
世界の何処であろうと、次に行くバレエ団のある場所までの
航空運賃も支払う」と言ったのだ。
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第46話

2024-07-27 08:29:16 | webブログ


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第46話
オーディションも終盤になった。ここからが勝負なのは
もうショージだけでなく誰にも明らかだ。審査官の男性が
ここで大きな声で「ここからは一人ずつの審査になります。
ダブルザンレール(空中で直立の姿勢で2回転)とピル
エット(つま先立ちで片足を上げての回転)、そしてアラ
セゴンドターン!(片足を身体の真横90度に上げての
回転)「はい、そこの赤い髪の毛の君から始めようっ!」
ショージは一番最後だ。


一瞬の判断と賭け


ショージはアラセゴンドのターンの際、つま先が綺麗に
伸ばす事が出来ないのとフィニッシュのまとめ方が良く
ないという2つの問題を抱えていた。いつもタイミングが
合わないのだ。が、この日だけは何故か失敗せずに、
まぐれで「バシッ!!」と成功
した。


そして試験会場のスタジオの奥の片隅から対角線上に
ダブルザンレール(空中2回転)をピアノの演奏と共に
3回繰り返す。これには自信があった。最後はピルエットだが、
早めにザンレールを決めた後にプレパレーション(回転
する前の用意)は早めに切り上げて、ピルエットを限ら
れた音楽の時間内に、出来るだけたくさん回れるよう注ぎ
込む一瞬の判断をした。ショージの持っている全てのパワー
をこの最後のピルエットにぶつけたのだ。


グングンと上がるスピード、頭の回転を身体と同調させ
ながらショージには目の前に座って見ている検査官の男性の
顔がはっきりと見て取れた。回転は8回転を超えていた。
検査会場の男性ダンサーたちから「ウオ~ッ!」と言う声が
どっと聞こえて来る。本来ならピルエットだけで終わるはず
なのだが、ショージは勝手に自分のフィニッシュの仕方を
変えた。審査官である監督が気に入るかどうか一つの賭けに
出たのだ。


これまでずっと独りで改良を続けて来たダブルザンレール
から膝をついて直接床に座るテクニックだが、ショージが
改良したのは、床に足先が触れるまでのギリギリまでつま先を
伸ばし続けておく難度の高い技だ。これを失敗すると足先は
へし折れ木端微塵になる危険性があるのだが、これが驚くほど
見ている者たちを魅了するザンレールになるからだ。


遂にショージがこれをやった瞬間、目の前の椅子に座って
いる黒いフラメンコ調のズボンを穿いたバレエ団の総監督
である男性は大きく目を開いて驚いた。そして周りの男性
ダンサーたちから「おーっ、すんげー!!」と大きな声が
湧き上がった。ショージにも手応えを感じたフィニッシュ
であった。
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第45話

2024-07-26 08:31:49 | webブログ


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
イタリアのバレエ団のオーディション
第45話
オーディション当日、ショージが通っていたコベント
ガーデンのアダン・バレエ・アカデミーの最も広い
5階スタジオ。 スコティッシュ・バレエ団の時の
ソリストの為のオーディションとは違い、ランク無し
なので人数も多いだろう…と5階に上がって目を
剥いた!やはり大勢のダンサーで溢れ返っているのだ。
ざっと300人以上だ。ショージはその数を見て
目眩がしたが、こんな数に負けてはいられない。


今までどれほどレッスンをして来たのか…一日に
3回のレッスンをして来た。練習量の数は誰にも
負けてはいない。レッスン以外の他の空いている
時間には自分の技術の改良のために全ての労力を
注ぎ込んで来た。オーディションに集まるダンサー
たちはそれぞれ廊下や溜まり場でウォーミング
アップしているがその間を縫うようにしてショージも
バッグを置き、服を脱いでタイツ姿になった。
そして足の指先から順番に筋肉をほぐして行く。


「皿洗いと空腹の飢えから脱出出来るかどうかは
今日の一戦で決まる…。もうこんな生活とは
おさらばだっ!絶対に他のダンサーたちに負ける
訳には行かない…」ショージは他の人には目も
くれず、床だけを見つめ身体じゅうの筋肉の力みを
抜いて行った。オーディションクラスも3回に
分けられ、ショージは第3グループに入れられた。


待ち時間は恐ろしく長く感じたが、とうとうバー審査
が始まった。複雑なステップの組み合わせであった。
それでもこの日は身体が軽く感じ、音楽のリズムが
楽しくさえ思えた。他のダンサーたちの姿がショージ
には見えなかった。ここは真剣勝負だ。全神経を
集中させたのだ。フラメンコに使う黒いズボンを
穿いた長髪の男性がバー審査の振りの順番を見せる
事だけがショージの視界に入っていた。そして30分
経過した。ここで暫く休憩が入り、3グループの中
から選りすぐられたダンサーの発表。


「君!そして君!それと、そこのアジア人!」
ショージを見ている。「よし、何とかクリアーか!」
30分後にセンターエクセサイズ審査が始まった。
アンシェヌマン(ステップの組み合わせ)を見せて
くれるのは芸術監督のステファネスク氏本人だ。
イタリアから来ただけあって、白いブラウスを胸まで
開けてズボンは黒いフラメンコ調。顔が少し色黒だが、
アントニオ・ガデス(フラメンコダンサーの頂点に
立つ有名なスペイン人)に実にそっくりだった。


アンシエヌマン(ステップの組み合わせ)は、かなり
基本を重視しながらの長いコンビネーションだ。最終
審査では15人ほどに絞られたが、まだクラシック
テクニックを重視した踊りが続いている。「あれ、
モダンやコンテンポラリーの試験は無いのかな?
まあその方が嬉しいけれども…。それにしても今日は
身体が本当に軽いな…」


前日の夜に2時間も掛けて身体の全ての筋肉をマッサージ
しておいたのが功を制したのだ。回転もアレグロ
(速いスピードの踊り)も大丈夫で問題は全くなかった。
ワルツの時はピルエットを音の中で回り切れるように
全速力のスピードで回転させた。それでも安定した
6回転だ。音を少しでも外せばそこが命取りになる。


審査官である長髪の男性の目は何も見逃さない確かな
目である事がショージにも他のダンサーたちも
はっきりと分かった。グランジャンプ(大きい
ジャンプの踊り)が来た。これはショージの最も
得意としている分野だ。ショージはジャンプする時に
自分が自由になるのを感じる。そして空間に漂う時、
全てが喜びに変わるのであった。
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第44話 

2024-07-25 08:18:23 | webブログ


バレエ教師の半澤です。
火曜日から土曜日までの朝は11時からレッスンやってます。
水曜日と金曜日の5時20分からは、小学生を対象とした
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夜は火曜日から金曜日まで7時からです。土曜日は夕方の6時からです。
祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第44話 
ミスターチンコ・ラフィックの話に愕然!


時折やってくる、憧れの元ロイヤルバレエ団のプリンシパル
(バレエ団の最高位)のミスター ラフィックが、「やあ…
ショージ、レッスン後にカフェでも行こうよ…」
と誘ってくれた。嬉しさで胸がいっぱいであった。
憧れのスーパーダンサー、ミスターチンコ・ラフィックがだ。
目がとても印象的で身長が185センチもの長身だ。


ラフィックとカフェに着くと、ゆっくりとラフィックが
話し出した。「パスィから聞いたよ…ショージはスコティ
ッシュ・バレエ団へは、労働ビザが出ないから行けなく
なってしまったんだってね…。残念な事だとは思うけど、
イギリスは今厳しいからね。ところで僕がまだロシアに
いた頃、キーロフ時代の友人が、イタリアでバレエ学校と
バレエ団をしているんだ…。彼の名前はマリネルと言って、
ルーマニア人で非常に素晴らしいダンサーだよ。かなり
変わった性格だけど彼の踊りは素晴らしい…。
バリシニコフと一緒のコンクールで二人同時に金メダル
だったんだ…。だから金メダルは半分に割って、
それぞれに分けたんだよ…。その彼が今度ロンドンで
オーディションをするらしいからショージも受けて
みなさい…。」


ラフィックの話しを聞いてショージは驚いた。
「バリシニコフと金メダルを半分ずつだって!? 」
だが例えそのような素晴らしいダンサーがロンドンで
オーディションをしても、きっと素晴らしいダンサー
しか連れていかないであろう。しかしラフィックと
話しが出来るのは至福の時間であった。「ラフィック
さん、分かりました…ありがとうございます!僕、
受かるとは思いませんが頑張ってやってみますね!」
ラフィックはしみじみと言った。


「僕も現役に戻りたいな…この歳になっても、バレエ
レッスンを受けるのはそれほどバレエが魅力あるから
なんだ…僕はバレエが大好きなんだよ…」ラフィック
の横顔を見るショージ。「この人は多分、40代後半
なのかな…?なんて渋くて甘味を醸し出すハンサムで
ダンディな大先輩なのか…。」顔がイギリス人俳優の
アンソニー・ホプキンスとバリシニコフを足して2で
割ったような感じだ。


 やがて、ルーマニア人ダンサーで今ではバレエ団と
バレエ学校を営むマリネルと言う男性ダンサーが
イタリアからオーディションの為にコベントガーデン
に来た。しかも、ショージの通っていた学校内の
スタジオでオーディションをすると言うポスターが
張り出されたのだ。「よし、やるしかない…
それしかない!」
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第43話

2024-07-24 08:24:51 | webブログ


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第43話
背水の陣、落ち込んでいる時間はもう無い


人間というのは、夢が吹っ飛んでしまって生活が
脅かされるその瞬間は、深い絶望感と恐怖から言葉
などなくなり、ただ震えてしまう。ショージは
しばらくの間、学校の地下にある更衣室で誰とも
話さず、ただ独り絶望感に打ちのめされて泣き震えて
いた。


だが今日の食べ物は今日中に探し出さなければなら
ないほどの貧困だった。それがまず一歩を踏み出す
引き金になったのだ。 人間は動物の本能である
「生きる」という事だけに焦点を合わせる事が出来る。
動かざる者生きるにあらず、働かざる者食うべからずと
ショージは教わって来た。頭を抱えて泣いたり時間を
掛けて悲しみを味わっている余裕など今のショージには
無かった。他人に相談してみても何も解決はしない。


リージェントパークの日本レストランへはもう戻れない
と決めていた。例えばもしショージが日本人の責任者
であるシェフに頭を下げて「すみません、バレエ団から
労働許可がおりないから、またこの店で働かせて
ください」と願ったとしても、いずれ労働許可が
おりるチャンスが巡って来た時には、ただちに店を
辞めなければならないのだ。そんな良い加減な男に
仕事をくれるはずもないと分かっているからだ。


ウォンがこっそり作ってくれたおにぎりがどれだけ
助かった事か…それを想うとショージは目が熱くなった。
ウォンの様な温かい人には滅多に出会う事が出来無い。
悲しい事だが、もう店には戻れないと自分で答えを出した。
「そうなると新しい


バイト先を見つけなければいけない…!出来る事なら
コベントガーデンに日本レストランがあれば、時間短縮
になりバレエのレッスンの後直ぐにバイトに行けるん
だけどな…」


くまなく探し歩き、暫くすると「ありゃっ?」実に
灯台元暗しで、意外にコヴェントガーデンから近い
場所に日本レストランを探し当てた。学校から歩いて
行けるとても近い場所であった。
早速、「バイトをさせてください!」と掛け合うと、
接客という形でオーケーが出た。ショージはキッチン
の方の仕事に入れて貰えた方が本当は嬉しかった。
何故ならば、ご飯または客には出せないおかずや
捨ててしまう料理の失敗作などを持ち帰れる事を
望んでいたからだ。しかしこの際どうこう言っている
時ではなかった。何でも良いから早く働いてアパート代
と地下鉄とバスの定期代を稼がないと本当に生きて
行けなくなってしまうからだ。それにしてもラッキー
だった。まさか自分の拠点地の直ぐ近くに日本レスト
ランがあるとは思いもしなかった。ショージはその日
から仕事をさせてもらい、最初の一週間の給料は
その日払いで貰えるよう店の責任者と交渉した。


これから働く日本レストランの中には食事をする
場所と同じ階にカラオケバーがあり、そこのカウンター
の中でショージはバーテンとして働いた。以前、
東京で同じような仕事をしていた経験がありバーテンの
仕事は手慣れていた。


時給は1ポンド。日本円で350円。日本のバイト
なら時給が確実に800円以上は貰えた。イギリスでは
10ペンスが10枚で1ポンド。20ペンスあれば小さな
ポテトチップが買える。30ペンスあればコロッケが
買えた。この国は物価がとても高い。1ポンドは日本円で
500円くらいに相当する。それにしても1ポンドは
低過すぎだった。だがどんなに時給が低かろうと
ショージには文句が言えなかった。他に仕事は無いし、
今のショージには選択権など無いのだ。


アパートの電気は部屋に備え付けてある料金箱の中に
コインを入れれば電気が点くようになっているのだが、
金を入れた試しは全くない。その金額は半日で50ペンス。
ショージのポケットには30ペンスしか入っていない。
コロッケが買える金…それが全財産である。


新しい仕事をこなしながら少しずつ毎日のペースを
戻した。日々の流れはやはりバレエがメインドリームだ。
オープンクラスには休む事なく通っていた。それは
教師のビビアンと旦那のパスィ先生がショージだけに
限り、レッスン料金を免除してくれたお陰だった。
ビビアンもパスィも、ロンドンではトップ人気の
オープンレッスンをしており、この2人の温かい
援助がなかったらショージはバレエを続けていられ
なかったかもしれない。
(つづく)