【ヘルシンキにやって来た男が暴漢に襲われ、記憶喪失に陥ってしまう。彼は港湾のコンテナで生活を始め、食事や服の面倒をみてくれる救世軍の女性に恋をするが、銀行強盗に巻き込まれたことから身元が発覚し…。】
商業主義?の刺激的なハリウッド映画より、こういうしみじみした映画がいいなあ・・・と思う今日この頃です。
冒頭の暴漢に襲われる場面はショックだったけど、後は静かに淡々と進んでいきます。
でも、飽きません。クスってするところもあります。
表情も少なく、地味で静かです。
彼に好意を持たれていると分かった救世軍の女性が、微かに嬉しそうな表情を浮かべます。
ふだんしない化粧を取り出すところもとても印象的でした。
弱い立場の者同士が助け合う。
「神の慈悲のない現世では、人間は自力で生きるしかないのよ」
金金という嫌な警備員(でも、悪い人じゃなかった)が彼を脅すために連れてきた
「ハンニバル(人喰い)」という名のワンちゃん。
愛嬌があって和む。
コンテナやゴミ箱で暮らす人たちのやさしさ。
自分の名前も何もかもなくし無一文になった彼は、救世軍の炊き出し(ディナー)に並ぶ。
その服じゃ就活もできないだろうと、無料で服を分けてくれる。
コンテナの脇にじゃがいもを植え、できたひとつの芋を半分友人に分け与える。
倒産した社長が銀行強盗をして取り戻したお金を、偶然居合わせただけの彼が代わりに解雇した人たちに届ける。
過去も、何も、もたない方がいいのかもしれない。
今を生きる。ぎりぎりでも、助け合って。
「人生は後ろには進まない」
ハッピーエンド。
希望のある、とてもいい作品でした。
見終わって、いい映画だったなあ って思える、心にしみる作品でした。
星5つ
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