半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第113話

2018-06-30 10:02:19 | webブログ
おはようございます、バレエ教師の半澤です!
http://hanzanov.com/ ホームページ
http://hanzanov.com/official/オフィシャル ウエブサイト)
皆様、2018年12月26日(水)に私の発表会があります。
もし、良かったら出演してみませんか?バリエーションでも良いですし、
グランパドドゥでも良いですよ!もちろんコンテンポラリーでも
良いですし、オペラでも舞台で歌います?
どうぞ、どんどん出演してください。
私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

連絡をお待ちしてますね!!
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分から初級レベルの
レッスン、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

日曜日のバリエーションは「ファウスト」からのワルプルギスのヴァリエーション
です。テンポの良い音楽と独創的な振り付けは実に魅力的!さ、一緒に紐を
解いてみましょうよ!皆さんと一緒に学びましょうね。
ではクリスタル・ルームでお待ちしておりますね
連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ハピタス
その買うを、もっとハッピーに。 | ハピタス

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第113話
さて、ショージは数字にかけては何よりも強いと自分で
自負している。暗算に関して言えば「神童」とまで
呼ばれた事など無いものの、誰よりも軽い脳をフル回転
させてドルとルーブルの両替を必死に計算した。およそ
30分以上も掛かって、ある事にどうしても合点が行かな
かった。

「ん?1ドルがこのルーブルになるんでしょ?そしたら
僕の稼いだルーブルは何ドルになるの??えーと、えーと…」
ようやく大体の数字が頭の中に揃って来て、その不思議が
解けて来た…と、その瞬間!

ショック!

ショージの財布の中の市場で稼いだルーブルを全て取り出し、
数えて見てから、また為替レートの数字を何度もチェック
した。「こ、これって本当か…嘘だろ!?」ルーブルを
ドルに換算すると、丁度、ショージが売りさばいた商品を
買った時の値段にピッタリだったのだ。

「って言う事は、も、もしや僕は…げ~っ!100円で
買った物を100円で売っていたと言う事と同じじゃん!
んぎゃ~っ!じゃ、じゃあ、あんな寒い所でわざわざ商売
なんかしなくたって、持っていたお金をそのまま、この
銀行で両替していたら済んでいたっていう事じゃんか…
ぎょぇ~っ!?タハハハ…」と声にならない言葉が口から
出ながら「ンガガガ…」

白目を剥き出して後ろに卒倒しそうになった。慣れない
事をするものじゃないって言う事を勉強出来たわけか。
ショージはベニスの商人よりも数段商売に長けている
つもりだったのだが。「あんたバッカじゃない?」と
言う話だった。

もう済んだ話だから仕方がないが一気に気が萎えた。
「ま、良いとしておくべきだ!貴重な体験が出来たん
だから…一生涯、忘れる事の無い思い出を作ったんだし、
ソ連の人々が何を欲っしているのかも勉強出来たん
だから…」と自分で自分を慰めてみても直ぐその後に、
こんな勉強なんか金輪際するつもりはない!と自分に
腹が立った。肩の力が抜けてお尻にまで下がるほど
ショッキングな出来事であった。

「それより、早くお金を両替しないと!早くしないと
ゴールデンフォックスが売れちゃうかもしれないぞ…
いやいや、あんなに高価な物が売れるはずはないけれど、
いずれにしても時間が勿体ないか。」ショージはロシア人
なら数か月もかかって稼がなければならないたくさんの
ルーブルを持って、あの「ヨーダ」に似た妖怪こと、
度迫力おばちゃんが待つ公園に走って帰った。

マイナス40度に近い極寒のため、「歌でも歌って士気を
鼓舞しなければ!カー、リンカ、カリーンカ、カリーン
カマヤ…シャプーカ、シャプーカ、シャプーカマヤ~!
おばちゃ~ん、あんたの好きな大量のルーブルを手に
入れたぜ~っ!」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第112話

2018-06-29 09:45:16 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
おや?西洋人…それともアジア人?
第112話
「何処かに銀行は無いかな…?」広いプロスペクト・
ミーラ(ミーラ大通り)は片道が5車線ほどもある
巨大な通りで、空気が灰色によどむほど、そこには
ソ連の酷い車がボーボーと黒い排気ガスを吐き出し
ながら走っている。なんと酷い臭いか。「ゴホッ、
ゴホッ!」と咳が出るほど本当に酷い空気だった。
道行く人の数が日本などとは比較にはならない。

そして驚くのはその多種の顔ぶれだ。金髪の西洋人
みたいな髪なのに、顔がアジア人ぽい人もいれば
アラブ人もいる。かと思えば、かなり怖い人相の
モンゴル人やベトナム人もいた。「モンゴル人って
不気味なお面を着けてるみたいですね…」などと
言ってしまおうものなら、モンゴル人の人に「お前は
自分どんな顔だと思ってんだっ!」と怒られるので、
思うだけに留めておいた。

それにしても本当に色々な人種が混じった大国である。
世界地図を見ればこの国がどれほど大きな事かが一目
瞭然だ。東はシベリアから西はドイツの方まである
のだ。北は北極海の方から南は中国近くやアラブ系の
国々の近辺までだだっ広い。因みにこの当時はベトナムは
共産主義であったから、ロシアには多数のベトナム人が
入り込んでおり、中近東の方もコサックで有名な
グルージア諸国やオデッサ地方の国もソ連に包みこまれ
ていた。果てはトルコの東の方面までソビエトが無理やり
侵攻して領地を分捕ったのだ。

故に多種の人種が入り混じるのもなるほど…なのである。
そこに日本人が侵入して商売やっているのであるから、
ショージも自分の内面にあったふてぶてしさに自分でも
呆れた。「何処かに銀行は無いかな…?お、あれは
銀行じゃないかな…よしっ、行ってみよう!あ、
ポーチはちゃんと腰に…ん、大丈夫ちゃんと付いてるし。
待てよ…中身は無事か?チャックを開いて…よしっ、
大丈夫!じゃ、銀行に突撃~っ、行ったらんか~いっ!」

モスクワの銀行事情

ポーチの中の財布の少々のドル紙幣と、腹に巻き付けて
誰にも分らないように隠してある内緒の財布には1ドル
紙幣がたくさん入っていた。それを取り出し、ルーブル
に両替するのだ。「今は何ドルが何ルーブルに両替
出来るのかな?」電光掲示板では無く、四角いプラス
ティックの白いボードに数字を銀行員の手で並べ替える
簡素な物であった。「銀行ならもうちょっと金を
かけろよ!」と言いたいところだが、それよりも両替を
するために為替の表示板をジーッと見つめた。

ショージの他にもアメリカ人のツアー客みたいな人たちも
数人並んでいた。ショージはドルを持って来ていて
良かったと改めて思った。何故ならばここロシアでは
限られた国の金しか両替出来ないのだ。例えばソビエトの
時代では日本の金は両替など出来ないし、スウェーデンの
金も駄目である。イタリアも駄目なのだ。

アメリカのドルとスイス、イギリス、ドイツなどの主要国
以外は駄目なのである。今でこそ日本の金もイギリスの
ポンドやドイツのマルク…今や、ユーロになったが、
大丈夫になったのはソビエトが崩壊してからだ。そう言った
訳でショージがうろうろと策略を見つけながら彷徨って
いるこの時代では、ツーリストに優しくない銀行体制であった。
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第111話

2018-06-28 10:00:25 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
ヨーダのようだ…
第111話
偉い剣幕のおばちゃんにたじろぎながら、「あ、あ…
そうだよね…でもさ、やっぱりもうちょっと安くして
欲しんだけど…」おばちゃんは他所の方を見ながら
動きもせずに、「あー、こりゃイディオート(バカ)だわ…。
あんた、それも忘れているんかいな…。あたしゃーね!
安くなんかしないって言ったんだよっ~!」

ショージはその度迫力と言うか、見えない気の力と
言うのか、その声だけで後ろに弾き飛ばされた。
「うわ~っ!あ、思い出したよ…た、確かにそう言ってた、
その通りだよね…げ~っ!このおばちゃん、妖怪か!?」

おばちゃんは何かモグモグ…とビニール袋に手を突っ込み
ながら、それを口に運んで食べている。おばちゃんを見て
いると、スターウォーズに出て来たヨーダというキャラクター
にも似ているし、日本の元首相の宮澤喜一にも似ている。
マラソン選手の増田さんのロシアンバージョンのお婆ちゃん…
と言っても過言ではない。

ただ、目だけは妖怪だけが持ち得る恐ろしいまでの隙の
無さと言い、近寄るものは徹底的に妖術で懲らしめる
天下無敵の度迫力だ!ショージはテーブルの上の輝く
までの美しさのゴールデンフォックスを見て、「もう一度
被ってもいいかな?」と上目使いで見ると、こちらには
目もくれずにしきりにビニールの中の物を食べながら、
こくんと頷いた。

ショージは目を凝らしてビニール袋の中を見つめると、
「おっ!向日葵(ひまわり)の種じゃん!」急におばちゃんの
顔がオウムにも見えて来た。フォックスをかぶると、
「ああ…なんて温かいんだ…」そして頭に手をやると
可笑しいまでにボワーンと大きく、まるで巨大なマッシュ
ルームのように手に感じることが出来た。「ここに鏡が
あればな…」と思ったが、いずれにしてもショージの頭に
ピッタリサイズであった。「欲しい…どうしても欲しい!
ヤ ハチュ~!」

ネゴシエーション(交渉)

他にも色々なシャプカがあり、明らかに狸や、ちょっと
見当も付かない野獣の毛のシャプカがたくさんあるのだが、
ショージはこれだけが一番綺麗で気に入ってしまったのだ。
おばちゃんはそんな事には全く興味も無いのか、それとも
向日葵の種がそれほど美味しいのか、こっちには目も
くれなかった。

と思った瞬間「おいっ!買うなら金よこせっ!買わないなら
邪魔だからあっちに行けっ!」と恐ろしいほど険悪な表情で
口から向日葵の種の殻をペッと吐き出した。普通のお店の
店員がこんなに酷い客とのやりとりをしたら、「ふざけんな~っ!」
と客が切れて「おいっ!店の主人を出せっ!」と喧嘩沙汰にも
なりそうなはずだが、今は立場が完全に逆で、下手したら
このおばちゃんに張り倒されるかもしれない。

「わ、わかってるよ…ルーブルはこれしか持って無いんだ…」
そう言いながら、おばちゃんにショージの売上げ全部の
お金を出して見せた。するとおばちゃんは、それには
非常に興味を示し、「どりゃどりゃ…?」そして直ぐに
「あんた、こんなはした金でシャプカが欲しいってか?
ふざけんじゃないよっ!全然足りないんだよ~っ!」

ショージは両目を瞑りながら、「ひえ~っ!わ、分かって
いるよ…だ、だからさ、これでどうかな、あのドルで、そう、
ドルで残りを払うってのは?」おばちゃんは、プイっと
向こうを見ながら、「あたしゃ、そんな面倒な物はいらん!
全額ルーブルで頂こうじゃないかっ!自分で勝手に何処かで
両替して来いっ!そんなドルだ~?いらんわいっ…」

もう、こうなるとこの妖怪…じゃない、おばちゃんは箸にも
棒にも掛からなかった。全く話しにならないのである。
「この人、本当にロシア人か?普通、ロシア人ならドルと
言った瞬間に目を輝かせるものなのに。ああ…こうなったら
是が非でも早く両替に行かなきゃ!

」おばちゃんに「じゃ、両替に行ってくるわ!」と言うと
、おばちゃんは興味無さげに、「ヘッ…プッ!」と口から
向日葵の種の殻をショージの方に吐き出した。「あな恐ろしや…!」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第110話

2018-06-27 09:42:52 | webブログ
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キリル文字
第114話
ショージはようやく念願のシャプカを手に入れる事が
出来た。「何と言う温かさだろう…」外気温を全く
感じなくなった。そして頭に手をやればその極上の
毛の肌触りはしっとりとしている。なるほどこの様な
極限的に寒いこの国には無くてはならない帽子なのだ。

初めてモスクワに到着した際、空港で見かけた長身の
イケメン男の頭の巨大なシャンピニオンのような異常な
帽子姿にビックリしたが、実は冗談で被っていた訳では
なかったのだ。ショージも今ではこの温かさを知って、
この地にいる限り手放そうなどと思わなかった。

プロスペクト・ミーラ公園の市場に向かう前に、
ボリショイ劇場の正面玄関に立ち寄り、今夜も何か
バレエを公演するのかチケット売り場に行き確かめた。
するとラッキーな事に「バリェット…」と見出しが
プラスティックのボードに掲げてある。

ショージはロシア語のキリル文字があまり読めなくて、
難儀しながらどうにか読んでみた。「ギジャル…
ジジャル…?ジ…」当たり前であった。そんなバレエは
「ジゼル」しかない。そしてバレエ「ジゼル」全幕も
拝見し、モスクワの夜を満喫した。だが、肝心要の
ショージの夢はまだ叶っていない。何としてでも
ボリショイバレエのレッスンがしたいのである。

1987年12月25日 可能性

次の日になって再び朝早くからボリショイ劇場へと
向かった。ここがショージならではの行動だ。普通の
人であれば何か理由があるからその行きたい場所に
向かうのであろう。それはショージも一緒で、
ボリショイ劇場内に潜り込もうと向かった。しかし
その目的は爺さんたち4人によって阻まれてしまい、
終いには担がれて関係者入口の外に粗大ゴミの様に
ポイッだった。

彼らにしてみればショージも粗大ゴミもあまり変わら
ないかもしれないが。ショージだったら粗大ゴミの
中から、使える物を発見するのは得意中の得意だ。
普通の人ならここらで諦めるであろう。しかし、
ショージは「帝王の門」から女性のトップダンサー
であるリュドミラ・セメニャーカによって、まんまと
劇場内へと入る事が出来た。またセメニャーカに入れて
貰えれば良いのだが、どう考えてもそれは無理だろう。

「どうにかまた入り込めないだろうか…?だが入った
ところでどうするのか?」勿論、ボリショイ劇場の
ダンサーたちと一緒にレッスンをしたいのである。
「しかし、どうやって…」結局、ここが最難関だ。
爺ぃたちがいる限り、侵入は不可能である。ショージは
必死で考えた。そして無理と分っていながら再び
ボリショイ劇場に行くしかないと決めた。

爺ぃたち4人と再びドンガラガッチャンの騒動は
起こしたくはないのだが、行かなきゃ可能性はゼロ
なのだ。ショージの思っているポイントとは、行けば
もしかして何かのチャンスに巡り合える可能性がある
訳だが、行かなきゃ可能性はゼロと言う事である。

「じゃ、どっちを選ぶ?」と選択を選ばなければ
ならない場合、ショージはまず行動に出る。普通の
人なら劇場に入れるチャンスを作るために予め下準備
をするだろう。しかしこの男は計画性0だ。

ショージはこのモスクワに地震や災害のように突然と
やって来た。下準備など全くしていない。そして
ショージは既に再び関係者入口の前に到着した。二重の
門を潜ると大騒動になる。そこで暫しの間、ダンサー
たちが入るのを見届けようと関係者入口の傍で待ち構えた。
この時点でもマイナス40度近い極限状態の寒さだった。

ショージが立てた秘策は「ここでダンサーたちと一瞬で
友達になるぞ!」であり、腹を括っていたが鼻水が顎まで
垂れてツララになりかけている。
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第109話

2018-06-26 09:10:39 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第109話
結局、アンドリスが体操選手のような衣装を着けた
バレエはボリショイバレエの芸術監督のユーリー・
グリゴローヴィチ氏が振り付けた「ゴールデンエイジ」
と言うらしい。日本名は「黄金時代」とでも言うので
あろうか。やっている事は凄いのだが、今一つ、ショージは
このバレエが好きにはなれなかった。

リハーサルが終わりショージもこの空間…つまり、劇場から
出て行かなければならない。「ああ…アンドリスはもう
こっちの客席には来ないのか…待てよ?舞台の後ろにいる
かもしれないな!」急いで舞台裏に回ってみたが、もう誰も
いなかった。仕方もなく劇場から出るしかない。が、大きな
問題が2つある。この劇場に入る時に使った「帝王の門」
から出て行けば何の問題はないのだが、それはエンジェル
とも言うべき美女のバレリーナ、リュドミラ・セメニャーカに
腕を組んでもらって通って来た迷路のような複雑な廊下の
道順をショージはもう全然覚えていないのだ。

そして更なる問題は、ダンサーたちの皆と同じように一緒に
劇場関係者の入口から出ようと思えば、劇場関係者に向ける
顔は良い翁なのに、ショージだけに向ける顔は恐ろしい鬼の
ような顔をした4人のバラエティーに富んだ爺さんたちと、
晴れて再び御面会になってしまうという事だ。

「だが待てよ…僕を劇場内に入れてくれたのはリュドミラ
なのだから爺さんたちに怒られる筋合いもないか…」
それでも関係者入口で再び問題にならないように大きな
ダンサーたちと一緒にスーッと門を出た。外に出てから
後ろを振り返り「爺ぃたちよ、まさか僕が劇場内に入って
いたとは君たちもよもや気が付くまい。何て気持ちの良い
ことだろう!さ、僕にはまだやり残している事があるから
行きますかっ、いざ、プロスペクト・ミーラの公園に!」

そこにはショージの欲しい物がある。思いっきり毛が長い
ゴールデンフォックスのシャプカ…そう、帽子があるのだ。
しかし、もしかしたら既に誰かに買われてしまっているかも
知れない。「いずれにしても、あそこで商売をしなきゃ
いけないし、あの帽子は飛びきり温かいんだろうな。
持っている物が全部売れさえすれば、狸でもネズミの毛
でも何でもいいから、紳士用の帽子を早く手に入れたい!
今、僕がかぶっているのは、御高齢用の女性の帽子だからね…
ハハハ!」

商売再開

公園に着くと、早速、あのシャプカのおばちゃんを探した。
おばちゃんは「帽子が売れたらこんなの所にはもう居るはずが
ないじゃないのさ!売れなきゃ、ここ居るってんだよ!」
目を恐ろしく吊り上げて、怖~い顔をしてショージを睨んで
いた。「もうシャプカは売れちゃってるかな…。おばちゃん、
おばちゃんは…お~っ!いるじゃん!はははっ!おばちゃん
、売れなかったんじゃんよ!よ~し、こうなったら僕も
どこかで商売道具を並べるぞ!ん?よしっ、あそこのティー
シャツを売っている人の隣に隙間が空いているから、あそこに
しよう!」

バッグからショージの選んだ、ヒット商品100選とは…
そんなには無いけれど、グッズを取り出した。そして前回と
同様に黒いバッグの外側と中側を逆さまにして底に当たる
平らな部分を上にしてグッズを並べた。歯ブラシ、歯磨き粉、
ストッキング4つ、ポケットティッシュ20個入りを4個
ずつに分けて5セット、カシオの腕時計3個、インスタント
ラーメン、カレー粉、まだまだ続いた。

並べている傍から、隣にいるティーシャツを売っているおっさんが
「おーっ!」と言いながら、自分の商売を放ったらかして
ショージの商品の前に来て、いきなり客に早変わりした。
(つづく)